時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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August 8, 2006
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以前読んだ「ウェブ進化論」 オープンソース 」ということであるが、そのうちの一つ「オープンソース」に関する本を読んだ。

(井田昌之,進藤美希:MYCOM新書)と言う本である。オープンソースとは、ソフトウェアのソースコードを無償公開し、多くの人が協力して、ソフト開発を行うというものだ。代表的な例が、OSのリナックスである。このオープンソースが巨大ビジネスに繋がるという。

 オープンソースの流れは、元々フリーソフトウェア運動に始まる。その中心人物が、伝説の ハッカー と呼ばれる リチャード・ストールマン である。この人は、「ソフトウェアはフリーに利用開発できなければならない。」というのが信念であり、コンピュータにパスワードを設定することも反対であったとのことだ。ちなみに、ハッカーというのは、本来は良い意味で使われ、コンピュータを使って悪いことをする人は クラッカー と呼ばれる。

MIT のAI研で、UNIXと互換性のあるOSを開発するGNUプロジェクトを立ち上げた。しかしOSの核となる カーネル がなかなかできなかったという。

 リチャードのオープンソースに対する大きな貢献は、 GNU GPL (General Public License:一般公衆利用許諾契約書)と GFDL (GNU Free Documentation License:GNUフリー文書利用許諾契約書)である。著作権を活用して、前者はソフトそのものを、後者はマニュアル類を、コピー・改変の自由について、著作権による占有から守ろうというものだ。著作権を利用して、著作権による束縛から逃れる、正に逆転の発想である。

 一方、オープンソースの代表のような感がある リナックス は、フィンランドのヘルシンキ大学の学生 リーナス・トーバルズ が創った小さなカーネルに端を発する。このカーネルに、UNIX用の多くのフリーソフトを組み合わせてOSとしての全体機能を持たせたのがリナックスである。そしてこの時使われた基本機能のほとんどがGNUのものであったという。GNUとリーナスの幸運な巡り合わせがなかったら、リナックスは生み出されなかったかもしれない。

 それでは、オープンソースがどのようにビジネスに結びつくのであろうか。いくらソースコードが公開されているといっても、自前で保守や開発を行うよりはアウトソーシングした方が効果が大きい場合が多い。そこにビジネスチャンスが生まれるのである。ソフトウェアをビジネスで使おうとすると、どうしても自分たちの事業に合うように、改変する必要がある。しかし、多くの企業には、そのような専門家を自ら抱え込んではいないのだ。

 たとえば、IBMは戦略の中心にリナックスを据えているし、NECではオープンソースを利用したシステムインテグレーションを手がけている。また、官公庁・自治体では90%がオープンソースを導入しているという。以前紹介したGoogleもリナックスを使って、ネットの向こう側に巨大なシステムを創りあげているという。現在の流れを見れば、ビジネスチャンスは無限に広がっているであろう。

 オープンソースの歴史・動向について手っ取り早く知りたい場合には手ごろな一冊である。



オープンソースがなぜビジネスになるのか

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Last updated  March 20, 2008 10:47:22 PM コメント(3) | コメントを書く
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