ガロの剣士道!

戦争勃発


『・・・殺しあった?』
レルドは突きつけられた真実に困惑した表情を見せた。
『そう、殺しあったのさ。』

『どう・・・して?』

『理解が遅いな。負の感情が心を埋め尽くしたとき理性は崩壊し、生物としての本能が現れるのさ。』
ただひたすらに戦いを求め、力を求め、敵を容赦なく薙ぎ倒す戦いに対する絶対的な渇望だ。俺たちの理性という檻のなかに入れられ、普段は表に出ることは無い。・・・だが、理性という檻が負の感情という力に壊されたとき、原初の階層に刻まれた、研ぎ澄まされた殺戮反応が暴れだすのさ。―・・・と。

『・・・納得いかねぇな。』
ラーディが話に割ってはいる。
『お前は、なんでここにきた?俺たちに情報を与えに来たってわけじゃねぇだろ?お前一人で来て、俺たちがお前を殺そうとしたらどうするつもりだった?』

その言葉を聞いたローは、何が可笑しいのか笑い出した。
二人が困惑した表情をローに向けていると彼は涙を拭いながら説明を加える。
『まったく・・・ラーディ、お前の質問は的を射ているのか、それともただの無能の質問なのかわからないよ。』
『まぁ、確かに情報を与えに来たわけではない。来た理由は―・・・まぁ、そのうちわかるさ。』

そう言い終えた瞬間ローの姿が変化する。
それこそローを中心に空間が捻じ曲がっていくような錯覚に陥る。
『・・・さて、お前たちが俺を殺そうと―・・・だっけ?』
ドンッ!!
それこそ強烈なプレッシャーが2人を襲った。
先のレルドのプレッシャーの比ではない。
嫌でも理解してしまう。
2人で立ち向かってもローには傷1つ付けられないだろう。
『・・・強くなったな。昔のお前らなら今のプレッシャーに耐え切れず昏倒してただろうな。』
そういって力を弱める。
それでも尚、常人の域を超越した波動が感じられる。
『お前たちにとっての成長とはなんだ?』
ローの的外れな質問に2人は沈黙で答える。

『―皆が成長と聞けば褒めそやす。まるで成長しないものは罪であるかのように。だが、いくら力を尽くそうと、万人に望まれた姿にならなければ非難されて、否定されるだけだ。まわりが望むように・・・・・他人に強いられ、求められた成長が、そんなものが尊いだろうか?』

(おれは・・・)
失ったものを取りもどしたいだけだ。
レルドは静かに呟いた。
だから足掻くのだ、と。だから戦うのだと。

『成長とは喪失の回復ではないか・・・?だから本来、成長とはみじめなものであり、他人に誇るようなものではなく、おおっぴらに讃えられるものでもない。まさに余計なお世話だな・・・成長を見られるのは、ひどく恥ずかしいことのはずだ。』
だが―であっても・・・
強くなれ。・・・・・・・・・・
その言葉を残してローは姿を消した。まるで煙が空に昇っていくかのように。



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