ガロの剣士道!

別れ、真実への扉



(ッ・・・なんで攻撃速度上がってんだよ・・・・?)
ローがこう思ったのも無理は無い。
ジークの斧を振る速度・切返しの速さが異常なのだ。
本来重たいはずの斧を先ほどの剣よりも速く振り回している。

『ククク・・・・ロォ~。どうしたよ!?あんたらしくねぇなぁ。あんたはもっと強ぇはずだろ?もってる力を使わなくてどうするよ!?』
ジークは知っていた。いくら自分が本気になろうと、ローにはかなわない。
戦っているうちに悟ってしまったのだ。ローは本気を出していない。・・・いや、出そうとしていない。
しかし勝負を投げ出すことを他の魔人が、何よりも・・・自分の魔族としての誇りが、プライドが許さなかった。
『あんたはもっと冷酷で!、あいての命を奪うことになんの躊躇いも無かったはずだ!なんで・・・なんで俺を殺そうとしない!?』
ジークの口調が荒くなる。
『俺の攻撃速度が上がったからってあんたには関係ない話だろうが!』
『なんで攻撃してこない!?』

『・・・・・・・・』
ローは戦いの途中にも関わらず、動くことをやめた。
そこにジークの斧が振り下ろされる。
当たれば即死。ローでもそう思った。・・・しかし、当たらなければ意味が無い。この速度で振られる斧をよけられるものなどこの世界には数えるほどしかいないだろう。

『喰らってみろ!!!これが・・・俺の一撃だ!!!』
ドンッ!!
斧がまっすぐに振り下ろされる。
『・・・・ッ』

『・・・・これが・・俺が本気にならない理由さ。』
ジークの斧はローの片腕によって止められている。
ローは静かに言い放つ。
『それに、お前たちを殺したら意味が無いんだ・・・』

『どういう意味だ?・・・』
ついにジークは戦いをやめて問う。
しかしローの返答は質問の内容とはまったく違うものだった。

『まずは・・・そうだな。ソリッドを復活させる。ロードギルドのあるピガプールを落とすぞ。』
そういってローは消えていった。


~未開地~

ここは誰も知らない場所。
誰にも存在を悟られない場所。
そんなとこにローは居た。
『もってる力を使わなくてどうするよ!?』
『あんたは冷酷で、命を奪うことになんの躊躇いも無かったはずだ!』
ジークの言葉が頭をよぎる。

『うるせぇよ・・・』
『力・・・・・か。いまさらそんなもの・・・・・・・』
そういったローは立ち上がり、歩き出す。
ローの姿が蒼炎に包まれる。
『こんな力・・・虚しいだけなのにな・・・・・・』
蒼炎から姿を現したのはバギ達を襲ったときの姿だった。
『時間が足りない・・・か。』



~古都:街外れの聖域~
ここには誰も来ない。
未開地とは違い、場所の存在は知られている。
しかし、立ち寄ろうとするものは居ない。
・・・いや、ここには時々だが人が訪れる。そういっても3人だけだが・・・
その1人、レルドは聖域の奥へと向かって歩く。
そこには、ただただ大きな壁がある。空を見上げても壁と空の境界線が見えない。
『ここは・・・・・監獄・・か。』
以前ローとレルドは2人でここを訪れた。
『ここは、監獄さ。この世界と違う世界への境界線とも言えるかな。』
そうだ、たしかローはこんなことを言っていた。
『監獄・・・・』
レルドはもう一度空を見る。
『この壁が監獄なんだとしたら、この世界にいる俺たちと、壁の向こうの存在・・・・どちらが囚人なんだろうな・・・』


~連合本部~

『みんな集まったな。それぞれの行き先は伝えた通りだ。・・・必ず、成功させてくれ。』
バギは悲痛な顔でみなに願う。
しかし、その言葉に返事はなかった・・・

評議員が歩み寄ってくる。
『なにをしている・・・?揃ったのならさっさと行け!』
上からの物言いにレルドは我慢できなかったのか言い返す。
『・・・なにもできねぇくせに、そうやって上から命令するだけの癖に何俺たちを見下してるんだ?お前らが椅子に座って王を言いように動かし、私欲を満たしている間に何人の命が犠牲になってると思う!?この・・・無能の役立たずが!!』
レルドは吐き捨てるように言い放つ。

『貴様ッ!たかが一般兵の分際で私に意見するのか?立場をわきまえろ!』
評議員は頭に血が上った様子で刀を抜く。

『クク・・お前ら無能じゃ束になったって俺には勝てねぇよ。』
レルドはさらに挑発する。

『もうやめろレルド!今は時間が惜しいんだ。』
バギはレルドをとめる。

『お前の処罰は後回しだ。さっさと行け!』
評議員は刀を納めてまたもや命令する。

レルドは歩き出し、バギたちはそれを見送る。
それぞれのPTは指定された場所へ向かった。



犠牲があるから救いがある・・・始まりがあるから終わりがある。
0と1の間。自己と他人、ウチとソト、何かがそこから始まる限界線。
この物語は今、彼らによって動いている。

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