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「勝ち組」、「負け組」という言葉が一時流行した。あまり好きな言葉ではないが、SEの世界で「勝ち組」に入るためにはどうすべきかということを述べた本が「勝ち組SE・負け組SE」(岩脇一喜:洋泉社)である。 著者の岩脇氏は、大阪外語大の英語科出身ながら、富士銀行で10年以上のSEの経験を持っているとのことだ。 岩脇氏によれば、SEの業界は、ITブームや、Y2K問題、規制緩和と業界再編により、その需要をまかなうために雨後の筍ように大量のSEが生まれた。しかし、必ずしも質が伴っているとは言えず玉石混合の状態であり、ブームの終焉と共にSEは2極化される。そして多くのSEが保守業務に回されるという。このあたりは、門外漢の私には想像するしかないのだが、この保守と言う業務は、重要な仕事ではあるが、モチベーションがあがらず、キャリアプランも描きにくいと言う。もっとも、著者は、決して保守業務を否定しているわけではなく、自らの経験から、保守業務には、保守業務ならでは醍醐味があるとも言っているのだが。 それでは勝ち組となるにはどうしたら良いかといえば、それはSEとしてのアイデンティティを持って経営センスを初め様々な能力を磨いていくしかないようである。もっともこれは、SEに限らず、ほとんどすべてのビジネスマンにもあてはまることだと思うが。 この本の中で紹介されている英国人のSEの話が面白い。彼は。昼食時間も惜しんで、勤務時間中はびっしりと端末に貼り付き、時間中にきっちりやるべきことを成し遂げて、定時に退社するというのである。日本人は、別にSEに限ったことではないが、長く働くのが美徳と思っているところがある。見習いたいものだ。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「勝ち組SE・負け組SE」(岩脇一喜:洋泉社)風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
June 14, 2007
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少々古い本だが、「緑の冒険」(向後元彦[こうごもとひこ]:岩波新書)と言う本を読んだ。この本の内容を一言で言えば、「沙漠にマングローブを植えよう」というものである。著者の向後は、東京農業大学の学生時代に探検部を創設し,地球各地を探検し、株式会社「砂漠に緑を」の代表取締役を勤めたり、NGO「マングローブ植林行動計画」で活躍している人である。 向後氏はクウェートを訪れた際に、「沙漠を緑にできれば、大金儲けができる」と思いつき、淡水の少ないアラブでも、豊富にある海水に目をつけ、マングローブを植林しようと考える。若干、動機は不純のような気もするが(もっとも氏は照れ隠しでそう書いたのかも知れないが)、その後の氏の情熱は本物である。色々な種類のマングローブを集め、植栽試験を繰り返す。とにかく、枯らしては植え、枯らしては植えといった感じだ。 資金集めにも苦労したようである。結果の見えないものには、金は出さないというお国柄からか、オイルマネーがうなっているのに、現地国からの金銭的援助はことごとく断られたようである。苦しい中、資金を出し続けてくれたのは、日本の企業だったそうだ。このあたりは、お国がらの違いというものだろうか。それとも日本人の武士道精神か? ともあれ、アラビアでのマングローブの植栽試験は成功したが、広大なアラビアから見れば、まだまだ、ほんの小さな点での成功に過ぎなかったのである。 「沙漠に緑を」とは、なんともロマンのある話ではないか。私は、こんな夢のある話が大好きだ。いつか、地球上の広大な沙漠が緑に覆われることを願いたいものである。 ○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 17, 2007
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ハーバード大学は、アメリカのマサチューセッツ州に本拠のある、アメリカ大統領やノーベル賞受賞者を輩出した、いわゆるアイビー・リーグの名門校である。 「ハーバードで語られる世界戦略」(田中宇/大門小百合:光文社新書)は、ジャーナリストである田中宇・大門小百合夫婦のハーバード留学記である。 大門氏は、ジャーナリストの留学プログラムであるニーマンフェローシップに合格し、2000年の8月から約1年間ハーバード似留学する。ニーマンフェローシップとは、ジャーナリズムへの貢献を目的として、アメリカ国内とそれ以外の国から12人ずつ、計24名のフェローが集められて、1年間勉学を共にすると言うプログラムらしい。 面白いことに、このプログラムでは、配偶者の同伴が許され、配偶者もまた、ハーバードの授業を取ったり、セミナーを受講できるのである。日本ではまず考えられないシステムである。大門氏の夫である田中氏は、自由の利く仕事をしていたので、共にアメリカに留学したのである。 留学記は、立場の違いからか、大門氏は、ハーバードにまっすぐに向き合っているのに、田中氏は、少し斜に構えているような感じを受ける。 この本の題名は、「ハーバードで語られる世界戦略」であるが、別にハーバードでどのような世界戦略を練っているのかということなどは書かれていない。その代わり、ハーバードがいかにアメリカの政治に関わっているか、すなわち世界戦略にいかに関わっているか伺える。一例をあげれば、「アメリカ安全保障政策」という授業の目的は「安全保障問題が生じたときに、きちんと大統領にアドバイスできるため」だということである。また、政権交代ごとに、ハーバードの教授の何人かは確実に政権に入るという。このあたり、日本人の感覚からすれば、非常に「生臭い」感じを受ける。これも、お国柄の違いであろうか。○ブログの内容が気に入ったら応援してね。クリックでランクが上がります。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
May 12, 2007
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品質管理検定(QC検定)というのを受けるので、その受験用に買ったのが、この「品質管理の演習問題と解説」(仁科健 編:日本規格協会)である、その題名から分かるように、検定試験の受験者用に、演習問題とその解説という構成で出来ている本である。2級を受けるので、買った本は、「2級ー3級対応」のものであったが、他に4級専用のものもある。 一時は、日本中でQC活動が流行していた時期もあった。多くの会社でQCサークルが結成され、発表会なども盛んに行われていた。どういうわけか、長い不況の間に、大分下火になったようだ。しかし、手法そのものは、正しく使えば、有効なものが多いので、常識として、一通りは身に付けておきたいものである。 品質管理全般にわたり、全部で104問の演習問題が付いており、それぞれ、かなり詳しい解説がついている。問題自体は、結構枝葉末節のようなものも多い気がするが、一通り読めば、品質管理の概要は理解できると思う。 試験を受けない人も、品質管理の全体像を掴みたい人には良いであろう。 ○応援クリックお願いします。 「品質管理の演習問題と解説」(仁科健 編:日本規格協会) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
March 17, 2007
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最近、定年延長ということも色々なところで聞くが、多くの会社では、60歳が定年であろう。しかし、平均寿命を考えれば、まだまだ先の人生は長い。 定年前と定年後で大きく違うのことは、これまでの肩書きが使えなくなると言うことである。どんなに大きな会社に勤めていても、そこでどんな役職についていても、退職してしまえば、「ただのオジサン」である。そして、「ただのオジサン」になった途端、自分の居場所を見失ってしまう例も結構多いようだ。 「定年後のただならぬオジサン」(足立紀尚:中公新書ラクレ)は、定年後の自分探しに、大いに役立つと思われる本である。定年シニアたちの、様々な自分探しの例が紹介されている。 自分自身で、企業を立ち上げる人、地域社会での活動に精を出す人など色々な例が紹介されている。自分も、まだ少し間はあるものの、そろそろ定年も視野に入れなければならない歳になった。「ただならぬ」の形容詞をつけてもらおうとも思わないが、そのときに自分の居場所がないということが無いよう、せいぜい気を付けたいと思う。○応援クリックお願いします。 「定年後のただならぬオジサン」(足立紀尚:中公新書ラクレ)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
