幻竜の羅刹

幻竜の羅刹

MIRAGE SJY 11



「もう・・・今日で私は消えるの。悠斗とはお別れね。」

「そ、そんな・・・。俺、まだやりたいこといっぱいあったのに・・・。もっと一緒にいたかったのに・・・。もう・・・お別れかよ・・・。」

「ごめんね。私・・・ずっと、ずっと、悠斗の事好きだったよ。」

「俺もだよ由希。」 悠斗は別れたくないと言う気持ちでいっぱいだった。

ついさっきまで普通だったことが、もう終わってしまうのだから。

「悠斗にこんな悲しい思いさせたくなかった・・・。ごめん。本当にごめん・・・。」

涙を流し、震える由希を悠斗は抱きしめた 

「泣かないでくれよ。由希に泣き顔は似合わないよ。最後くらい笑顔でいてくれよ。」

「うん。ありがとう。」

由希は顔を流れるたくさんの涙をぬぐってにっこり笑った。

やっぱり笑顔が由希は一番似合うなぁと悠とは改めて思った。」

二人は手を取り合い、何も言わず唇を重ねた。

「そろそろ・・・お別れみたい・・・。」 「そっか・・・。」

「そんなに心配しないで、悠斗。前も言ったでしょ?空から見守ってるって。」

「うん、わかった。少ない間だったけど楽しかったよ。じゃあな、由希。」

悠斗は涙をこらえて笑顔を作った。

「うん。じゃあね、悠斗。やっぱり悠斗は笑顔が一番だね。」

そうして、由希の体は浮き始め、空のかなたへ消えていった。

「よかったな由希・・・。子供からの夢がかなって・・・。お前、空を飛んでだよ・・・。よかったなぁ・・・。」

悠とはひざをつ地面につけて泣き叫んだ。いつまでも、いつまでも・・・。

そして見上げた。由希のいる広い空を・・・。

そのとき悠斗は、空に背中から翼の生えた由希の幻を見た気がした。

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