第2話 悪しき風習




 中学の英語の授業。先生が教室へ入ってくる。
"Good morning (afternoon) everyone." とか、あいさつ。みんなは
"Good morning (afternoon), Mr. ○○." ここまではいい。問題はそのあと。教師が、
"How are you?" って聞いたら、生徒諸君は、声をそろえて、
"I’m fine, thank you. And you?"

 この馬鹿げた光景が、全国いたるところで、繰り広げられている。いい加減、こんなマヌケな「儀式」はやめにしようよ。

 どこがマヌケかって? じゃあ、聞くけど、中学生諸君。君たちは、何で声を揃えて、"I’m fine, thank you." って答えるの? fineは「元気な」って訳されるけど、「状態がよい」っていう意味だ。それはさておき、風邪ひいて具合が悪い人、なんとなく気分がすぐれない人…。この人たちのどこが「状態がよい」のよ? ちっとも fine じゃないじゃん。なのに、全員が声をそろえて、「あいむふぁいん、さんきゅー」だって? 笑わせんじゃねーよ。

 断っておくが、君たちの事をマヌケだと言ってるんじゃない。こう答えるように教え込んだ連中のことを言ってるんだ。これって、中1の最初の頃からやらされてるよね。幼稚園児じゃあるまいし、ワンパターンな英会話モドキを仕込むなっつーの。せめて、元気じゃないときは、I’m not fine. とか I feel sick. とか、バリエーションを紹介しろよ!!

 学年が上がれば、こんなくだらない儀式に付き合ってられないなって分かるようになるから、諸君は次第に声を出さなくなる。ごく自然な成り行きだ。それを感じ取って、中3くらいになると、このお決まりのあいさつを廃止する教師もいる。賢明だ。

 ところが、高圧的な教師ってのが存在するんだなア。君たちが小声で「あいむふぁ・・・」って言うと、
「声が小さい!」「やり直し!」とか怒鳴り散らし、顔を真っ赤にして「ハウ・アー・ユー!」って、もう一度聞いてくるバカ者がいるからたまらない。どこの世界に、怒気を含んで「元気ですか~?」って聞くヤツがいるんだろうね。

 残念ながら、くだらない問答には、続きがある。
"What is the date today?" と来るのだ。日付けくらい、黒板に書いてあんだろ!!

 追い討ちは続く。次は、
"How is the weather today?" の番だぜ。天気? そんなもん、外見りゃわかるだろうが!!

(なお、この2つを、表現に慣れるという目的でたまに行う程度であれば、何ら異議はない。)


 言っとくけど、What is the date today? は「今日は何月何日ですか」という意味じゃないぜ。

 What is  the   date  today? 
  何 です その 日付けは 今日?

って聞いているんだからね。主語はdateだ。


 あいさつなんてものは、ごく自然に交わすものだ。こんな不自然極まりないお仕着せのあいさつに時間を費やすくらいなら、その分、休み時間増やせよ。



© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: