時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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January 5, 2008
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「クレオパトラの夢」 (恩田陸:双葉社)の主人公・神原恵弥(めぐみ)も強烈なオネエキャラの人物である。以前 「MAZE」 という作品を紹介したが、「クレオパトラの夢」は、その続編にあたる。といっても、お話の関連性はほとんどないので、こちらを先に読んでも、まったく問題はない。

 今回、恵弥が訪れたのは、北海道のH市である。不倫相手を追いかけて、H市で暮らしている双子の妹和見を連れ戻すためであった。しかし、彼にはもう一つの目的があったのだ。和見の不倫相手若槻慧(わかつきさとし)が研究していたという、「クレオパトラ」とは何かをつきとめるということである。ところが、若槻は死亡しており、ちょうど告別式が行われていた。和見も不審な行動のあげく、置手紙を残して失踪してしまう。恵弥は若槻の死に不審を持ち、「クレオパトラ」の秘密を探り始める。

 ところで、天然痘といえば、かっては高い死亡率で恐れられた病気である。しかし、1798年にエドワード・ジェンナーが天然痘ワクチンを開発しておかげで、患者は激減し、1980年にはとうとうWHOによって根絶宣言が出されている。といっても、天然痘ウイルス自体は、まだアメリカとロシアの施設で厳重管理のなかで保存はされているらしい。実は、「クレオパトラ」とは新種の天然痘ウイルスのようであるが、どうして、天然痘とクレオパトラが結びつくのかはよく分からない。案外、恩田陸独特の感性で名づけただけで、たいした意味は無いのかもしれない。

 最後に、事件の全貌が明らかになるが、真相は思いがけないものであった。どうも、恵弥は、ハンターとしては一流かもしれないが、探偵としては三流のようだ。迷探偵ぶりを発揮して、事件を色々推理したものの、真相はまったく異なっていたのである。

 なお、舞台となった北海道のH市は函館市と思われる。G稜郭というのも出てくることから明らかであろう。

○「MAZE」の記事は こちら


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「クレオパトラの夢」(恩田陸:双葉社)


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Last updated  January 5, 2008 01:32:14 PM
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