命は預かり物


私の物のようで違うようで
私は私の命を見たこともないし
この手で触れたこともない
私が呼吸し心臓が鼓動を打っている
それが私の命なのかしら

 数人の若者が手に手を取って自殺した
 その理由はなんにしろ
 両親から貰った体を自ら亡くしてしまうなんて
 命を放棄する事の罪深さに
 彼等は気付く事が出来なかった

この世の苦しみを免れるため
命を絶った者の行く先を知る者はいない
命を全うした物の行く先を知る者もいない
ただ色々な書物に書かれていることは
自ら命を絶ちこの世の苦しみを免れた先には
もっと深い苦しみが待っているという

 命は預かり物
 所詮思うようにはならない物だから
 思うようにはならない物だと思って
 気楽に預かっているのも良いだろう
 神様にお返しする時叱られたなら
 すみませんでしたと理(ことわり)を言おう
 これが私の精一杯でしたと伝えよう

私は投げ出さない
神様からの預かり物
宝物のようにまでは出来ないけれど
私なりの預かり方で過ごしていこう
そうすればきっと神様も
お前に預けたのが運のツキと
笑ってお許しになるだろう

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: