懐かしい匂い



雨が降り始めたときの
土の匂いがすき
なんにでも驚き 心動かされた
子供の頃を思い出す
道路はアスファルトに覆われ
土なんてなくなってしまったけど
雨の降り始めるときにはきっと
あの頃と同じ土の匂いがする

家具を作る板を井桁に組んで
高く積み上げられた山
その前を通ると麹の匂いがする
ほの暗い味噌蔵
あのころは当たり前だったその景色は
今では懐かしいセピア色の思い出

その前を通って 毎日毎日通った学校
友達とぶつかって前歯を折った日
家に帰ってお母さんの顔を見た途端
頬を伝ったあの涙は何処へ行ったの
あの日そっと抱き寄せられたお母さんの懐は
優しくて暖かいにおいがした

雨が降り始めたときの
土の匂いがすき
なんにでも驚き 心動かされた
子供の頃を思い出す
道路がアスファルトに覆われて
土なんてなくなってしまったけど
雨の降り始めるときにはきっと
あの頃と同じ土の匂いがする

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