ぁんじぇら

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3つのひと、1つのもの

3つのひと、1つのもの

  序章
 雅、舞、葵、そして僕の4人は午前8時、徒歩20分程の僕達の学校に向かって歩いていた。
午前8時半までに登校すればよいので、僕達はゆっくり歩いていた。

「だりぃ。」
葵の朝の初めの一言は、これだった。学校から一番遠い所に住んでいる僕が葵の家に行くと、彼は立派な門の前にいた。彼の家は驚くほどの豪邸で、僕の家が30個位(…さすがにそこまでは入らないか。せめて10個位にしておかないと僕の家が「とてつもなく小さい」と誤解されてしまう)入るほど大きいのだ。父親は大学の教授。母親は有名女優兼弁護士。…そんな豪邸に+エリート家族に囲まれて暮らしているお坊ちゃまが朝から「だりぃ」とか言っていいのか?と言うよりも、何故、僕らのような凡人達が通う公立の学校になんて通っているんだ?それはかなり前からの疑問だった。でも聞こうとも思わないし、聞いても答えてくれないだろう。
 「おっはよっ」
葵と僕が二人で行った家は舞の家だ。彼女の家はごく普通のアパート。葵が朝から発した、なまけたクソ食らえ的な3文字の言葉は舞のお陰で消え去った。「ありがとう、舞」と心の中で思った。彼女の父親は、彼女が小さい時な亡くなった。今は現在進行形で母親の優さんと二人暮し。この人が驚くほどの美人。歳の差がなかったら惚れちゃいそうな…
 「戯言か」
と僕は呟いた。でも何故、再婚しないのだろう…ってそこまで首を突っ込んだら迷惑か。
 「雅~?ま~だ~?」
三人で向かった先は小湊雅の家。
いつも通り、舞が雅を呼ぶ。
 「あ~…もうちょっと待ってくれるかなぁ。」
と雅のお姉さん声が聞こえた。低血圧の雅は朝が果てしなく、とてつもなく壊滅的に苦手だ。休日は親に起こされないと一日中寝てるらしい。ある意味、尊敬。
なのでいつも雅の家の前で一休み。3人で今日の授業の話しなどをして5分弱。「いってきまぁす」と一言残して、玄関から「おい、お前、大丈夫か?」と言いたくなるような顔で雅が登場する。

そして4人揃って歩いている。
毎日、変わらない生活。
この世のどこかでは、「つまらない」と思っている奴もいるかもしれないし、いないかもしれない。いいや、多分ほとんどの人間はそう思っているだろう。でも僕はそんなこと知ったことじゃない。今は楽しく、この4人で紀野里高校に登校しよう。

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