March 13, 2007
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「希望のビジネス戦略」(金子勝・成毛眞:ちくま新書)を読んだ。この本は、慶応大学教授の金子氏と元マイクロソフト日本法人の社長で、投資コンサルティング会社「インスパイア」の代表である成毛氏の対談集である。 インスパイアのビジネスモデルは独特である。まず、資金を調達し、顧客企業の第三者増資を引き受ける。そして、コンサルティングを通じて、その企業の業績を向上させ、株価を上昇させることによって利益を得るというのである。 成毛氏が経営戦略で重要視している概念は、「ネットワークの外部性」のようである。これは、利用者が多くなればなるほど、その製品なりサービスなりの利便性が高くなるというもので、IT分野では、割と知られた概念であるが、成毛市は、これを経営や政治経済にまで広げて考えているように思える。 行き過ぎた「市場原理主義」に警鐘を鳴らし、戦略無き「グローバルスタンダード」への追従を厳しく批判する。そして、日本は、企業も行政も、誰も責任をとらなくなったことを嘆き、ソーシャル・モビリティ(社会的流動性)を高めるための制度を整える必要があると主張する。2002年に第1刷発行であるため、当時とは若干経済事情が異なるところもあるが、色々と参考になるところも多い書である。 ← ランキング参加中(今何位?)「希望のビジネス戦略」(金子勝・成毛眞:ちくま新書) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
January 24, 2007
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最近、どうもブログの文章が旨く書けない気がする。(誰ですか、最近ではなく、以前からだとつっこみを入れる人は?)ということで、書店で「すぐに稼げる文章術」(日垣隆:幻冬舎新書)を買ってきた。別に、文章で稼ぐつもりはないのだが、より良い文章を書くための参考になればと思い買ってみたのである。 確かに、色々と、テクニカルな面で役立つことが書いてある。しかし、読んでいて、気になる記述もある。 一例を挙げると、著者は、書評について、「その本をすぐに買いに走るように行動提起する文章」または「レビューそのものがエッセイとしておもしろく読める。」のどちらかでないといけないと書いている。2番目はともかく、1番目は、あまりに、生産者サイドに偏った見方ではないだろうか。 そして、ダメ書評の典型例として、アマゾンのレビューコーナーに掲載されている、黒野 十一著の「カジノ」に関するレビューを例に挙げている。このレビューは、黒野氏の本に対して否定的なのであるが、日垣氏は、「本を販売しているアマゾンのサイトで本の悪口を言うのはおかしなこと」であると言う。 しかし、消費者の欲しいのは、良くも悪くもその本に対しての情報なのである。自分が買うに値する本かどうかの判断をするために、肯定的な見方だけでなく、否定的な見方をも参考にしたいというのは、消費者として当然の権利ではないだろうか。アマゾンの方も、おそらくそのような目的で、読者にレビューしてもらっているのだと思う。なお、H19.1.2現在、このレビューは、削除もされずに、ちゃんと掲載され続けている。 実は、このレビューは、「カジノ」ではなく、同じ黒野 十一著の「ザ・カジノ」という本についているのである。「引用は一字一句正確に」と言っている著者としては、なんとも迂闊なことである。 この著者、私のブログも読んだら、悪文と言うかもしれないな。もっとも、こんな辺境ブログなど、まず読むことはないか。○応援クリックお願いします。 「すぐに稼げる文章術」(日垣隆:幻冬舎新書)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
January 3, 2007
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← ランキング参加中(今何位?) 「使う力」(御立尚資:PHPビジネス文庫)を読んだ。著者の御立氏は、ボストン・コンサルティング・グループ日本代表である。 この本は、経営知識を詰め組むだけではなく、結果を出していくためには、その知識をいかにして使うかという「使う力」の重要性を述べたものである。確かに、美術の知識をいくら仕入れても、良い絵が描けるとは限らないし、音楽理論をいくら覚えても、良い曲が書けるとは限らない。仕入れた知識を、いかに実際の場で使えるようにするかの大切さは、言うまでもない。まあ、わざわざ言われなくても、分かっている事なのであるが。 この本では、まず、ビジネスリーダーに必要な4つの力として、「人間力」、「業界・社内常識」、「経営知識」、「使う力」を挙げ、その後で「使う力」に焦点をあて、「『使う力』とは何か」、「企画という仕事と『使う力』」、「人を動かすコミュニケーションと『使う力』」について述べられている。 内容は、良く整理されており、いかにもコンサルタントを本業にしている人が書いたというような感じの本である。「使う力」(御立尚資:PHPビジネス文庫) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
December 22, 2006
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どうも、最近このブログのアクセス数が低迷して寂しい限りである。少し目先を変えて、いつもとは違った本の紹介をしてみよう。 私は、今年度の秋の情報処理試験で、「情報セキュリティアドミニストレータ試験」に合格した。そのとき使ったテキストがこの「情報セキュリティアドミニストレータ合格教本」(岡嶋裕史:技術評論社)である。使ったのは、この本と、過去問題集の2冊だけである。 私の使ったのは、昨年買った平成17年度版であるが、今売られているのは、18年度版である。その内19年度版も出ると思うが、早く勉強を始めたい人は、18年度版を買っても、特に問題なく使えると思う。 私が、テキストを選ぶ基準は、まずあまり厚すぎないことである。そんなに時間に余裕があるわけではないので、あまり厚いと、どうせ全部に目が通せない。そこで、なるべく重要なポイントに絞られているものを選ぶことにしている。練習問題もある程度付いているのが好ましいが、不足の場合は、別に過去問題集のようなものを購入することもある。コストを安くあげたいので、値段も、あまり高いものは買わない。 この本は、セキュリティ全般にわたり要領よく取りまとめられており、これを読めば十分、必要な基礎知識は身に付くであろう。章末の練習問題で知識を確認しながら、最低でも3回読み通すことを勧めたい。 ただ、問題が少し少ないので、別に過去問題集の併用をお勧めする。 合格体験記はこちら ⇒別館「文理両道」 ← ランキング参加中(今何位?)「情報セキュリティアドミニストレータ合格教本」(岡嶋裕史:技術評論社)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
December 16, 2006
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今日紹介するのは、「デフレとバランスシート不況の経済学」(リチャード・クー :徳間書店)である。数年前、放送大学の面接授業のテキストか参考書に指定されていたので買った本である。 現在は、それほど確かな実感は無いものの、景気が上昇を続けており、いざなぎ景気をも超えたと言われている。しかし、この本は、まだ、いわゆるバブル不況の真っ只中にあるときに、不況の原因と、その対策について、クー氏の主張を展開した本である。 クー氏は、現在野村総合研究所のチーフエコノミストである。彼の理論は、一言で言えば、「バランスシート不況」に注目し、財政の重要性を強調するというものである。簡単に紹介してみよう。・当時の日本の不況は、バブル崩壊による、企業などのバランスシートの毀損が原因である。(バランスシート不況)・バランスシート不況の下では、企業は債務の最小化を目指した行動をとる。これは、個々の企業の行動としては正しいが、総体で見れば、総需要が減少するため、景気の低迷と資産価値の一層の減少の悪循環に繋がる。(合成の誤謬)・このような状況下で、金融をいくら緩和しても、資金需要が発生しない。(流動性の罠)・家計の貯蓄は、資金需要がないため、銀行に滞留する。(デフレギャップ)・このデフレギャップを埋めるためには、財政政策が必要。 クー氏の論理は、ネットなどで調べても、結構賛否が極端であり、かなり辛らつなことも書かれている一方、熱烈なファンもいるようである。私には、彼の論理は、非常に明快であり、当時の不況を的確に捉えているように見える。経済政策が適切に行われていれば、あのような長い不況はなかったのかもしれない。 ↑ランキング参加中(読書に関して参考になるブログがたくさんあるよ。)「デフレとバランスシート不況の経済学」(リチャード・クー :徳間書店)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
December 8, 2006
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エネルギーは、我々が生きていくうえで、なくてはならないものである。エネルギーの安定供給を確保するということは、国家として最も大切なことの一つである。また、環境問題とは切っても切れない関係であり、環境とエネルギーを総合した視点に立って考えなければならないが、案外理解されていない分野でもある。 「エネルギー学の視点」(山地憲治:(社)日本電気協会新聞部)は、著者が、このエネルギー全般について感じていることを、エッセイとして電気新聞に連載していたものを1冊にまとめたものである。著者の山地氏は、東京大学大学院の教授である。「エネルギー学」とは山地氏が提唱したもので、文系、理系の枠を超えて、共通の概念を設定し、人間にとってのエネルギーの価値を研究するものだ。「エネルギー学の視点」(山地憲治:(社)日本電気協会新聞部) エッセイ集なので、「エネルギー学」という言葉から受ける堅苦しい印象はなく、この分野に詳しくない人でも十分読めるものとなっている。なお、山地氏は、電力中央研究所というところを経て東大教授になったため、慣れない大学生活に対する愚痴も入っており、そこが、この本の面白さを増している。 ↑ランキング参加中(読書に関して参考になるブログがたくさんあるよ。)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
November 8, 2006
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「逆説思考」(森下伸也:光文社新書)を読んだ。 この本で言う「逆説思考」とは「通常の価値観の一面性を暴露し、それを反転させてしまう思考のスタイル」のことであるらしい。 「ふむふむ、なかなか面白そうだな。」と思い買ってきた。確かに、これまで常識と思われていたことがひっくり返った例はたくさんある。常識に囚われた考え方では、ブレークスルーは生まれないであろう。 序章は、福沢諭吉の著書を引き合いに出して「異端妄説の勧め」を説く。なかなか良い調子である。ところが第1章「逆説とは何か」で、「アキレスとカメ」や「うそつきのクレタ人」がいきなり出てきて、この時点で、読む気力、20ポイントダウン。 第2章「『逆説ことわざ』に見る人生知」では、逆説となっていることわざを紹介している。なるほどって思っても、ことわざでは、今ひとつリアリティに欠ける。 第3章「逆説的生き方ー漱石とその門下生3人衆」では、夏目漱石とその弟子たちの逆説的生き方ということであるが、単に変人おやじの集団と言うだけの気がする。こんなオヤジ達とは、あまりつきあいたくはないと思う。 これ以上書くのがめんどくさいので省略するが、こんな感じで、「逆説」に関する話題が第6章「文明という逆説」まで続いているのである。でもこれ、みんな「逆説思考」と言うよりは、「屁理屈思考」って感じなんだけどなあ。 ↑記事の内容がお気に召しましたら、よろしくお願いします。 m(. .)m風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
October 25, 2006
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よく、21世紀は環境の世紀だと言われる。世間でも、地球温暖化をはじめ、様々な環境問題に関する話題が溢れている。しかし、この環境問題というやつは、複雑な要素がからみあった一筋縄ではいかない問題なのである。 環境問題は、エネルギー問題や経済問題などと切り離して考えることができない。そこで、国家間での様々な駆け引きが生じるし、既存の利権と新しく生まれた利権の対立が生じたりする。そして、そのような中では、様々な欺瞞が生まれるのである。 「環境問題のウソ」(池田清彦:ちくまプリマー新書)は、データに基づいて、この環境問題に関する様々な疑問(著者はウソと言い切っているが)を提起したものである。 池田氏は早稲田大学教授で生物学が専門ということである。本書では、まず地球温暖化問題が切って捨てられる。地球の気温は、主に太陽の活動の影響であり、二酸化炭素などの温暖化ガスの影響は少ない。だからコストをかけたり快適な生活を犠牲にしてまで温暖化防止に取り組むのはばかげているというのである。たしかに、温暖化問題は国家間の駆け引きが特に目立つ分野である。科学的にも分かっていないことも非常に多いが、池田氏の言うことにも一理あるような気がする。しかし、温暖化問題はほとんどエネルギー問題でもあるのだ。このまま、世界のエネルギーの消費が無尽蔵に上がっていけば、エネルギー需給の状況がどうなるか。考えただけでも恐ろしい。 温暖化の次には、ダイオキシン問題が取り上げられている。最近ダイオキシンが発生するからと言って、ごみの分別が盛んに言われている。しかし、これには科学的根拠がなく、実はダイオキシンの大部分は農薬起源だということである。1960年代から70年代にかけてダイオキシンを不純物としてたくさん含む農薬がまかれている。まかれたダイオキシンの総量は、ベトナム戦争で使われた枯葉剤の倍にも達する量であるというのだ。私も今の生物の激減や環境ホルモンの問題などは、農薬の影響が大きいと思っている。特に長年続けてきた空中散布による影響が大きいのではないだろうか。 さらには、ブラックバスなどの外来種駆除についても疑問を呈している。外来種が入ってきても、それによって生態系が破壊されるわけではないというのだ。もともと生態系は、従来からいる種と外来種のせめぎあいであり、外来種を一切認めないと言うのはアナクロニズムであるという。全面的には賛成できかねるものの、タイワンザルとニホンザルの混血を遺伝子汚染と言って駆除したり、礼文島へ数株自生しているカラフトアツモリソウが自然分布か人為分布かで、引き抜くか保護するかで扱いが分かれるような議論がされているらしい。なんともばかげた話ではないか。そもそも、進化と言うのは、様々な遺伝子の交雑の過程でもある。動植物の固有種を何が何でも守れと言うのは、人間の欺瞞に過ぎないのかもしれない。 このようなウソが通用しているのは、官民に様々な利権があるからだという。著者は「税金を使って自然保護をやっているうちは自然保護は結局誰かの利権でしかない。真の自然保護のためには、人々がお金を払って、あるいは労働をして、自然保護をしたくなるような仕組みを作らなければ仕方がない。山菜もきのこも昆虫も採ることによって保護する。これが二一世紀の自然保護のコンセプトである。」と言う言葉で本書を締めくくっている。正に同感である。 ↑にほんブログ村の「本ブログランキング」に参加しました。ここをポチッと押していただければランキングが上がるそうです。記事の内容がお気に召しましたら、よろしくお願いします。 m(. .)m風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
September 27, 2006
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「五〇歳からの定年準備」(河村幹夫:角川oneテーマ21)を読んだ。著者の河村氏は、三菱商事に勤務し取締役まで行ったが、リタイア年齢少し前に、多摩大学大学院教授に転身した人である。 河村氏は、人生を「雇用定年」、「仕事定年」、「人生定年」の三つに分けて考えるよう勧めている。「雇用定年」とは、会社が決めた定年のことだ。そして「人生定年」とは、神様が決めた定年で、この世とおさらばするときである。そしてその間にある「仕事定年時代」こそ、本当に自分の好きな仕事をやれる時期なのだ。著者の主張は、この時期こそが、本当の人生であり、有意義に過ごしていこうということである。 たしかに、宮仕えの身では、色々しがらみも多く、なかなか本当に好きなことに打ち込める時間がとれない。私も、そろそろ雇用定年が視野に入る歳になった。世の中には、定年になると急に老け込んだりする例も多いと聞く。せいぜい、濡れ落ち葉と言われたりすることのないよう、着々と準備を進めておかなければならないのであるが。 にほんブログ村の本ブログランキングに参加しました。記事の内容がお気に召しましたら、ポチッと押してやってください。 m(. .)m時事評論、H18.9以降の資格試験・放送大学の話題は別館をご覧ください。風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
