幻竜の羅刹

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命の力~妖怪との出会い~5



「一緒に帰ろ~」とにっこり笑って誘ってきた 「ああ、いいよ」

「今日も私が晩御飯作っちゃおっかなぁ~」と言ってきたので 「今日はいいよ。また今度頼むよ」と2か連続は申し訳ないと思ったので断っておいた

「そっか、じゃ、また今度作ってあげるね」 「よろしく頼むよ」とにっこり笑った

二人の間はだんだん縮まり、やがて二人は手を繋いて帰った たった4分という短い時間がとても長く感じたのは雄大だけじゃないだろう

「じゃぁね~」と元気に手を振って帰る 雄大も元気に「またな」といって振り返した

「そうだ、冷蔵庫がほぼ殻に等しいんだよな…。よし、買い物行くぞ、銀狼」 「うむ」といとことだけ返し、スーパーへと向かった

(雄大)と呼ばれたので(なんだ?)と答えると、(この辺は妖気が満ちている。きっと何処かにいるはずだ。多分私の存在に気づいていると思うが襲ってくるだろう)と言った

(襲ってくるって…もちろん守ってくれるよな?) (何のための守り神だと思ってるんだ?) (だよね…)と雄大は苦笑した

スーパーに入るととりあえず冷凍食品やカップ麺を調達し、後は卵や肉、野菜などを買っておいた

「今日は野菜炒めにしようかなぁ~」と少し上機嫌な雄大に銀狼は告げた 「お出ましだぞ」と 「え?」 周りを見ても何もいない

「どこにいるん…うわっ!?」 銀狼の目の前にいたのはカモシカなのだが、どこか違和感がある

「守り神がいるってのに出てくるって事は相当の自信があるようだねぇ…」と嘲り笑う

「ふん、お前なんぞ一ひねりだ。私の真名は炎蛇だ」 「蛇なのにカモシカか?笑いものだな」と腹を抱えて笑う

「教えてやろう。私の真名は銀狼だ」と誇らしげにいう 「銀狼だと?あの妖界で暴れ狂う妖怪100人を焼き殺し、妖界にひとつしかない銀色の炎を持つ狼の銀狼か?」 「その通りだ」

その言葉を聞いて雄大はそんな強い妖怪が俺の守り神をしていたんだと初めて知り驚いた

「しかし、そんな話は500年も前の話だ。今はどうせ衰えているんだろ」 「試してみるか?」

すると、辺りの風景は変わらないが何もかもが動かなくなった

動かなくなったと同じに銀に輝く幾千もの刃が宙に舞い上がり炎蛇を突き刺した まさに一瞬の出来事 そして圧倒的な力の差…

「力量もわからず突っ込んでくるやつほどバカって言うんだよ。下界ではむやみやたらに突っ込むなよ」と笑みを浮かべ、炎蛇は赤い炎を上げ空に消えた

「怪我は無いか?雄大」 「う、うん」 すると周りの時は何もなかったかのように動き出した

「銀狼ってそんなに強い妖怪だったんだね」と言うと、「なぁに、500年も前に起こった事件を静めただけだ」と笑って答えた

「そんな強い妖怪に守ってもらえるから安心だな」と笑うと「当たり前だ。私に任せとけ」といった

「あ、そういえば、明日土曜日じゃん。愛はまた明日って言ってたけど学校無いんだったな」 「え~学校無いのか~」と少ししょんぼりしていた

「学校好きなんだな」 「まぁな」 「てか何でおまえあんなに頭良いんだよ」 「さぁな」 頭がいいってのはさぞかし気分がいいだろうなと思った(心の声ではない)

「明日はとりあえず宿題ってか課題があるからそれで多分一日がつぶれるな」 「そんなに大変なのか?」 「今までの分もたまってるからね」と苦笑した

「日曜日は…どうしよっかなぁ…」と迷っている様子 「デートでもしたらどうだ?」 「デートかぁ…いいねぇ~ってぶっ!!なんでそうなるんだよ」

「いや、暇ならデートしたらどうかなぁって」 「う~ん…まぁその日に考えよっと」と言い自宅へと帰った

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