9-1


文責:まるり


    … あれから、幾日が過ぎただろう…2週間、…いや一ヶ月 だろうか。

    彼女はその時の光景…『尻尾を千切れんばかりに振っているジョー』を
    思い浮かべ、口許に 柔らかな淡い笑み を浮かべた。


   「補佐、何か良いコトでもありました?」
    新人の部下が彼女に訊いてくる。
    物怖じしない物言いと性格が 結構気に入っている 将来有望株の 後輩。


   「…何故 そう思う、の?」
   「え…?だって楽しそうだし、何より…綺麗になりましたよ いっそ口説きたい位」
    そう云って、新人は くすくす と楽しげに笑う。

   「何を云ってるんだか……煽てても査定は上げられない わよ 実力がなきゃ」
    彼女は呆れ半分、照れ隠し半分で怒ったような表情を作り上げた。



    … きっと、あそこに行くことは もう …… 無いだろう。
    それなりに、刺激的な『場所』 …… 微笑ましき うら若いホストの『彼』。
    夢のような一瞬(ひととき)を与えてくれた あの場所より、も。

    めまぐるしく動く、戦闘のような『日常』を 彼女は誇りに思っているから ……


       …… でも また『疲れた』とき は

       足を運んでみるのも …… 悪くはないかも しれない わ


       微笑ましき 仔犬のような『彼』に 逢いに ……





                          END




© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: