あなたと違うのは、ただ、髪がないこと。 ~私は円形脱毛症~

あなたと違うのは、ただ、髪がないこと。 ~私は円形脱毛症~

怒/セールス。

【怒/セールス】



あるとき、地元のスーパーで、買い物をしていたときのこと。掃除のおばさんが

「かわいいねえー、いくつ?」と息子の年を尋ねてきた。

「2歳です」と答えると、「そう、かわいい盛りねー、でもお母さん大変ねー」

と声をかけてくれた。それは、そこで終わった。

買い物を終えて、外に出たところで、「ちょっと、ちょっと」と声が聞こえたので振り向くと

さっきの掃除のおばさんだった。

「あなた、病気なのね、大丈夫なの?」と突然言う。ああ、頭を見て、そう思ったんだな、と直感した。

そのときは、バンダナをしていたが、襟足の髪の少なさともみ上げの不自然さがあるから

ちゃんと見れば、すぐに髪の毛がないことは気づくだろう。

「ええ、でも、病院にいってますから、大丈夫です」

「私ね、心臓が悪くなったんだけど、知り合いに勧められて○○っていうのを飲み始めて

良くなってきたの。いろんな病気に効くらしいから、試してみない?」

「ほんと、良くなってきてるんで、大丈夫です」

「白血病の子供もよくなったんだってよ」

(・・・どうやら、抗がん剤の影響で髪が抜けたとでも思っているか...?)

「この近くに住んでるの?良かったら、この次、持ってきてあげるから・・・」

「本当に、大丈夫ですから。」

半ば、強引にその場を去った。

最初に声をかけたのは、どうやら、私の様子を確認するためだったらしい。

一応、気を使って、自分の仕事場の外で声をかけてきた。なんか、健康食品系みたいだよ。どうやら。

だけど・・・どうよ、いきなり、他人を捕まえて、「病気」呼ばわり。

いや、確かにね、病気なんだけど。当たっているのさ。

だけどさあ・・・、気分悪かったよ・・・。



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