幻竜の羅刹

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命の力~妖怪との出会い~6



「なぁなぁ~。野菜炒めって美味しいのか~」と狼姿の銀狼が足元でくるくる回って聞いてくる

「僕は好きだけどなぁ~。友達は美味しいって言ってたよ」 「なら期待できそうだな」 「ならってなんだよ」 「まずかったら食わないからな」 「プレッシャーだね…」と苦笑する

銀狼は本当は人間の食事など食わなくても生きていけるが普通なら食べることの出来ない人間の食べ物なので食べるようにしている

そして…待ちくたびれてゆかで丸くなっている銀狼に「できたぞ~」と声をかけると人間の姿に変わった

「うむ」とだけ返事をして机の前にちょこんと座っている (まるで子供みたいだなぁ…)と笑うと(1000年以上生きてる大先輩に言うことか?)と言い返された

「じゃ、いただきま~す」 「いただきます」と二人同時に言い、食べ始めた

「む、うまいな。雄大は料理がうまいとは…人は見かけによらないとはこのことだな」 「う、うるさい!」と恥ずかしそうに言った

「ねぇ、銀狼」 「なんだ?」 「今日みたいな妖怪がたくさんこの町にいるの?」 「まぁそうだな。この前夜遅くに散歩に行ったときも一匹殺ってきた」

「俺…大丈夫かなぁ…」 「心配するなと言っているだろう。俺を誰だと思ってる?」 「そうだねぇ…」と笑った

「今度、この地区にいる妖怪を全部退治する。日曜に夜に全部退治するが、また入ってくるかもしれないから油断はできない」という

「全部って…どれくらいなの?」 「50くらい?」 「倒せるのか?一人で」 「余裕だ」 「なら良いんだけど…」と不安そうに言った

「まぁ、明日はお前のたまりにたまった宿題とか課題ってのを手伝ってやろう」 「ありがとう、恩に着るよ」と嬉しそうに笑った

「そういやお前って風呂入らなくても良いのか?」 「風呂?何だそれ」 「暖かいお湯の中に体を入れてその日の疲れを癒すと共に、体を洗って汚れも落とすの」

「気持ち良いのか?」 「気持ち良いよ」 「なら風呂とやらに入ってみるか」

と、言うと、とりあえず先に雄大が入った後に狼姿の銀狼が入った

「一人で大丈夫なのか?」 「問題無い」といっていた 本当に大丈夫だったのかは不明だが…

あがってきた銀狼に「どうだった?」と聞くと「なかなかいいな」と笑顔で答えた

銀狼の体をしっかり拭いてあげると、その日はもう寝ることにした 「おやすみ~」 「うむ」と交わすと雄大は眠りについた…

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