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読書メモ・ライトノベル小説&CC&コミック1
トリニティ・ブラッドCanon 神学大全
吉田直 角川スニーカー文庫編集部編 角川スニーカー文庫
読後の感想はただ一言。
『終わった…』
The Sneakerでのサポートもほとんど終了し、これから静かに忘れられていくのかな…(涙)。
内容的にはすっごいボリュームです。
アベルとカテリーナとの出逢いとAX成立の過去を長編として想像したり。
レオンの背負ったものを感じたり。
『ガンメタルハウンド』シリーズの概要。
そして何よりも大きな。
全ての始まりと未来──。
故・吉田先生のアイデアの数々が納められた一冊。これらが小説として描かれなかったことが、今でも惜しまれます。
特に『ONCE APON A TIME ON THE MARS』はぜひ読みたかったです。
熱風海陸ブシロード OVERLORD CHRONICLE
吉田直 角川スニーカー文庫
読み終わるのが怖くて、ずっと積読ボックスに入れっぱなしだった一冊。
故・吉田直先生の未完の一冊です。
表紙や解説に『濃そうだな』と感じていたのもつかの間。
いざ読み始めると、あっという間に読み終わっちゃいました。
吉田先生の文章が巧みで、特徴の強すぎる文章・独特の世界観でありながらも、ぐいぐい読ませちゃうんですよ。
史実を元にした展開、近未来的な小道具と時代劇風の用語、それらのミックス具合が本当に魅力的です。
また、外国語ネタ好きには“ヒカゲの視点”の描写方法に、学ぶべき物がありました。
やっぱり、『トリブラ』と『ブシロード』の同時並行作業が、先生の寿命を縮めたのかな(涙)。
でも、『ブシロード』もまた、本当に魅力的な物語でした。
大切に読み返していこうと思います。
レンタル・マギカ
魔法使い、集う!
著:三田誠 角川スニーカー文庫
古今東西の魔術師達が入り乱れ、交わり、紡がれるほのぼの物語。
これは時系列的には第二巻になります(出版順だと、第三巻)。
魔術を同じ視点で描くための弊害はちょっぴり見られます(秘密性や神秘性が薄れ、発動の理屈がやや便宜的になっている)。
が、それ以上に『現代的な社会構図に放り込まれた魔術師達の四苦八苦』が、親近感を持って描かれています。
私がこの作家さんに惚れたのは『百鬼夜翔』シリーズの短編、『狂う傷』。あのときのダークで妖艶な雰囲気と違い、このシリーズはとても温かいです。
やはり主人公の設定が大きいんでしょうね。
主人公のいつきの二重人格な性格もいい。登場人物の一人一人にしっかりとした背景があり、それぞれの魔術特性にしっかり結びついているんですよね。だから一人一人に感情移入しやすい。
やっぱりその辺りは著者の『TRPGゲーマー』としての特徴を色濃く落としこんでいます。
さくさくと読める軽いタッチの本であり、魔術の知識が皆無の人でもすんなり読めます。
むしろ、魔術の知識が無い方が、新鮮な驚きが多いでしょうね。
この巻に納められている話はどれも好きですが、『魔法使いと夏祭り』はサイト小説の着想にも利用させていただきました。
また、『魔法使いと花泥棒』は、ドラマ『西遊記』(フジテレビ系)第九話の考察でも参考にさせていただきました。
レンタル・マギカ
魔法使いVS錬金術師
著:三田誠 角川スニーカー文庫
今回、主人公が何故一般人(として育ってきた少年)なのかの理由を見た気がしますね。
『魔術』という歪みを、飲まれることなく客観的に指摘し、真摯に正そうとすること。それは主人公の魅力でもあり、本当の強さです。
魔法大好き、魔術戦大好きな人なら、間違いなく楽しめる小説です。
でも何より私が好きなのは、この小説の中に散りばめられる救いであり、『優しさという名の強さ』であります。
オススメです。
レンタル・マギカ
魔法使いの宿命
著:三田誠 角川スニーカー文庫
『船霊』や『くだきつね』など、和テイストがすごく魅力的なんですよ。
昔は外国ばかりに惹かれていましたけれど、最近は日本的なものに惚れまくりです。
そういったギミックだけではなく、登場人物もいい味を出しているんですよね。
今回のゲスト『石動圭』。外道を重ね、『血』の弱さを補うスタイルと屈折した想いには惹かれます。
これまでの登場人物が全員『天才肌』であり、それ故の苦悩ばかりが描かれてきました。それと好対照に映ります。
彼には是非再登場して欲しいですね。
そして『ハリー・ポッター』が好きな人なら、『学校の怪談』のエピソードもまた印象に残るはず。いいですよ。
レンタル・マギカ
竜と魔法使い
著:三田誠 角川スニーカー文庫
シンプルで幼く、それ故に残酷なこともある。
その唯一つの『残酷な罰』を巡り、『竜』と『常軌を外れた優しさ』と『魔法を使えぬ魔法使い』が絡んでいく。
物語の重要キーワードを紐解きつつ、新たな謎と設定を登場させる巻です。
今回は、『ドルイド魔術の特色』と『竜という現象』を絡めて話が展開していきます。どちらもかじっている私には、胸が躍りました。
人間関係も大きな進展があり、登場人物たちの決断にも心奪われます。
2人の新しい登場人物の描き方もいいですね。特に『フィン』の場合、『ああ、こういうキャラクターもありえるんだ』と思い知らされました。
今回も最高の出来です。
レンタル・マギカ
魔法使い、修行中!