September 23, 2006
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岡野工業株式会社という名前を聞いたことがあるだろうか。東京の下町にある、プレス加工と金型製作を専門とする小さな町工場であるが、ここの技術がすごいのである。 最近では、痛くない注射針が話題になった。痛くないというのは、針がとても細いからである。針が細いために、痛覚を感じる神経に当たらないので、刺しても痛くないのである。なにしろ先が0.2mm、根元が0.35mmという細さである。まさに、糖尿病でインシュリン注射を打ち続けなくてはならない人などにとっては、夢の注射針である。これをプレス加工の技術で作り出したのだ。 ここの社長(本人は代表社員と言っているが)である岡野雅行氏が自分の半生を振り返って書いた本が、「俺が、つくる!」(岡野雅行:中経出版)である。 一度直に岡野氏の講演を聞いたことがある。「てやんでい!」、「べらぼうめ!」といった感じの、歯切れがよい、生粋の江戸っ子で、なんとも魅力的な「オヤジさん」であった。この本はその時聞いた、講演の内容をもう少し詳しくしたと言う感じである。 岡野氏の家は、元々金型製作をしていたが、当時の金型屋はプレス屋の下請けと言う感じで、利益のかなりの部分を持っていかれていたらしい。そこで、岡野氏は、父親と衝突しつつも、大変な苦労をして、プレス加工にも進出する。 岡野工業で受けるのは、単価が安くて人がやりたがらない仕事、または、難しくて誰もできない仕事であると言う。そうすることによって次の技術につなげているのである。 ビジネスモデルも独特である。例えば、金型を売る場合も、プレス機と組み合わせて、量産のできるプラントとして売る。そうして得た資金で、次の技術を開発するのである。 岡野工業では、絶対に技術の安売りはしない。「市場のニーズによって価格は決まる」ということををよく分かっているからである。単なるコスト積み上げでは、ノウハウ部分などの付加価値部分が正当に評価されない。 最近、IT,ITとやたらハイテクな分野やバーチャルな分野ばかりもてはやされている感があるが、日本の技術基盤を支えているのは、このようなローテクの実業部分なのである。それにしても、キラリと光る中小企業の経営者たちの言葉は、本当に魅力的である。「俺が、つくる!」(岡野雅行:中経出版) 時事評論、H18.9以降の資格試験・放送大学の話題は別館をご覧ください。風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
September 18, 2006
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世界最大の広告会社である電通には、「鬼十則」なる教えが存在すると言う。何でも、四代目社長で「広告の鬼」と言われた吉田秀夫が50年以上も前に書き残したものであると言う。 「電通『鬼十則』」(植田正也:PHP文庫)は、この「鬼十則」をひたすら賞賛する本である。どのような内容かと言えば、 1.仕事は自ら「創る」可きで与えられる可きでない 2.仕事とは先手先手と「働き掛け」て行くことで受け身でやるべきでない 3.「大きな仕事」と取り組め小さな仕事は己を小さくするこういった調子で、十の教えが並んでいる。これを一つ一つ、著者が解説しているという構成の本である。著者は、広告業界での経験を持つフリーライターであるという。そのためか、この本には、まったく批判精神は見られない。ただひたすら賛辞を捧げているのである。 たしかに、いいことも書いてあるのだが、なんとも説教くさくて違和感がある。私のようなへそ曲がりが読むと、やはりなにか一言言いたくなるのだ。この十則は、ただ馬車馬のように働けと言っているだけで、何のために働けと言っているのかが無いからである。 私なら最初に以下の2つを入れたい。 1.仕事は会社のためと心得るな、仕事を通じて、自己実現を図れ。 2.会社のための仕事ではない、お客さまに喜んでいただくための仕事である。 これらが無いと、単なる「行け行けドンドン」である。 ただ、「自己実現」に関しては、著者は、第7則の「『計画』を持て長期の計画を持っていれば忍耐と工夫とそして正しい努力と希望が生まれる」をそのようにも解釈している。もし、そうであるならば、7番目に来るのは不自然である。目的というものは、一番初めに来るものだからである。ここは、単に仕事とは短期で考えるなと言っているだけだと思うのであるが。 そして、最後にも、もう一つ入れたい。 「考えろ、そして実行せよ。」と。時事評論、H18.9以降の資格試験・放送大学の話題は別館をご覧ください。風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
September 16, 2006
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私は、パワーポイントで作られた資料が好きではない。最近は、プレゼンテーションや講演など、ほとんどがパワーポイントを使った資料を見せながら行われる。 パワーポイントで作成された資料は、確かにプレゼンテーションや講演をやる側には便利である。しかし、この資料、その時は割ったつもりになっていても、後で考えてみるとほとんど頭の中に残っていない。資料を再読しても、頭には何も入ってこない。皆さんもこんな経験はないだろうか。 「〈図解〉トヨタ流すごい仕事術」(若松義人:成美文庫)は、トヨタで「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努めてきた著者が、トヨタ流について解説したものである。内容は、多くの格言を集めた「格言集」と言う感じで、非常に良いことが書いてあるのであるのだが、(別にパワーポイントで作られているわけではないが)パワーポイントで作られた資料と同じような感じで、読み終わっても、内容が不思議に頭に残らないのはどういうわけであろうか。 まあ、いいことは書いてあるので、何かあったときに虎の巻(表現が古いか)として使えばいいのかもしれない。
September 15, 2006
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シリコンバレーとは、今更言うまでも無いだろうが、アメリカカリフォルニア州のサンフランシスコ郊外に位置するハイテク企業が集中している地区である。 「シリコンバレー精神」(梅田望夫:ちくま文庫)は、「Web進化論」で有名な梅田氏が、1996年から2001年にかけてシリコンバレーで暮らした体験を基に書いたものである。 この本によれば、シリコンバレーでの起業には、絶対に自分の資産をかけないということである。エンジェルと世ばれれる投資家やヴェンチャーキャピタルが、ものになりそうなアイディアに投資してくれる。担保を取らないと金を貸さない日本の銀行も見習ってほしいものである。そして、その金は、失敗しても返す必要の無い金なのである。その代わり、成功したときには、莫大なリターンが期待できる。企業家は、失敗しても、自分の資産をかけている訳ではないから、次のチャンスを狙える。 また、金持ちになれるチャンスは、創業者や投資家だけにあるわけではない。成功したベンチャーで働いている者にもストックオプションにより金持ちになる可能性がある。 そして、シリコンバレーを技術的に支えているのが、「ナード」と呼ばれるコンピューターが好きでたまらない人たちである。投資家と経営者とナードがうまく組み合わされたときそこにハイテクビジネスが生まれるのである。シリコンバレーではナードたちは、非常に大切にされているという。どんなに優れた技術者でもワン・オブ・ゼムの扱いしかしない日本企業とはえらい違いである(田中耕一さんのようにノーベル賞を取れば扱いは変わってくるのだが)。 この本は、梅田氏の自分史であると共に、シリコンバレーの息吹を伝えてくれる好著であり、グローバル化時代を迎えた日本に必要なもののヒントを与えてくれる本である。時事評論、H18.9以降の資格試験・放送大学の話題は別館をご覧ください。風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
September 12, 2006
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「創造力をみがくヒント」(伊藤進:講談社現代新書)を読んだ。この本は、だいぶ前に買って読んでいたのだが、内容をすっかり忘れているので、再度読み直してみたのである。 世の中には、好んで使われるが、意味のはっきりしない言葉がある。例えば、「戦略」という言葉がそうだ。ビジネスの世界では好んで使われるが、百人いれば百人とも、程度の差はあるが、意味するところが違っているような気がする。 「創造力」という言葉も同じように、よく使われるが、定義のはっきりしない言葉である。しかし、この本では、はっきりと、「新たな問題にぶつかったときに、自分なりに対処する力」と定義されている。 著者によれば、創造力とは何も特別な力ではなく「人間であれば多かれ少なかれ、みんなもっている力」であるという。そして、この本においては、結果よりも行為に焦点をあてる「行為主義」により創造性が捕えられている。 著者は、この本の中で、創造性のMRS理論というものを主張している。MはMotivation、RはResorceそして、SはSkillのことであり、この3つの相互作用により創造性が生み出されるというのである。そして、この3つについては、各論として詳しく述べられている。 それでは、結局どうすれば創造的になれるのかと言えば、特効薬はなく、地道に「情熱を持って、資源を蓄積しながら、問題を処理するスキルを磨いていく」ことをやれというのが結論である。しかし、これがなかなか難しい。 時事評論、H18.9以降の資格試験・放送大学の話題は別館をご覧ください。風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
September 11, 2006
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「四〇歳からの勉強法」(三輪裕範:ちくま新書)を読んだ。 内容は、時間の作り方、本の選び方、新聞・雑誌の読み方そして英語の上達法である。 私はこの手の本を比較的よく読む。これまでいろいろな人の書いた本を読んできたためか、この本の内容で特に目新しいものは見当たらなかった。 勉強に熱心な人は、自然に自分なりのスタイルを身に着けているのであるが、勉強法と言っても、時間の無いビジネスマンが、そう変わった事が出きる訳は無い。どうしても似たり寄ったりになってしまうのであろう。もっとも、一番大切なのは、どんな方法にしても、地道にこつこつと続けていくということであろうが。そうでないと、どんな優れた方法であったとしても、まったく効果がないのである。 ただし、この手の本をあまり読んだことの無い人には、参考になることも多いかもしれない。○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館はこちら
September 7, 2006
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私には、株式投資は向いていないようである。一応、私も若干の株式を持っているのだが、サラリーマンの小遣いで買っている範囲なので、そうたいしたものではない。世の中にたくさん存在すると思われる、パチンコやスロットに小遣いの大部分をつぎ込んでいるお父さんたちの投資額と比べれば、本当にささやかなものである。 時折売り買いなどしてみるが、不思議なことに、売ったとたんにどんどん値上がりしたり、買ったとたんにがくんと値下がりしたりすることが多い。他の株に動きがあまりなくとも、狙い済ましたように、私の売買した銘柄だけそうなってしまう。それは見事なほどである。だいぶ前のブログにも書いたが、私のくじ運の悪さと関連しているのかもしれない。 しかし、世の中にはすごい人がいるものである。「副業はサラリーマン」(石川臨太郎:東洋経済新報社)という本を読んだ。 石川氏はサラリーマンであるが、給料の2倍以上を資産運用で稼いでると言う。氏によれば、「収入の多い方が本業」と言うことなので、「本業は自分だけを顧客にした資産運用業者で、副業がサラリーマン」と言うことらしい。 氏は、2002年までは本業がサラリーマンであったが、病気のため会社を長期休務しなければならなくなり、その経験から、経済的に自立を目指したとのことである。 この本では、バリュー株への投資を、実績を上げている投資家のサイトなどを参考にしながら行い、その利益を中古ワンルームマンションへ投資することを勧めている。 この本を読むと、誰でも確実に儲かりそうな気がするが、世の中そう甘いものでもなかろう。書いてあることは、なるほどと思うことも多いが、成功するためには、また、天の利・地の利・時の運が揃うことも必要なのである。でも、サラリーマンに夢を与えると言う意味では、読んで面白い本である。実際に氏の勧める方法を行うかどうかは自己責任であることは言うまでも無い。 風と雲の郷 別館はこちら○応援クリックお願いします。
September 4, 2006
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ブログと来れば、次はSNSということで「SNS的仕事術」(鶴野充茂:ソフトバンク新書)を読んだ。「Web進化論」が当たったためかどうか分からないが、雨後の筍の様に、最近は、Web2.0に絡んだ本が多く出ている。たまたま読む順番が後の方になったため、この本も筍扱いされて気の毒ではあるが、さすがに似たような本をたくさん読んでいると、読んでいても新鮮味も無くなり、いささか食傷気味にもなってくる。 この本は、SNS的の「的」と言うことがミソで、書いてあることは、SNS活用法ではなく、SNS「的」な仕事の進めて行き方であると言う。そして、この本で言うSNS的とは「自分のパーソナルな人的ネットワークをベースにして仕事をしていく発想やアプローチ」のことである。 著者は、この本の中で、「これからは、仕事とプライベートの壁がどんどん希薄になっていきます」と述べているが、果たして一般論としてはどうであろうか。ウィニーになどよる情報流出により、企業はオンとオフの区分をつけることに非常に敏感になっている。もちろん、オンとオフの境目は個人個人によって異なる。そこをしっかり意識しながら、うまく活用していくことが重要なのではと思うのであるが。 特に目新しいことが書いてあるとは思えなかったが、これはこの本を読んだ順番が後になったためかもしれない。もう私がこの手の話に飽きてしまったということで、最初の方で読んでいたらもっと新鮮味が感じられたであろう。「SNS的仕事術」(鶴野充茂:ソフトバンク新書)○応援クリックお願いします。
August 25, 2006
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「超実践!ブログ革命」(増田真樹:角川書店)を読んだ。 最近Web2.0関係の本をよく読んでいるが、ブログは、Web2.0での代表例としてどの本でも扱われている。この本は、特にブログに焦点を絞って書かれたものである。 私もブログを初めてもう7ヶ月になる。すっかりはまってしまって、余暇のかなりの部分をつぎ込んでいる状態だ。折角やるのなら、少しでも良いものにしたいので、参考にでもなればと思い買ってきたのである。 著者略歴によれば、著者の増田氏は、ジャーナリスト兼コンサルタントで、ITビジネス界で有名なブログ「メタミX」(聞いたことはないが)を運営しているとのことである。この本は、前作「超簡単!ブログ入門」の続編に当たるらしい。 全5章で構成されており、まず第1章「新しい日本のメディア」で、ブログやSNSの紹介をし、第2章「コミュニティに花が咲く」でブログやSNSの楽しみ方を示している。第3章「ビジネスで使えるの?」では、ビジネスでの活用のヒントを示唆し、第4章「『一般人』人気ブロガーの秘密」と続き、第5章「ブログの正しい育て方~十年後の自分への手紙」で締めくくっている。 全体的に、ブログというメディアの楽しい面に焦点を当てて書いているという感じがする。ブログでの問題点やブログが炎上する話についても一応は述べられているが、さらりと書かれている感は否めない。ブログの匿名性の問題、著作権の問題、スパムトラックバック・コメントの問題などについては、章を設ける位書いても良いと思うのだが。 第4章「『一般人』人気ブロガーの秘密」では、内容が少し抽象的で、実際にどんな「秘密」があるのかよく分からなかった。もっと具体例を示した分析を望みたい。 ブログが盛んであるといっても、まだまだ人気ブログは、タレントや著名人が多く、中身を見ると大して内容の無いものも多い。Web2.0が集合知の活用であるなら、まだ日本のブログ文化は成熟していないということであろう。そのあたりの問題点にも切り込んで欲しかったと思う。○応援クリックお願いします。
August 22, 2006
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「Web2.0でビジネスが変わる」(神田敏晶: ソフトバンク新書)を読んだ。 Web2.0というのも、なんとなく分かるのであるが、もう一つ定義がはっきりしないと思っていたら、これは典型的なバズワードであるという。バズワードとは、専門家などが好んで使うが、具体的な意味などを想像しにくく流行として消費される言葉のことを、風刺の意を込めてそう呼ぶらしい。 元々、Web2.0のコンセプトは、ティム・オライリーと言う人が、新しいウェブサービスをテーマにしたカンファレンスを企画するために考え付いたとのことだ。彼の定義によると7つものコンセプトがあるが、7つも覚えられないので、超大雑把に言えば「ウェブ上でこれまで以上にユーザー主導で色々なことができる。」と言うことであろうか。Web2.0の真骨頂は、技術そのものの進化ではなく、ユーザーの行動様式の変化であるというのが著者の主張である。 この本のキーワードは、CGM(Consumer Generated Media)である。CGMとは、ブログやSNSなどのように、消費者が主体となって情報を提供するメディアのことである。CGMという手段を手に入れた消費者は、情報を一方的に受信する存在に留まらず、自らよりアクティブな消費行動を楽しむようになるというのだ。 著者は、IT関係のジャーナリストとしてのバックグラウンドを持っているようである。そのせいか、内容がメディアビジネスを中心に、その他のビジネスについてもせいぜいネットを使ったマーケティングの部分に留まっているのはある意味当然かも知れない。 しかし、メディアビジネスのみならず、産業の大部分を占めるリアルなビジネスが、今後Web2.0とのかかわりの中でどのような変化を遂げるのか(あるいは変わらないのか)についても、もっと記述が欲しかったと思う。○応援クリックお願いします。
August 20, 2006
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以前読んだ「ウェブ進化論」(梅田望夫:ちくま新書)によれば、次の10年の三大潮流は「インターネット」、「チープ革命」、「オープンソース」ということであるが、そのうちの一つ「オープンソース」に関する本を読んだ。 「オープンソースがなぜビジネスになるのか」(井田昌之,進藤美希:MYCOM新書)と言う本である。オープンソースとは、ソフトウェアのソースコードを無償公開し、多くの人が協力して、ソフト開発を行うというものだ。代表的な例が、OSのリナックスである。このオープンソースが巨大ビジネスに繋がるという。 オープンソースの流れは、元々フリーソフトウェア運動に始まる。その中心人物が、伝説のハッカーと呼ばれるリチャード・ストールマンである。この人は、「ソフトウェアはフリーに利用開発できなければならない。」というのが信念であり、コンピュータにパスワードを設定することも反対であったとのことだ。ちなみに、ハッカーというのは、本来は良い意味で使われ、コンピュータを使って悪いことをする人はクラッカーと呼ばれる。 リチャードは、MITのAI研で、UNIXと互換性のあるOSを開発するGNUプロジェクトを立ち上げた。しかしOSの核となるカーネルがなかなかできなかったという。 リチャードのオープンソースに対する大きな貢献は、GNU GPL(General Public License:一般公衆利用許諾契約書)とGFDL(GNU Free Documentation License:GNUフリー文書利用許諾契約書)である。著作権を活用して、前者はソフトそのものを、後者はマニュアル類を、コピー・改変の自由について、著作権による占有から守ろうというものだ。著作権を利用して、著作権による束縛から逃れる、正に逆転の発想である。 一方、オープンソースの代表のような感があるリナックスは、フィンランドのヘルシンキ大学の学生リーナス・トーバルズが創った小さなカーネルに端を発する。このカーネルに、UNIX用の多くのフリーソフトを組み合わせてOSとしての全体機能を持たせたのがリナックスである。そしてこの時使われた基本機能のほとんどがGNUのものであったという。GNUとリーナスの幸運な巡り合わせがなかったら、リナックスは生み出されなかったかもしれない。 それでは、オープンソースがどのようにビジネスに結びつくのであろうか。いくらソースコードが公開されているといっても、自前で保守や開発を行うよりはアウトソーシングした方が効果が大きい場合が多い。そこにビジネスチャンスが生まれるのである。ソフトウェアをビジネスで使おうとすると、どうしても自分たちの事業に合うように、改変する必要がある。しかし、多くの企業には、そのような専門家を自ら抱え込んではいないのだ。 たとえば、IBMは戦略の中心にリナックスを据えているし、NECではオープンソースを利用したシステムインテグレーションを手がけている。また、官公庁・自治体では90%がオープンソースを導入しているという。以前紹介したGoogleもリナックスを使って、ネットの向こう側に巨大なシステムを創りあげているという。現在の流れを見れば、ビジネスチャンスは無限に広がっているであろう。 オープンソースの歴史・動向について手っ取り早く知りたい場合には手ごろな一冊である。「オープンソースがなぜビジネスになるのか」(井田昌之,進藤美希:MYCOM新書)○応援クリックお願いします。
August 8, 2006
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「発想力」(齋藤孝:文春文庫)という本を読んだこれも、京都旅行をした際に列車の中での徒然を紛らわせるために買った本である。 著者の齋藤孝氏は、「声に出して読みたい日本語」や「三色ボールペンで読む日本語」などの著書で知られる、明治大学文学部教授である。 「発想力」といったタイトルから、いわゆる発想法のようなものを想像していた。本のカバーや帯に、「ぐんぐん脳が活性化する」なるうたい文句があればなおさらであろう。 しかし、中身は、齋藤氏によるエッセイ集といった感じで、暇つぶしとしてそれなりには面白かったのだが、どう読んでも脳が活性化するような効果はなさそうである。(私だけかな?) 果たして、「末っ子は甘え上手で攻撃的」だとか「美輪明宏に抱きつかれた」とかいったような話を読んで、どう脳が活性化するのだろうか教えて欲しいものである。 著者のあとがきを読むと、もともとは週刊文春に「コロンブスの卵焼き」というタイトルで連載されていたものが、本にされるに当たって「発想名人」になり、更に文庫化されるに当たって「発想力」というタイトルに変わったらしい。最初のがこの本のタイトルとしては一番ぴったりくるような感じで、改題のたびに、どんどん、内容とは離れていっている気がするんだけどね。結論:エッセイとして読むなら結構面白いが、別に脳は活性化しない。「発想力」(齋藤孝:文春文庫)
July 22, 2006
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アメリカのプロパテント政策に対応して、わが国でもプロパテントの流れが進んでいる。プロパテント政策とは特許重視の政策のことである。この「キヤノン特許部隊」(丸島儀一:光文社新書)は、キヤノンと言うエクセレントカンパニーで特許一筋に生き、同社の専務にまでなった(現在はキヤノン顧問)丸島儀一氏への取材に基づきかかれた本である。 キヤノンが今のようなエクセレントカンパニーになったきっかけは、複写機の開発に始まる。当時普通紙コピー(PPC)は、ゼロックス社が特許を独占しており、世界中の企業が、なんとかゼロックスの特許を破ろうとチャレンジしていたが、果たせない状態が続いていた。 ゼロックス方式の基本となるのはカールソンプロセスであるが、キヤノンはこれとは原理の違うNP(New Process)方式を開発し、それによって、エクセレントカンパニーへの足がかりを作ったのである。 この功績は、開発技術者だけのものではなかった。当時丸島氏は、特許の担当者として、ゼロックスの特許を何とか破ろうと、600件余りの特許文献を全て原文で読み、初期段階から開発部隊と協同していたのである。この本は、特許とは、開発した後に特許担当者が依頼されて出すものではなく、特許担当者が技術の源流に入り協同することの重要性を教えてくれる。 また、特許ビジネスとは、自社の特許を売ることではなく、自社の事業を有利にするために、相手が持っている特許をクロスライセンスでもらうことであるという指摘や、特許紛争の際の交渉の重要性についての話など傾聴に値する話が多い。 キヤノンがなぜ、現在のようなエクセレントカンパニーになったか、その過程で特許戦略というものがいかに重要な役割を果たしたかがよく分かる。企業の特許担当者だけでなく、経営層にもぜひ勧めたい一冊である。↓画像は無いけど「キヤノン特許部隊」(丸島儀一:光文社新書) ○応援クリックお願いします。
July 7, 2006
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「人は見た目が9割」と言う本を読んだ。なんとも議論を呼びそうなタイトルである。 しかし、この本を読んでみると、別に容姿の良し悪しのことを言っているわけではない。著者の竹内一郎氏は、元九州大谷短大助教授で、現在は舞台演出や漫画の原作を業としている。この本は、それらの経験を基に書かれたものである。私は、ちょっと前まで、カラーコーディネータの試験勉強をしていたが、その際にも、人間は視覚から情報の約8割を得ているということを勉強していた。だから、このタイトルは意外と的を得ているのであろう。 この本によると、言葉だけで伝わる情報は、全体の7%であり、残りの93%は言葉以外の「ノンバーバルコミュニケーション」であるという。舞台の演出にしても、漫画の表現にしても、色々な言葉以外で情報を伝えるお約束がある。そういったお約束を知っていると、言葉以外のところで、多くの情報を伝えられるのである。 一例をあげれば、腕組みをするというのは、相手の言うことを聞き入れられないという態度の表れだと言う。私もつい無意識にやってしまい、実際は、必ずしも拒絶しているとは限らないのであるが、相手は拒絶されていると感じるかもしれない。せいぜい気をつけなければいけないな。 この他にも、色々なお約束が紹介してあり、応用できる場面も多いと思うので、知っていると、結構便利であろう。「人は見た目が9割」(竹内一郎:新潮新書)○応援クリックお願いします。 ○関連記事・「他人は見た目が9割 - 書評 - 人は見た目が9割」:404 Blog Not Found
June 30, 2006
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「デファクト・スタンダード」とは、電気製品などで、市場競争の結果として「事実上の標準」と看做されるようになった業界標準のことである。例えば、VHS方式ビデオ、パソコンのWindows、インターネットのTCP/IPなどを思い浮かべていただきたい。 本書は、出版が1999年なので、取り扱われている事例は少し古いが、「デファクト・スタンダード」に関する経営戦略についてコンパクトにまとめられたものである。 規格競争に勝つための「ネットワークの外部性」の視点の重要性、有効にデファクトを作り上げるためにファミリー企業をつくることの大切さ,オープン環境下においてどのように利益を上げていくかなどが詳しく説明されている。 ↓画像はないけど「デファクト・スタンダードの経営戦略」(山田英夫:中公新書)○応援クリックお願いします。
June 14, 2006
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この本は、元SEのきたみりゅうじ氏が、かっての職場のトホホな上司や部下について書いたものである。以前紹介した、「SEの不思議な生態」の続編でもある。「SEのフシギな職場」(きたみりゅうじ:技術評論社) 仕事の邪魔にしかならない上司や,まったく自分で考えようとしない部下など、信じられない位個性的過ぎる人たちが出てくる。読んでいる分には面白いが、こんなのが自分の職場だったらいやだな。この本に出てくる人は、こうなっちゃいけないねという反面教師と考えれば良いのかもね。 きたみ氏は、たまたま昔SEだったから、表題のような題名がついているけど、職種を問わず、結構こんな会社は、あるのかも知れないね。テレビドラマなんかにも良く出てきそうだしさ。 この本の中の四コマ漫画もきたみ氏によるものだが、結構味のある絵だよね、○応援クリックお願いします。
June 6, 2006
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最近、時々データマイニングという言葉を聞く。なんとなく、感覚としては分かっていたが、たまたま本屋で、「数式を使わないデータマイニング入門」(岡嶋裕史:光文社新書)を見つけたので、買ってみた。↓「数式を使わないデータマイニング入門」 データマインニングとは、大量のデータの中から、隠れた法則性や規則を見つけ出すための技術である。本書は、データマインニングのほんのさわりの部分について、分かりやすく説明してある。しかし、データマイニングの手順を説明するため「禁欲の誓いを立てた仲間の中で、異性交遊をしている裏切り者を探す」という例題を使っているのには笑った。 表題の通り、数式を使わずものすごく平易に書かれているので、手っ取り早く、データマイニングとはどんなものかを知りたいという人にはいいかも知れない。○応援クリックお願いします。
May 31, 2006
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「産廃ビジネスの経営学」(石渡正佳:ちくま新書)を読んだ。 著者の石渡氏は、千葉県庁で産業廃棄物行政を担当し、日本最大級の不法投棄多発地域であった銚子地域で不法投棄ゼロを成し遂げた人物である。その氏の、現場での実践の中から書かれた本書は、産廃問題に対して、新たな視点を持たせてくれる。以前、「県庁の星」をこのブログで紹介したが、氏もいわゆる「県庁さん」であり、このような人材が行政で活躍しているのは喜ばしいことである。 氏によれば、不法投棄の原因は、不法投棄の料金と正規処理の料金が共存し、その価格差をピンはねする2重価格構造に原因があることを指摘している。その価格差にアウトローが付け込み,価格差益を搾取するのが不法投棄の問題であるという。 また、氏は、アウトローは社会の矛盾から発生しているため、アウトローの満たしているニーズを否定せず適正な方法で吸収していくことを主張している。現在の廃棄物処理法は、非常に分かりにくい法律であり、どんどん規制が厳しくなっているが、単に規制を厳しくするよりは、氏の主張するように、不法投棄の構造を解明し、それに対応した対策を行っていくことが重要であると思う。○応援クリックお願いします。
May 18, 2006
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現場主義の知的生産法(関満博:ちくま新書)を読んだ。 この本で述べられているのは、徹底的な「現場主義」である。関氏は、地域産業論や中小企業論を専門とする一橋大学大学院商学研究科の教授であるが、徹底して現場調査にこだわる。氏のゼミでは、ゼミの学生にも現場に積極的に出入りさせ、何かひとつでも提案をさせてこらせるという。氏自信も、調査する地域とは、一生付きある構えで臨むとのこどである。 なぜ、氏は現場にこだわるのか。そこに「新しい発見がある」からだという。最近の研究者は、決まりきった調査票に基づいた調査をして、要領よく、業績となる論文をまとめるだけである。しかし、それでは、本当の現場の心の姿は分からないし、現場の人々の記憶にも残らないということを氏は主張する。この態度は、研究者のみならず、我々ビジネスマンも見習うべきであろう。 その他、調査結果のまとめ方や、生産性を上げる方法など、一読する価値はあろう。○応援クリックお願いします。
May 16, 2006
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このGWには、たくさん本を読むことができた。今日は、その中の1冊、「[入門]ユビキタスコンピューティング」(志賀嘉津士:NHK出版生活人新書)の紹介である。 標題に、[入門]と銘打っている通り、「ユビキタス」ということをキーワードに、最近のコンピュータやITに関する様々な技術と、将来の展望について、要領よくまとめた入門書である。特に専門知識がなくとも、読みこなせるし、専門用語についても、新聞・雑誌などに出てきそうな程度のものしか使っておらず、それもちゃんと用語解説が脚注としてついているのでご安心を。 内容は、携帯、PDAから無線LAN、ウエアラブル・コンピュータ、ICカードと幅広く、これ一冊を読めば、最近のIT技術のほぼ全体についての概要がつかめると思う。ただ、現在最も重要なテーマであるセキュリティ技術についてはほとんど述べられていないのが残念ではあるが、紙面の制約を考えるとやむを得ないのかもしれない。○応援クリックお願いします。
May 12, 2006
