『ＶＥＮＧＥＡＮＣＥ』２ | ボク、ガラ衛門σ((=゜I゜=))

『ＶＥＮＧＥＡＮＣＥ』　２

「おかえりなさい。」
そう言って任務から帰ってきた戦士達を笑顔で出迎えたのはトリーシャという女性だった。
彼女は主人であるアルテミスと一人息子のほたる。の３人で一週間ほど前におっさんずの元へとやってきた。
なんでも昔はそこそこ名前の通った槍士だったらしいが数年前に大怪我を負い闘うことが出来ない体になってしまったという。
戦いの中に身を置いていた者にいきなり襲い掛かった災難。常に死と隣り合わせにある事を頭では理解していても実際に家族や大切な人の為に闘う事が出来なくなるのはどれほどショックな事だろうか・・・
しかし、彼女はそんな辛さなど微塵も見せず絶えず皆に笑顔を配っていた。
そしてその笑顔は任務から帰ってくる戦士達の疲弊した心に優しく浸透していった。
しかしそんな優しさの中にも凛とした強さが通っておりそれこそが彼女の魅力だった。

「ミコト君、今日の任務はどうでした？」
トリーシャが笑顔でミコトに話しかける。
「はい、アルテミスさんの的確な指示のおかげでＰＴにほとんど被害がおよぶ事なく終わらせる事が出来ました。」
ミコトもとびきりの笑顔で答えた。
「ふふ、お疲れ様。」

アルテミスは根っからの軍師タイプで敵と味方の状況を一瞬で把握する洞察力と先見力、そして得た情報を元に一瞬で作戦を練り上げ実行させられる天賦の才を持ち合わせていた。
実際に彼が来てからの任務でのＰＴへの被害は格段に落ちより安全により確実に任務を遂行する事が出来ていた。

そして息子であるほたる。も戦いに年など関係ない！と言わんばかりに戦場では大人顔負けの動きを見せ戦士としての才能の片鱗を見せていた。
たまに見せる勝気なところは母親似なのかもしれない。

この暖かくも力強い３人がおっさんずへ来た時の事をミコトは思い返していた。

『真説ＲＳ：赤石物語』 第１章　『ＶＥＮＧＥＡＮＣＥ』－２

紅い宝石の調査をｍｉｋｕｓｕｋｅに依頼してから数日経ったある日
「今日の夜少し会議室に来てくれないか？」
Ｓｔｏｊｉｋｏｖｉｃからの伝達を受けミコトは一人指定された会議室へと足をむけていた。

コンコン　　ガチャ

扉を開けるとそこにはおっさんずの幹部の面々とＧＭであるＳｔｏｊｉｋｏｖｉｃそしてｍｉｋｕｓｕｋｅと風陣が、さらにその横には一人の女性が立っていた。
「遅くなってすいません。」
「いやいや時間通りだよ。」
そんなやり取りを交わしながらミコトも会議室の中へと足を進めた。

「皆、いきなり集まってもらって悪いね。今日は新しいメンバーの紹介とそれに伴って一つお願いをしたい。」
Stojikovicがそうきり出し話は始まった。
「まずは名前を知っている人も多いと思うが一番左にいらっしゃるのがmikusukeさんだ。」
Stojikovicの口からmikusukeの名前が出てくると場がざわざわとざわめき出した。
「皆さんどうしたんですか？」
ミコトが何故皆が驚いているのか理解出来ず隣に座っていたleafに問うた。
「あぁ、ミコトは知らないかもしれないけどmikusukeさんって世界四大知将の一人東のmikusukeって言われる程の有名人なのよ。」
「数年前にある事件がきっかけで表舞台から姿を消したらしいの。それでも未だに東のmikusukeって言われているところがよごいよねぇ。」
「えっ？」
leafの言葉にミコトも驚きの表情を浮かべた。
しかしミコトの驚きはmikusukeという人物に会った事に対しての驚きではなく世界四大知将という言葉に対しての物だった。
同じ世界四大知将と言われるにゃるらの事が頭に浮かび否が応でもあの時の出来事が頭をよぎるからである。

「ん、皆がビックリするのもわかるが続けるぞ。隣にいるのが息子の風陣君、さらに隣にいるのが妻のトリーシャさんだ。」
紹介をうけた三人が軽く頭を下げ挨拶を交わした。
「皆さん。」
そして最初に紹介を受けたmikusukeが話し出す。
「少し訳あってしばらくの間おっさんずに身を置かしてもらう事となりました。妻、息子共々よろしくお願いします。」
「そして今日幹部の皆さんに集まっていただいたのには訳があります。これも多くは語れないのですがとある理由で表で行動する事によりmikusukeの名前が世に出ると少し困るのです。」
「そこでここでは私はアルテミス、息子の風陣をほたる。と呼んでいただきたいのです。」
「と言う事だ。皆にも協力してもらいたい。」
mikusukeに続きStojikovicが皆に同意を求めた。
「了解しました。」
それに対し幹部の全員とミコトが二つ返事で答えた。
「理由も話せず申し訳なく思います。皆さんのご理解、ご協力心より感謝します。」
「さて話は以上だ。これからアルテミスさんとほたる。君には皆と一緒に任務を、トリーシャさんにはここ本拠地に残ってもらい皆の身の回りの世話の手伝いをお願いします。」
「それじゃあ今日はこれで解散とする。」

「ミコト君少しいいかい？」
話が終わり部屋を出ようとしていたミコトにmikusukeが話しかけた。
「はい？」
「この前の件だけどね、なかなか珍しい物らしくて鑑定にはもう少し時間がかかるらしいんだ。」
「そうですか・・・わざわざありがとうございます。」
「いやいや、気にする事はないよ。」
mikusukeが笑顔で答える。
「でも急に呼び出されたから何事かな？って思っていたらmiku・・アルテミスさんがおっさんずに参加するって話だったんでビックリしましたよ。」
「レッドアイの動きは私も気になるところだし、やはり現場で動いた方が情報も入りやすいからストさんに無理言ったんだよ。」
「そうでしたか・・アルテミスさんが入ってとても心強いです。これからよろしくお願いします。」
「あぁ、こちらこそよろしく。」
そう言い合いミコトとmikusukeは二度目の握手を交わした。