著:三田誠 角川スニーカー文庫
今度は一転して、西洋的な色合いの強いお話となっています。
なにより、『魔法使いとクリスマス』がいい!
こういった“ほんわか&オールキャスト”的なお話は大好きです。
キリスト教の裏側なども垣間見つつ、クリスマスの成立に触れている辺りもドキドキしちゃいます。
このお話に触発されて、私もクリスマス話を3本ほど書いちゃいましたし。
『ソロモンの血』『ソロモンの絆』のように、互いに補完しあう物語も大好きです。
『絆』の方は、もう、脇役好きの血が騒ぎまくりです(待て)。
これまでチョイ役でしかなかったダフネが大活躍し、そして秘められた設定が明かされていきます。
隻蓮とのカップルもいい。大人のダフネと天然の隻蓮が絡むと、ほんとにいい味が出ます。
これからも外伝はどんどん書いていって欲しいですね。
次は大長編の祭り編。すごく楽しみです。
レンタル・マギカ
鬼の祭りと魔法使い(上/下)
著:三田誠 角川スニーカー文庫
人の情と脆さ、残酷な優しさ。人の性(サガ)を中心に描かれていく物語。
それは、ファンタジーでなくても普遍的なものを主軸にした故の物語です。
優秀でありながら、頼られる立場でありながら、それでも“破滅”を望んでしまった“あの人”。
その姿は『華麗なる一族』(TBSドラマ版)で自殺した鉄平にも重なる物があります。
どんなに恵まれ、望まれたものだろうと、そこから逃げたいと思うのでしょう。
そんな思いすら内包しながら、人は生きていくしか無いのです。
主人公の成長も印象的です。
“瞳”に飲まれてばかりだった少年は、ようやく“瞳”を使うことを覚え始めたのですね。
少しずつ──しかし着実に、いつきは自分の生き方を選び取っていきます。
そんな彼を中心にするからこそ、“アストラル”は“貸し出し魔法使い(レンタルマギカ)”の会社なのですね。
全編に漂う神道の雰囲気は、どこか懐かしく、それでいて新鮮で、心にしっくり馴染む気がします。
このシリーズが好きで、本当に良かった。
…そして今更ですが、石動圭にますます惚れました。
あの素直じゃない、スネまくりの彼がなんだか可愛い(←おひっ)。
レンタル・マギカ
魔法使いのクラスメイト
著:三田誠 角川スニーカー文庫
学園物の特色が強い短編集になりました。
山田のキャラが立ったり、名前が出てきた二人のキャラがいい味を出していたり、日常が垣間見えたり。
いつきのもう一つの生活が見えることで、よりお話の幅が広がったと思います。
過去の話が垣間見えたのもいい感じです。
アニメ化にもいい影響がでるか(←密かにアニメ化を期待している奴)。
ほのぼの感に安心しちゃいますね。
そして短編集最後の『魔法使いと水の都』。
私が密かに憧れる街『ヴェネチア』を舞台に、観光とゴンドラを背景に、『異形』フィンの哀れさを描いています。
いつきの対極のキャラとしてフィンを置くことで、この物語のオリジナリティが出ていると思います。
今度は三年生ですね。彼らの新しい物語、楽しみです。
そろそろ勇花の登場する話も読みたいな。
レンタル・マギカ
魔法使いVS吸血鬼!
著:三田誠 角川スニーカー文庫
いよいよいつき達も二年生に――そして、物語も第二段階へ。
いつきが自らの力で戦えるようになったことや、妖精眼が使いこなせるようになりはじめたこと…彼の成長を再確認しつつ。
そして、アストラルが徐々に『心地よい』だけではない組織へと変わり始めたことをみたり。
彼らはだんだんとステップを上がっていきます。
そして、そのステップアップの象徴が『オルト』です。
これまで猫屋敷一人で会社の資金繰りに走り、協会と渡り合ってきたのですが、これからは『オルト』が彼の手腕を助けていくことでしょう。
オルトの存在により、穂波ですら戦慄する企業改革(笑)が始まりました。
そして、裏で暗躍する『オピオン』にも、一つの変化が――。
そして吸血鬼伝説。
扉絵にも描かれていますが、現在の『吸血鬼』の概念はせいぜい90年程度の歴史しかありません。
その概念のもとになった伝説にも触れつつ、レンタルマギカらしい『吸血鬼』を巡る物語が始まります。
そしていよいよ、アニメですね。楽しみです。
レンタルマギカ 魔道書大全
著:三田誠 角川スニーカー文庫
今回はイラスト集&短編二本のセットです。
過去のイラストの一つ一つに物語が感じられ、『アストラル』のメンバーの生活が垣間見えるようです。
それだけに、pakoさんの病状は心配されるところ。体調も、イラストの完成度も完全復活を願うばかりです。
絵本タッチの短編も、ちょっと楽しく。
そして、ギャグテイストの短編も楽しいです。
もともとが無理難題(どんな難題かは、読んでからのお楽しみ!)から生み出された作品なので、むしろアニメに近い展開かも(苦笑)。でも、ちゃんと原作らしい文章なので、その辺はご安心を。
レンタルマギカ
妖都の魔法使い
著:三田誠 角川スニーカー文庫 角川書店
三田さんの手腕を思い知らされた気がします。
実際の倫敦ではなく、『物語の舞台としての倫敦』を描きだすことに特化した描写には、思わず唸らされました。
この物語の中の倫敦は、確かに異国の匂いがしながらも、私が旅行で訪れた街とは全く違いました。
物語は第二部に突入することにより、緩やかに変質していきます。
その変質の中で明らかになるのは、穂波のもう一つの因縁。
そして『協会』と『禁忌の蛇』という、二つの化け物による巨大な戦い。
その中に巻き込まれ、翻弄される小さな『アストラル』。
その流れの中で、いつきは『社長』としての戦いを自覚させられます。
それぞれの無力さを思い知らされながらも、彼らは自分の足りない部分を自覚していくのです。
イギリス・ファンタジー好きとしては、また一味違う物語に嬉しくなりました。
レンタル・マギカ
魔法使いの記憶
著:三田誠 角川スニーカー文庫
<魔法使いの査定!>
みかんとオルトヴィーンにスポットを当てた一作です。
みかんという最年少者の視点から、年少組の精神的な成長と変化を描かれます。
物語の視点が増えることで、また厚みが膨らんだ気がします。
みかんはラピスやオルトをつなぐ、もう一つの重要ポイントになりそうですね。
またこちらはCDドラマの第一巻の続きの話にもなります。あわせて楽しんでくださいね。
<魔法使いの代理授業>
長編『妖都の魔法使い』の後日譚になります。
それと同時に、Comic版『レンタルマギカ from Solomon』第一巻のエピソードの続きにもなっています。
Comicの方のエピソードはすっごくお気に入りで、『彼』の再登場はほんとにうれしかったです。
物語自体も素敵です。
<魔法使いの約束>
英国魔法物語、第二弾。
<代理授業>での魔法学園といい、鉄道といい、森といい、ハリーポッターを彷彿とさせますね。
序盤はケルトの歴史にも触れられ、清浄な雰囲気で心地よいです。
そしてこの物語で、穂波もまたいつきと深い因縁を結びます。
穂波とアディ、この二人がそれぞれに結ぶ糸が、これからどういつきを救うのか、どきどきしています。
<魔法使いの出会い>
そして、『アストラル』の始まりの物語です!
