Skull-Sick~その狭間に立つものたち~ 3



 静まりかえった教会。
 鏡のようだった地面も、もはやまともに歩くこともままならないほど踏み抜かれ、崩れ果てている。
 狂い無く整然と並べられていた長椅子も、あるものは倒れ、あるものは折れ、そしてあるものは原型も無いほどに壊れていた。
 綺麗なステンドグラスだった物体も今はただの無機質でしかない。
 教会で、唯一元のまま姿を保つのは、正面奥の、聖像のみだった。
 その聖像の元に二つの姿が見えた。
 老人と、大柄の男だった。
 そのうち、大柄の男の姿は、正に無残なものだった。
 全身が血にまみれ、仰向けに地に伏している。
 胸部から腹部にかけて、幾本もの裂傷が見える。
 しかし、まだかすかに、男は呼吸をしていた。
 男ののど元には、老人が手にする両刃の剣が突きつけられていた。
「警団を、去るのだな」
 老人が、寂しそうにつぶやいた。
 男は、ただ僅かな呼吸と共に倒れ伏すだけだった。
 その言葉を残して、老人は去っていった。

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