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3...心、ふたり、イマハマダ



「今日こそ一緒に学校行くぞ」
「イ・ヤ!」
聖華は真澄の誘いをあっさり断りひとりで学校へと向かっていく。
「ンなこといわずに」
「もー!ついてこないで!!」
聖華の言葉に立ち止まり、聖華の背中が遠のくのを見つめた。
真澄はなんだよ、と眉をひそめる。
(・・・素直じゃねぇ)
母と約束してから一週間がたった。
もぅ以前のようにキレることはなくなった。
聖華の言動にムっとすることはあっても真澄は自分を抑えるようにした。
「ってぃぅか進展ねぇなー」
真澄は頭の後ろで手を組み、ため息混じりに呟いた。
真澄が打ち解けようと努力をしているというのに聖華は未だ心を開こうとしない。
(やっぱり…怒ってる…のか)
『嫌い!大嫌い…!!』
すぐにでも脳裏に浮かぶ聖華の表情が真澄の顔を曇らせる。
「誰と進展ないん?」
「うわっ!」
背後から急に声をかけられ真澄は声をあげて驚いた。
「なにするんだょ、愛斗!!」
声の主は金色の髪の毛がよく似合う少年、愛斗だった。
真澄が睨んでいるというのに愛斗は全く気にしていない。
「それよか進展って誰と?」
にんまりと笑っている姿はおっかなく映る。
「なんでもねーよ」
愛斗はつねになんでも面白がるタイプでなんにでも首を突っ込んでくる。
「はーん?でも女子らはなんでもねーなんて思ってねぇぞ」
NOVEL
真澄は理解できず聞き返す。
「どーゆう意味だよ?」
「真澄って本当鈍感だな~お前のファンだよ」
表情の変わらない真澄に愛斗はまだわかんねぇのかと呆れる。
「お前最近あの転校生追っかけてんじゃん」
「聖華?それがどうしたんだよ?」
「硬派で有名だった真澄が女追ってんだぜ?ファンにしちゃ気分悪いンじゃね?」
真澄はきょとんとする。
「わけわかんねぇ、つーかファンってなんだよ」
そう言う真澄のほおを愛斗はつねった。
「いてぇっ」
「モテてる自覚ねぇなんてもったいねぇ奴だなぁ~」
愛斗はすぐに手を離したが真澄は本気で痛がっていた。
私情が入っているように見える。
「で!俺が聞きたいのはあの成瀬聖華のことなんだけど、どういう仲なん?まさか付き合ってンの?」
愛斗は目を輝かす。
ころころと表情を変える愛斗だが真澄は慣れたもので気にしない。
真澄はため息をつき答えた。
「愛斗が望むようなことはなんもねぇよ、一緒に住んでるだけ」
「一緒に住んでるぅっ!?」
愛斗は目を丸くした。
「なに驚いてるんだよ?」
「お前そりゃ驚くって…それ女子には絶対言うなよ?女子はこえーからなぁ」
ひとりうんうんと頷いた後、愛斗はなにを想像したのかいやらしい笑みを浮かべた。
「可愛い女の子と1つ屋根の下かぁ、いいねぇ~」
真澄はなに言ってンだ、と呆れながら
「早く学校へ行くぞ」
と言って駆け出した。
「待てよぉ!」
そんな真澄を追うようにしてふたりは学校へと向かっていった。


「なにこれ?」
母、葉月は真澄の制服のポケットから出てきた紙を眺めた。
「…肝試し…?」
それは肝試し開催のお知らせのプリントだった。
母は天井を見上げにやりと笑うと真澄を呼んだ。
「なんだよ、母さん」
またもゲームの途中で邪魔された真澄は機嫌が悪い。
しかし母はそんなこと気にした様子もなく真澄の耳元でささやいた。
「肝試しで勝負よ」
「はぁ?」
真澄は母の顔を引き離す。
「聖華ちゃんと仲良くなるチャンスよ!!どーせなんの進展もないんでしょ?」
「う…」
図星をつかれ何も言えなくなる。
「いい?肝試しで距離が縮まらなかったら…わかってるでしょうね?」
真澄の顔から血の気が引いた。
母はなにをするかわからないと、身を震わせる。
脳裏に浮かんできたものを振り払うように顔を振った。
「そうと決まれば絶対聖華ちゃんとペアになるのよ!!」
ひとり張り切る母をよそに、ペアになるのはどう頑張ればいいんだ、と
真澄は心の中でつっこみをいれた。

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