教材研究♪


教材研究♪

きのう楽器屋さんにピアノの教材を買いに行ったら
これまでは棚には置いていなかったと思われる
“ギロック”の教材がありました。

“ギロック”というのは
1993年に亡くなったアメリカの教育者&作曲家で、
私は中学生の頃に
『ギロック叙情小曲集』
というのを1年かけてまるまる1冊弾いたことがあります。


ピアノ教材で1番有名な“バイエル”は
昔から「無味乾燥」と悪評が高いんですが
これに比べると“ブルグミュラー”はずっと情緒豊かで
曲想がパラエティーに富んでます。

で、“ギロック”にはこの“ブルグミュラー”を
更に押し広げ掘り下げたような、
実に叙情性溢れる子供向けの小品が並んでいるのです。

ただ、私が昔弾いた
『ギロック叙情小曲集』はあくまでも小曲集なんで
教材としてよりはむしろ、
演奏会向けに使われるような曲集です。

で、きのう新たに発見したのはそういうのでなく
本当に、
「生まれて初めてピアノを触る幼児」のための作品から始まって
順序だてて次第に難易度を上げて行くという、
いわゆる普通の「教材」。


こういう、幼児期から順に使えるピアノ教材には
ドイツ系の“バイエル”のほかに
フランス系の“メトードローズ”もかなり有名なんですが、
ここ15年前くらいから(?)は
“ギロック”と同じアメリカ系の教育者のものが
次々と翻訳されて日本に入って来ています。

“トンプソン”“グローバー”“バスティン”や
“アルフレッド”“バーナム”などです。

私は昔から、こういう初心者向けの教材を発見し入手して来ては
数冊あるセットの最初から最後までをジャカジャカ通して弾いてみるのが
大好きなんです。
なので当然“ギロック”も
今日、再度 楽器屋まで買いに走りまして
(昨日は所持金が足りなくて買えなかった!!;;)
その後1日、ジャカジャカと弾きまくってみた次第♪


基本線でわかったのは、“ギロック”も他のアメリカ系の教材と同様
【ミドルC】で始まり、
【全調メソード】になっているということです。

【ミドルC】とは、
日本で世間一般に「まんなかのド」と呼ばれている鍵盤(=ミドルC)に
両手の親指を置く方法のことで
【全調メソード】とは、
指を広げずに簡単に弾ける程度の初期の段階から
24個全ての調(ハ長調・ト長調・二長調・・・・変ホ短調など)を
弾いてしまう、という方法です。

指を広げて弾く辺りからは
教材によって進める方法が違って来るようなんですが
“ギロック”の場合は音階に入ってからも
「長調」(メジャーズ)→「長調と短調」(メジャーズ・アンド・マイナーズ)
→「黒鍵」(ブラックキーズ)
という具合に
全調を踏破する形になってました。

「黒鍵」(ブラックキーズ)の部分、
最初はタイトルだけ見て、ショパンの『黒鍵のエチュード』の如く
黒鍵だけで弾く曲が何曲も出て来るのかと思ったんですが、
中身見てみたら、
黒鍵から始まる音階の調(変ロ長調・変ホ長調など)の曲を集めた部分でした。

その後、更に
「形式」(3部形式・ソナタ形式)→「スタイル」(時代による作曲様式の違い)
と進んで行く部分は
“グローバー”と同じだなぁ、と思いました。

1番難しいはずの「形式」→「スタイル」の部分は
今日1日でざざっと(かなりいい加減に)全部弾けたのに
「長調と短調」(メジャーズ・アンド・マイナーズ)→「黒鍵」(ブラックキーズ)の部分は
実は途中で嫌になって弾くのやめて、「今度にしよ~っ♪」と後回しにしちゃった辺り、
さすが
“バイエル”仕込みの黒鍵嫌い がいまだに健在なんだわぁ~と
しみじみ悲しくなりましたよー♪(T▽T;

2002/10/30 (水)




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