幻竜の羅刹

幻竜の羅刹

MIRAGE SKY 7



しかしいつもと少し感じが違う。どこか苦しそうに見えた。

「由希?大丈夫か?」 「ちょっと熱があるみたい・・・。」

おでこに手を勝てると少し熱い。

「待ってろよ。今、おかゆ作ってくるから。」 悠斗は焦っていた。

そして思った。何でいつ消えるかわかんねぇのに風を引くんだよと。

出来上がったおかゆを急いで持っていって由希に食べさせた。

「熱いから気をつけるよ。」 すると由希は 「ありがとね、悠斗。」

いきなりの感謝の言葉に頬を赤らめた。 「あ、当たり前のことしただけだよ。」

とりあえず由希を疲れさせないために休ませた。

悠斗は寝込んだ由希の隣にずっと座り込んで看病をしていた。 そして呟く。

「何で・・・いつ消えるかわかんねぇのに病気になるんだよ・・・。くそっ、なんて俺は無力なんだ・・・。」

悠斗は何の力にもなれない自分の無力さといつ消えるかわからない由希との時間が無駄になってしまった悔しさで心がいっぱいだった。

そんな自分が嫌になって涙を流す。

「消えないでくれ由希・・・。昨日あんなこといったけど・・・やっぱり嫌だよ。いつまでも一緒にいてくれよ・・・。」

もう悠斗の顔は涙でいっぱいだった。 「大丈夫だよ、悠斗。」

不意に声をかけられてびくっとした。

「私がもし消えても・・・ずっと空から見守ってるよ。悠斗が空を見上げれば私はいつもいるからね。だから・・・心配しないで。」

「由希・・・。」

由希は手を伸ばし、悠斗の頬を流れる涙を受け止めて言った。

「ほら、泣かないで。熱もひいてきたみたいだから、ね。悠斗には笑顔が似合うんだから。」

そんなやさしくしてくれる由希を強く抱きしめた。由希は泣いていた悠斗の背中をさすった。

まるでそれは母が斗をなだめるようだった。

その後、由希は、もう泣かないでね、と言い残して眠りについた。

悠斗は看病に疲れたためか、すぐに眠った。

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