ガロの剣士道!

~異形のものたち~



古都地下水路前。
時間は3時30分。

『ぉ~、みんな居るみたいだな~。』
30分も遅刻したくせにバギの口調からは悪びれた様子はうかがえない。
遅刻しただけならまだしも、片手には食べかけのアイスがしっかりと握られている。

『『遅い!!!!』』
ルイナとレノは事前に打ち合わせをしたかのように2人そろって声を上げた。
少なくとも20人は声に驚きバギを見た。

しかし、バギはそんなこと関係無しにアイスを食べながら話す。
『いやぁ~、まぁ30分くらい多めにみてよ。』
しかしこの発言が2人をさらに怒らせる結果となる・・・

地下水路前4時13分。
『ま・・・・まぁ、みんな揃ってるみたいだし行こうか。』
2人に反論を受け、バギは少しは反省したようだ。

『『次遅れたら許しませんよ。』』
またしても2人揃っての講義・・・耳が痛くなりそうだ。

『はぃはぃ。んじゃ、レルとローもついてきて。』
レルからは気だるそうな返事が返ってきたが、ローからは返事が無い。

『ロー?』
バギは不振に思いローを見る。

『・・・・・・zzz』
ローは気持ちよさそうな寝息を立てている。

『ロー!!、出発だぞ。』
バギは多少の怒りを込めてローを起こす。
まぁ、40分以上も待たせることに原因があったりするのだが・・・

『・・・ん。』
寝ぼけているのかローの動きにはいつも道理のキレがない。

『早くしないと置いてくぞ~。』
バギの声を聞いてローはやっと動き出した。



地下水路B1。

水路に入った5人はすぐに異変に気がついた。
・・・・・・・・
モンスターの駆除が依頼に含まれているというのに、モンスターの姿が見当たらない。
いつもならうるさく吼えてくる犬も、謎の仮面をつけたレッドアイの研究員も居ない。
聞こえてくるのは水路に水が流れる音くらいだ。

・・・不気味だな。
この異常な光景に誰もがそう思っただろう。
いや、ローだけは苦笑いしているようだが・・・それに気づく者は居ない。

『まぁ、モンスター居ないみたいだし、水路の全体図を描いてこう。その途中でモンスターも出てくるだろう。』
皆、この場から立ち去りたいのか、バギに従いついていく。

地下水路B3扉前。

ここで更なる異変に気がつく。
B2には多少のモンスターが居たものの、いつもよりは格段に個体数は少なかった。

しかし、B3はどうであろう。
バギの探知によれば数百体のモンスターがこの扉の向こうに居るだろう。
『・・・・ロー、この扉開けたらDF(ダーティ・フィーバー)ね。』
バギは悪戯をする時ような顔でローに告げる。

『ぇ?・・・いやいや、無理だって。数百体だろ??腕つるってば!!』
『だいたい、レノのメテオのほうが早く倒せるよ・・・・ね?』
ローは必死で講義し、レノを頼りにレノのほうを向いた。

『・・・ごめんね~。こういう地下でメテオ打つと水路壊しちゃうから。』
レノはニヤニヤ笑いながらローの必死の頼みを断る。

『がんばれ~!』
などとルイナとレルドの無責任な声も聞こえてくる。

『ははは。んじゃ、ロー、3秒後にあけるぞ。』
問答無用と言わんばかりにバギは扉に手をかける。
『・・・1・・・2・・・3!』
ドアが開くとモンスターたちは盛大に5人を歓迎してくれた。

ズバッ!!一瞬で数百の恐ろしいモンスターの命はたった一人の投げはなった手斧によって、無害な置物へと姿を変えた。

『ぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・』
ローは声にならない声を出しながら自分の腕をさすっている。
また、ドジなことに手斧を懐から取り出す際に自分のみぞおちを強打したようだ。
軽い呼吸困難にもなっている。

そんな悲惨なローの様子を見て、4人は・・・・笑っている。
それも盛大な声を上げて。
『クククク・・・・・・はぁ~、涙出てくる。』
レルドはこう言いながらローを立たせてやる。

『クソ、こんなに疲れたの久しぶりだ。』
そういう割にはそこまで疲労のいろは伺えない。
この男の体力はどうなっているのだろうか。

『まぁ、進むの楽になったよ。ありがとね。』
レノは一応ねぎらいの言葉をかけておく。

その後5人は地下水路の地図を書き進めて行った。


地下水路最深部。
『おかしい。』
レルドは皆に告げる。

『おかしい?なにがだ?』
その声に対しバギは問いかける。

『ん~、この地下水路は約400年前には存在してたんだろ?その割には壁の劣化が見当たらないし、どう考えても昔の技術じゃこんなに地下まで掘り進むのは無理だ。』
レルドにそう言われ、3人はようやくこの異常な広さに疑問を持った。
例によって、ローは苦笑いしている。
(ばれちゃったか。この辺が潮時かもな・・・)

『つまりだ、レルはこの地下水路は400年前に作られたものじゃないって言いたいのか?』
バギは理解できない部分をまとめようとレルドにたずねる。

『いや、たしかに途中までは400年前の建造だろうけど、B6以降、特にここはまだ作られて間もないし、結構使われてるみたいだよ。まぁ、あの扉の向こうも異様な雰囲気でてるけどね~。』
そんなレルドの言葉にバギは精神を集中させ、扉の向こうの気配を探る。
探知をしている中、バギの顔わどんどん険しくなっていく。

こんなバギは初めて見る。といった表情で3人は心配そうにバギを見ている。

探知を終え、バギはこう告げた。
『この扉の向こう側だけど・・・・・俺とロー、レノの3人で行く。ルイナとレルはギルドホールにもどってみんなを集めといて。こりゃ、相当な仕事になる。俺たち3人は中の様子みてから戻る。』

『わ・・・わかった。』
ルイナとレルドは慌ててギルドホールに戻っていった。


『さて、ローとレノには先に言っとく。この先に進んだら命の保障はできない。モンスターに気づかれたらすぐに巻物で帰還しろ。いいな?』

そんなバギの声を聞き、レノは気を引き締めなおす。
・・・ローはというと、少し寂しげな、悲しそうな顔をしていた。
(はぁ、いずれはこうなってたんだろうけど。仕方ないか・・・)

『んじゃ、入るぞ。』
3人は扉を開け、通路の下のモンスターを見る。
そこには体の色が赤く、地獄の番人を想像させるような体つきのオーガ。それもただのオーガではない。通常の3倍の大きさがある。
他にも、体毛が金色に輝く猿のような生物などと、見たことの無いモンスターが少なくとも30は居るだろうか。
それも、個々の発するオーラが半端ではない。

3人は見つからないように通路を進み、奥の扉の向こうへ消えていった。


『は?』
部屋に入って最初にでた言葉がこれだ。
その部屋には赤く光り輝き、3界大戦の原因になった石。
レッドストーンがそこにあった。
よくみるとその周辺には研究でまとめられたようなレポート用紙が何枚も置いてある。
バギは今までの地下水路の様子、扉の向こうの異様なモンスターたち、そしてここにあるレッドストーンをみて即座に状況を理解した。
『・・・なるほど、あの異常なモンスターの数は下の階へ行かせないようにするための門番。そこに居たモンスターたちは、ここにあるレッドストーンによって生み出されたモンスターってワケか。』

『ちょっと違うな。まぁ、その推理力はすばらしいもんだがな。』
いきなり後方から声がし、3人は臨戦態勢をとる。

『おいおい、俺たちと戦うのか?勝ち目があるとでも?』
そこには4人の男と3人の女が立っていた。

(バカな・・・俺の探知に気づかれずにここまできただと?)
バギの第6感が警報を鳴らす。
(こうやって向かい合って見ると、個々の能力は俺たちより少し上か?)
(向こうに数的有利がある以上は戦闘は好ましくないな。)

『・・・なんでここにレッドストーンがある?ここにお前たちが居るってことはあの外のモンスターはお前たちが作ったのか?』
バギは臨戦態勢を解き男に問いかける。

『正確に言うと作ったんじゃなく、復活させただがな。レッドストーンに関しては俺たちが移動させたとでも言っておこうか。』
そういってバギたちを見据える。

『復活させた?何のために復活させたって言うの?』
レノは当然の疑問をぶつける。

男は笑い、こう言った。
『決まってるだろ?世界をつぶすためさ!・・・ロー!お前もいつまでもそっちに立ってないで帰って来い!』

『ぇ?』
バギたちがローを見たときには遅かった。
・・・サクッ
ローの持っていたダートがレノのふくらはぎ、バギの肩それぞれに刺さっている。ダートには強力な痺れ薬が塗ってあたのか、体に力が入らない。
『わるいな~。まぁ、また縁があったら会おうな。』
そういってローはバギのベルトから巻物を取り出し、バギとレノを街へ戻らせた。

『ククク・・・甘くなったなぁ、ロー。』
男達はそういって笑い出す。

ローはため息をつき男達に話しかける。
『いいから、さっさと創めるぞ。これ以上時間かけてたらめんどくさくなりそうだしな。』



レヴォGH。

『ローが裏切った?』
帰ってきたバギとレノの説明を受け、皆信じきれないという思いで話を聞いている。
『とりあえず、俺とレノには連合から収集がかかった。帰ってきてからみんなには詳しく説明する。』
バギは話を切り上げ連合会へと向かった。
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