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先般読んだ、「ウェブ進化論」(梅田望夫:ちくま新書)が案外面白かったので、本屋で見つけた、似たようなテーマで書かれている「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」(佐々木俊尚:文春文庫)も読んでみた。 グーグルの収入源となっているキーワード広告は、世界のどこに居るのか分からないが、その製品やサービスを必要としている人にダイレクトに届けられるという特性を持っている。そこには、既存の広告代理店によるビジネスモデルを破壊するに十分なインパクトがあり、広告のビジネスモデルのパラダイムシフトを引き起こした。そして、ネットならでは可能となる「ロングテール」により、中小企業の再生や新たなビジネスの創出に大きな貢献をしてきた。 そして、グーグルは、広告ビジネスによる、莫大な収益を基盤に、検索エンジンやインターネットのみならず、ありとあらゆるサービスを無料で展開しようとしている。しかし、このことは、グーグルが、世界上のすべての人のデーターベースを持つことにつながり、グーグルを中心とした新たな秩序が生まれてくる可能性があるのである。 孫悟空がお釈迦様の手のひらの上で遊ばれていたように、我々も、グーグルという巨大な基盤の上で生活をせざるを得ないようになるのであろうか。まさか、グーグルという神を中心とした、マトリックスのような世界にはならないと思うが・・・(追記)1.この本には、ロングテールの例として、相互リンクしていただいている「メッキ職人さん」の会社も紹介されている。ご自分のブログでも紹介されていたが、ネットをビジネスに活用しようと考えている方には、参考になる部分も多いと思う。2.サラ金広告のクリック単価は3000円位にもなるということも書いてある。誰かが、グーグルで検索して、キーワード広告を1回クリックするだけで、3000円がサラ金業者からグーグルに行くそうだ。サラ金の上前はねてるのは、銀行だけじゃなかったんだな。○応援クリックお願いします。 ○関連ブログ記事・404 Blog Not Found
May 10, 2006
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「99.9%は仮説」(竹内薫:光文社新書)を読んだ。 まず、この本のロジックがよく分からない。過去に正しいとされていたことで、間違っていたことはたくさんあるし、最新の科学でも分かっていないことは多い。それらを並べたてて、帰納法的に、99.9%は仮説というのには違和感がある。この本で述べていることは、そう目新しいことではなく、たしかに、世の中の殆どのことは、突き詰めていくと、仮説でしかないだろうことは、直感的には理解できるのではあるが。 更に、世の中は、仮説だらけである事を認識して、「疑う」と言うことは大切ではあろうが、この本はそこで終わってしまっている感がある。疑ってばかりではくたびれてしまうではないか。 この本のタイトルは、「99.9%は仮説」と言うことであるから、裏を返せば、残りの0.1%は仮説でないということである。筆者は、これを読者に自分で考えるように要請している。 かって、哲学者デカルトは、自著「方法序説」の中でこう言った。「我思う、ゆえに我あり。」すなわち、世界のすべてが偽りだとしても、疑っている自分自身だけは、その存在を疑うことはできないということである。0.1%とはこの事であろうか。 それとも、本の標題である「99.9%は仮説」という命題が0.1%の真実だと言っているのであろうか。○応援クリックお願いします。 ○関連ブログ記事・404 Blog Not Found・99.9%は仮説
May 8, 2006
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今話題の、「ウェブ進化論」(梅田望夫:ちくま新書)を読んだ。 グーグルは、元々はベンチャー企業として、1998年に米国シリコンバレーに、スタンフォード大学の大学院生であった二人の若者により設立された会社である。これまで、グーグルについては、検索エンジンに独自のテクノロジーを持った会社であるくらいの認識しかなかった。しかし、この本を読んで、今更ながら、グーグルはこれまで存在したどの企業ともまったく違う、我々のような古い世代には文字通り「想定外」の企業であることを知った。。 グーグルの行っていることは、コンピュータに関するビジネスモデルの革命なのである。それまでの、ビジネスモデルは、コンピュータを売って、ソフトを売ってというように、ユーザーが必要なものを、手元、すなわちネットの「こちら側」にそろえさせるというものであるが、グーグルの目指しているのは、必要なものは、すべてネットの向こう側にそろえ、顧客にはサービスのみを提供すると言うものである。 次の10年の三大潮流は「インターネット」、「チープ革命」、「オープンソース」ということであるが、グーグルはそのすべてを体現した存在であると言う。ネットの大きな特性は、「不特定多数無限大の自由な参加がゼロコストで可能」ということであるが、グーグルはそれを十分に意識したビジネスモデルを着々と作り上げているのである。そして、それを可能にするのが、Web2.0なのである。 グーグルは,リナックスを活用し、ネットのあちら側に、巨大なシステムを着実に作り上げている。やがては、日常のすべてのことが、グーグルの世話にならなくてはできない日が来るのであろうか。創業者の2人は、かって、マイクロソフトから買収されるのことを徹底的に防止したという。それは、ビルゲイツが、ネットの「こちら側」の世代の人間であり、ネットの「あちら側」のことは絶対に分からないからだということだ。ビルゲイツと同じ年に生まれた私にも、所詮は、グーグルの価値は理解できないのかも知れない。○応援クリックお願いします。
May 7, 2006
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今日は、本を2冊買ってきた。 1冊目は「人にいえない仕事はなぜ儲かるのか?」(門倉貴史:角川書店)[追記] 読んだけど、あんがいつまらんかったわ。ほとんどが税金の話で、野球選手や芸能人はマネジメント会社をつくって節税してるとか、医師の謝礼やギャンブルの儲けは、税金を取られていないといったことや、日本の税率は高いといったことが延々と書いてある。そして、人に言えない仕事とは、違法なアングラビジネスのことばかりである。 合法なんだけど、ちょっと人に言いにくいビジネスは、経営学的に見て、どう儲かる仕組みができているのかといったことを期待していたんだけどね。宣伝文句に「さおだけ屋が教えてくれない・・・」ってあるけど、あまり、この本から教えられたこともなかったね。 2冊目は「1ヶ月で合格できるカラーコーディネーター2級」(DAI-X総研カラーコーディネーター試験対策PJ編著:DAI-X出版) 2冊目は、今カラーコーディネーター試験を受けようかどうしようかと思っているので、とりあえず買ってきたのである。
April 14, 2006
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さっき出張から帰って来たよ。 列車の中で読んだ本をひとつ。 筆者は、元マイクロソフトの日本法人社長で今コンサルティング会社をやってる人なんだけど、この本は、マーケティングに関する色々なトピックスが面白く書かれているよ。 会社は、とにかくみんなで一生懸命汗を流してがんばろうなんて体育会系のノリだけでやってちゃだめだね。でもこんな会社ってけっこうあるんじゃない。しっかりマーケティングをやって、どちらに向いて汗をかくのか、戦略をしっかり立てることが大切だね。「成毛眞のマーケティング辻説法」(成毛眞と日経MJ:日経ビジネス文庫)○応援クリックお願いします。
February 22, 2006
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昨日買った本を、2冊とも昨日のうちに読んでしまった。なかなか、環境計量士試験の勉強に専念できないな。一応は、テキストにざっと目を通したんだけど・・・「キヤノンとカネボウ」(横田好太郎 新潮新書) カネボウに20年以上勤務し、その後キヤノンに転職した著者が、両者の「内側から見た企業文化」について記した書である。 キヤノンとカネボウって、何から何まで対照的なんだね。やたら人事が権力を持っていて、学閥の強い封建的な風土のカネボウと、技術者を大事にし、社長も社員食堂で一般社員といっしょに並ぶような風土のキヤノン。現在のように明暗を分けてるってのも、この本を読んだら当然って気がするね。「社会人から大学教授になる方法」(鷲田小彌太:PHP新書) こちらは、なんか、以前読んだ同じ著者の本の焼き直しのようで、あまり目新しさはなかったような感じだね。前作を読んでなければ、それなりに面白いかも。鷲田先生、もっとがんばってね。 ( ̄~ ̄)○応援クリックお願いします。
February 19, 2006
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ユーモラスなマンガと文章でつづられたヒサンなSEの日常。SEにならなくってよかったとしみじみ思うよ。(_´ω`)「SEのフシギな生態」(きたみりゅうじ:技術評論者)○応援クリックお願いします。
February 17, 2006
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