山が笑う


 どんな話でも「つまらない」と思って聴けば右から左だし、自分のためにしようと思えば、しっかりとためになる。
 担任で国語科のO先生が授業で、扱う題材に絡めて話されたことを教えてくれた。

 進学校に入学して「勉強せい!勉強せい!」と言われ続け、「何でそんなに勉強せんといけんのか?」と言う疑問を、みんな必ず抱く時があると思う。その時には「させられる」から「する」に気持ちを切り替えなくちゃいかん。誰にせよと言われて此処に来たのでもない。自ら望んで選んだ道だと言うことを、思い出すことだ。そして、部屋の窓から山でも眺めてみれば、四季の流れが心を癒してくれるだろう。
 山の木々の葉が風にそよいで音を立てることを「山が笑う」と言う。自然はいつでも君らを受け入れてくれるのだから、投げやりにならず、前に向いて進みなさい。

 晃子はこの話に感銘を受けたようで、目を輝かせて話してくれた。心も体も健やかに育ってくれているみたいで、母さんはとっても嬉しい。

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