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ガンナ~のまったり日記
プロローグ
俺、村山清次は夜の町並みを走っていた。
どうしてなったんだろうか、ちょっと用事があって出てただけなのに・・・・・・。
「こっちよ」
隣にいた可憐な少女はそういって俺の手を引いた。
「お、おい。どうして俺まで逃げないといけないんだ?」
「さぁ? でも見ちゃったからには君も殺されると思うけど?」
少女はさらりとそういって足を止めた。
「鳳凰月牙(ほうおうげつが)!」
そう叫ぶと少女の手の中には等身大にもなるおおきな剣が現れた。
少女が手にしている剣からは極熱の炎がまとっている。
これは夢なのだろうか、俺が今まで知っている現実ではありえない光景だった。
清次はいろいろとつっこもうとしたが、暗闇から聞こえてきた声に邪魔された。
「ついに観念したか、消えろ」
すると少女は長い髪をなびかせ、ニヤリと笑いながら楽しそうにいった。
「そうね。あなたを倒す覚悟ができたわ。」
清次はその少女の姿に今の現状を忘れて見とれていた。
これからの日常が変わることを知らずに。
†
目立つのは嫌いだ。
目立つとろくなことがない。トラブルに巻き込まれやすいし、みんなに意識されてしまうではないか。まったくロクなことがない。
俺は平和が好きなんだ。「毎日何事も平凡が一番!」これがモットーだ。
だからこれだけは他の人に知られてはいけないことがある。
俺は『水を操ることができる』
周りにこんな能力を使える人もいないし、これは絶対に知られてはまずい。
なぜこんな能力が自分にあるのかはわからないが、平凡に暮らしていくためにはとても邪魔なものだ。
まぁ、ぶっちゃけ手品とかいってみんなの前で使っているけどな。
「ねぇ、何ぶつぶついってるの?」
「あ? 俺また独り言いってた・・・・・・?」
俺は独り言を言う癖があるらしい。
無意識ででるからタチが悪い。まったく、イヤなクセだぜ・・・・・・。
そして俺のクセを指摘したやつは同じアパートに住んでいる美夏だ。
性格はちょっとおっとりしてて何をやってても危なっかしい。そのためいつも俺はこいつのフォロー役をやっているというわけだ。
決して付き合ってはいない。これ重要な。決して付き合っていないからな?わかったか?
「ねぇってばー またぶつぶついってるよせいちゃん」
「あ? あぁ、悪い悪い」
「それよりこれからどうするの?」
「どうすっかなぁ・・・・・・」
俺は失業していた。いや、だってさ。飽きたんだもん・・・・・・。
「なんかおもしろいことがおきねぇかなぁー」
そういった瞬間前から声がした。
「ならおもしろいことおこしてやるよ」
見知らぬ男はそういうと指をならした。
パチッっという音とともに男達がぞろぞろと清次と美夏を取り囲むようにして並んだ。
「お前は村山清次であってるよな?」
「あー、あってるけどさお前ら誰?」
「誰かなんてどうでもいいんだよ。お前は素直に俺らについてくればいいだけだ」
「素直についていかなかったら?」
「実力行使にでるまでだ」
「ですよねー、はぁ、かったりぃなぁ」
「ね、ねぇせいちゃん・・・・・・この人たち誰・・・・・・?」
「さぁ? 怖いおっちゃん?」
「なんで疑問系なのよ!」
そんなこと聞かれても困る。清次だってこの男達が誰かなのか知らないのだから。
まぁ、いつものことなのでさっさと終わらせてしまおう。
「で、ついてくるのか?」
最初に現れたリーダーらしき男は清次に最終確認をした。
「ほいほいついていくわけないだろ、お前バカか?」
「やれ」
男がそう指示すると清次と美夏を取り囲んでいた男達はいっせいに清次たちに襲い掛かった。
「あ! 美夏あれなんだ?!」
急に大声をあげ、清次は上を指差した。
「え?」
清次は美夏が上を向いたのを確認すると、かばんからペットボトルを取り出し中身をぶちまけた。
「てめーら覚悟はいいな?」
すると、ペットボトルからぶちまけた中身が清次のもとに集まりぐるぐると周りはじめた。
「な、なんだあれは!」
「ひ、ひるむな! かかれ!!」
清次たちを取り囲んでいた男たちは一斉に飛び掛ってきた。
「アクア、俺に力を貸してくれ」
清次は周りを回っていた水に触れ、男たちに水をかけるように手はなぎ払った。
なぎ払われた水は小さな水玉となり、男たちに当たる。
水玉ははじけることなく、まるで銃弾をくらったような激痛が男たちを襲った。
(おし、これで仕上げだ!)
身動きがとれなくなった男たちを確認すると、今度は手から水を出し男たちを包み上げた。
清次はまるで野球ボールを投げるように、大きく振りかぶると空へ向かって投げた。
「そーら、飛んでけぇ!」
すると、男たちは包まれた水と一緒に空へと飛んでいった。
(まぁ、近くの海に落としたから死にはしないだろう)
「ねぇ、せいちゃん~ お空に何があったの?」
まだ美夏は上を向いてキョロキョロしていた。
「あー、やっぱ何にもなかったわ」
美夏がおっとりしていて助かった。てか普通気づくだろ。こいつもしかしてかわいそうな子・・・・・・?
ちゃんとした病院で一回みてもらったほうがいいんじゃないか?それとももう治らないのか?
などと鈍感すぎる美夏のことを考えていると。
「あ! せいちゃんが見たのってあの妖精さんのこと?」
「・・・・・・はぁ?」
わけわからんこといいはじめた。もしかして本当にかわいそうな子・・・・・・?妖精が見えるってどゆこと?
「ほら! せいちゃん上みて上!」
「お前何いってんだよ・・・・・・妖精なんてなぁ、いるわけな・・・・・・え?」
たしかにいた。俺は目を疑った。普通ありえないだろ、妖精なんて・・・・・・
赤い髪、赤い羽根、大きさは小さく手のひらサイズだ。
「妖精さんだよ! 妖精さん!」
「わー、まじだー、妖精さんだー」
すばらしい棒読みだ。
しかもその妖精はよわっているらしく、「ぷにゃー」とかいいながら清次の頭に大の字になって降りてきた。
「妖精さん具合が悪いみたい、お家につれていこうよせいちゃん」
「しょうがねぇなぁ・・・・・・」
妖精を頭の上に乗っけたまま清次と美夏はひとまず家に帰ることにした。
この妖精との出会いがこれからの清次の運命を大きく変えるなんて知る由もしないまま。
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