『REDSTONE』 4




いつもの様にクエストの説明を受けるため本拠地の一室に数名のギルメンが集まっていた。


「まだまだ協会が落ち着かないのに加え“レッドアイ”の動きを探る為にクエストが続くが皆頑張ってほしい。」
GMであるStojikovicが始めに皆に労いの言葉をかけた。
「それで今回だが久しぶりに他のギルドと合同でクエストを進行する事になった。」
「3チームに別れて行うがそれぞれで内容が異なってくるので各チームリーダーからの説明で行動する様にお願いしたい。」
「今回一緒にクエストを遂行するギルドはG☆starsだ。おっさんずとは昔から交流も深いのでなじみやすいとは思う。」


―G☆starsか、噂では聞いた事あるけどどんなギルドなんだろう・・・
ミコトは初めての他ギルドとのクエスト遂行そしてまだ見た事のない強者に会えるとあって緊張と共に少しの興奮を覚えていた。


「既に向こうのGMと話してPT編成等は考えてある。これからチーム編成を発表する。」
Stojikovicの口から発表されたチーム編成は

チーム1、Stojikovic・leaf・fainbrew・kikoutei
チーム2、ファンキー・不二家・マーブルフラン
チーム3、炬燵蜜柑・天乃ミコト

と言う物だった。


「え、2人ですか?」
思わずミコトが声を出した。
「うむ。各チーム6人編成でチーム1のPTリーダーは自分が副リーダーにG☆starsの人に、チーム2のリーダーはG☆starsの人に副リーダーはパパにしてもらう。そしてチーム3はG☆starsのGMがリーダーを蜜柑ちゃんに副リーダーを務めてもらう。」
「クエストの内容はそれぞれの集合場所でPTメンバーが揃った時にPTリーダーが伝える事にした。」
「何か質問はないかな?」
Stojikovicの問いに
「ストちゃん、内容知らないのに質問も何もないじゃん。」
leafが口を押さえ笑いをこらえながらつっこむ。
「ぐ・・・言われればそうだな・・・。」
もっともな言葉にStojikovicが苦笑いを浮かべる。
しかしすぐに先程までの真剣な表情に戻し
「よし、じゃあ各自PTリーダー・副リーダーの指示に従って行動する様に。解散!」
クエスト開始の指示を出した。












『真説RS: 赤石 物語』 第1章 『REDSTONE』-4







「とりあえずブリッジヘッドで集合することになってるから行こうか。」
「はい。あの・・少し聞いてもいいですか?」
「ん?構わないよ。」
「G☆Starsの皆さんどんな方たちなのかなって思って。」
「おぉ、そう言えばミコトは他のギルドのメンバーと行動するのは初めてか。」
「はい。」
ミコトが首を縦にふり答えた。
「そうだなぁ。全員と知り合いのわけではないんだけどね。一緒のチームになる人達は特に交流が深い人達だね。皆面白いし何よりも強いよ。」
「特に今回は剣士が2人来るからミコトにとってはいい刺激にもなるんじゃないかな。」
「おぉ!」
ミコトは同職の剣士の言葉に反応せずにはいられなかった。
「まぁ、個性も強い人達だからね。言葉ではうまく伝えにくいなぁ。」
炬燵蜜柑は何かを思い出したのか含み笑いを浮かべた。
それを見たミコトが
「何か今の蜜柑さんの言葉と表情でちょっと不安になりました・・・。」
苦笑と共に正直な感想を述べた。
「はははっ、あくが強いだけでとてもいい人達だよ。おっ、テレポーターが見えてきたね。さぁブリッジヘッドに飛ぼうか。」


ブリッジヘッドに降り立った2人の頬にダイム内海からの潮風が吹きつけた。
「ん~気持ちいい風ですね。」
「そうだね。適度な気温と湿度で心地いいね。」
そう言うと2人はググッと背伸びをした。


「わっ!!」
背伸びをする炬燵蜜柑の背後で不意に大きな声がした。
「うぉお!?」
普段は冷静沈着な炬燵蜜柑だったがさすがに驚いた様で目を丸く開けていた。
「蜜柑さんお久しぶりです。」
背後の声に慌てて炬燵蜜柑が振り返る。
「ギブさんか・・・まじでビックリしたよ。」
声の主はG☆StrasのGM gibson_doveだった。


“でかい”
ミコトの第一印象だった。
身長もさる事ながら成人女性の腰位の太さはあるだろう太ももに同じく成人女性の太もも位の太さの腕が余計に巨躯なイメージを与えていた。
さらにそれらが脂肪ではなく筋肉で構成されているから相当鍛えられている事が容易に想像出来た。
また腰に携えられている剣は刀身の幅が広く威力が大きいが反面スピードを犠牲にしたブロードソードタイプの物で一撃の威力に相当の自信がある事を窺わせていた。
いかにも“ごろつき”の様な風貌ではあったが彼のおちゃらけた行動と柔らかな笑顔に自然と親近感を感じる事が出来ていた。


「そうか、おっさんず側は2人だったね。こっちの残りの3人も来てるから自己紹介しておこうか。」
そう言うと少し離れたところにいた3人がこっちに向かって歩いてきた。
「蜜柑さんかなり驚いてましたね。」
そのうちの一人が話す。
「やっぱり見てたのね・・・・。」
炬燵蜜柑がとほほ顔でうつむく。
「ははは、彼はうちのエース剣士のラディッツだ。」
「落ち込まないでくださいよ。本日はよろしくお願いします。」
紹介された剣士はgibson_doveと比べると華奢だがよくよく絞り込まれた無駄のない筋肉にただの会話でさえ隙を全く見せないところがエースと言う言葉に違和感を感じさせなかった。
また清廉な顔付きでクールな印象だったが冷たいと感じる事もなく頼りがいのあるお兄さんなイメージを持った。


「次はうちのダメダメ天使兼ビショップのダミアン君だ。」
「おいおい・・・ダメダメとか言うんじゃない。まぁよろしゅうにの。」
体格はgibson_doveとラディッツの間位で中肉中背で笑顔と口調からほのぼのとした印象を受けた。
不思議で独特な雰囲気をかもしだしているが何故か始めて会うにも関らずそれが心地よく感じられた。


「そして最後はうちのムードメイカーののかちむ♪だ。」
「のかちむ♪です。人見知り激しいけどよろしくおねがいします。」
最後に紹介されたのは女性で何故かミコトの方をずっと見ていた。
後でわかった事だが彼女は剣士に対し特別な思い入れがある様だった。
「ちむこ、まぁた剣士見とるんか?」
「ダミうっせ!後でおしおきだかんね!」
「ひぃぃ~~~。」
「はっはっは。」
ダミアン君とのかちむ♪のやり取りで場に残っていた緊張が和らぐ。
「ダミさん・・・どんまいです・・。」
ラディッツが気の毒そうな顔で同情した。
「ラディ・・・ひどいわっ!」
のかちむ♪が先程までの険しい顔から一転ししおらしい表情を浮かべる。
「うっ・・・・。」
その表情にラディッツが言葉をつまらせる。
「だからどこが人見知りが激しいって言うんじゃ。」
その横でダミアン君がぼそっと独り言をはいた。
「・・・・ダーーーミーーーーー・・・・」
どうやら独り言が本人の耳に届いたらしくまたまたのかちむ♪の表情が険しくなる。
「ひぃぃぃ~~~~~~~。」
ダミアン君の悲痛な叫びがブリッジヘッドにこだました。



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