『父親世代からの因縁』というキーワードは、個人的には大好き(嬉)。
それがとうとう、父親側から描かれるようになって、わくわくが止まりません。
そして『あの人』の昔も描かれ、謎も更に深まります。
どうしてあの好人物が、こうなってしまったのか。
そこに、いつきやフィンの未来への答えがあるのかもしれませんね。
レンタル・マギカ
ありし日の魔法使い
著:三田誠 角川スニーカー文庫
十二年前の『先代アストラル』の物語。
大人達の渋くて苦くてスタイリッシュな雰囲気は、今のアストラルとは一味違う魅力に満ちています。
目玉はやはり、これまで謎だったいつきの父、司の登場です。
既刊を読んで思っていたのは、『息子に全てのトラブルを用意してきたような、無責任にして冷徹な父親』というもの。
しかし今回の物語を読んで、そのイメージが一新されました。
いつきと対照的でいて、根本の同じ父親。そんな彼と今をつなぐのは、『人を食った態度』と『シガリロ』……。
彼が遺したものは、いつきに未来を開くに違いありません。
また、ここではアディ、オピオンとの因縁も記されます。
意外な猫屋敷の『真実(ほんとう)』と共に、見届けてください。。
レンタル・マギカ
魔法使いの妹
著:三田誠 角川スニーカー文庫
――前回のイギリスたっぷりのお話とは代わり、日本の『現実と非現実』を描いた、暖かい作品が2/3を占めました。
残りは――最後の異色作をお楽しみに。
<魔法使いの家庭訪問>
こういうお話を見たかったんですよね。
家庭訪問のうらら先生がかわいくて仕方ありません。ハンドルネームと一緒なのも、親近感が湧きます。
オルト君の非常識っぷりがいいアクセントです。
<魔法使いの告白>
いよいよ、伊庭勇花の登場です!
いつきが電話だけでも振り回されてしまう義妹。
彼女の口からこぼれるのは、二つの告白。
単なるドタバタのようでいて、シリーズの重要なキーワードが散りばめられている作品です。
しっかり見届けてください。
<魔法使いの夏休み>
何よりも日常に近い場所にあるアストラルだからこそ、その大切さをよく分かっているのでしょう。
けれど、ひたひたと迫ってくるのは『日常との別れ』。
そんな中、ただ一途に日常を取り戻そうとする穂波が、まるで夏の日のようにまぶしく感じられる一遍です。
<魔法使いと盲目の蛇>
――そして、アストラルの日常の崩壊を告げる、もう一つがこちら。
ツェツェーリエという、フィンを拒絶できる唯一の存在を中心に、『銀の騎士団』という新しい結社の紹介も兼ねた作品です。
『キリスト教ネタ』好きとしては、「待ってました!」と言いたくなる作品。
クロエの再登場が待ち遠しいですね。
レンタル・マギカ
旧き都の魔法使い
著:三田誠 角川スニーカー文庫 角川書店
そして、『レンタルマギカ』第二部のクライマックスへ。
アストラルで一番謎の多い猫屋敷にスポットを当てつつ、更に物語全体を貫く深い謎へと迫っていきます。
――明かされるのは、いつきの眼の秘密。そして猫屋敷の過去物語が、今につながっていきます。
伏線がどんどん回収され、思わぬところでつながっていくのにドキドキです。
猫屋敷の決意――人外の知識と力と心を植え付けられながらも、それでも人として生きようとする彼の強さが見どころでしょうか。
それと同時に、少年少女達の最後の日常が愛おしいです。
第二部のクライマックスにふさわしい、巨大な三つ巴の戦いが始まります。
張り巡らされていたのは罠。中心にいたのはいつき。
政治的にも戦闘的にも知略戦敵にも絶望的な状況へと陥ります。
この状況をどうやって切り抜けるのか、続きを早く読まなくては。
レンタル・マギカ
滅びし竜と魔法使い
著:三田誠 角川スニーカー文庫 角川書店
――第二部ラストは激震の展開となりました。
かつてないアストラルの危機。それに対し、それぞれが選択し、代償を支払います。
守るもの、守れなかったものの重さが、最後に苦く響きます。
そして最後にいつきの大きな成長が見どころでしょうね。
ずっと嫌がっていた魔法の世界を、自らが選んで関わると宣言するシーンは圧巻。
その言葉は、アストラルの関係者だけでなく、その他の結社やフィンすらも動かしていくのです。
そう、<螺旋なる蛇>の掲げる甘く致命的な大義すらも掻き消してしまうまでの、唯一の理想を打ち立てるのです。
京都という独特の土地での、苦い戦いを見届けてください。
そして、全ての上げ底を取り上げられ、自らの力で立つこととなったいつきの第三部での戦いを見届けたいと思います。
余談ながら。
自分と同等の呪力しか持ち合わせていないジェイクと出会った石動圭の今後。
彼の呪力コンプレックスと、それを裏返した魔術の才への誇り。
その二つをまとめて打ち砕くジェイクの存在は、彼をどんな風に変えてくのか。すごく気になるところです。
レンタル・マギカ
銀の騎士と魔法使い
著:三田誠 角川スニーカー文庫 角川書店
いよいよ第三部、開幕です!
第二部の出来事を受け、第三部で配置や見た目の変わった人も多いです。
でも一番変わったのは主人公でしょうか。
内面的な気質は一切変わっていないけれど、彼の心には大きすぎるまでの痛みがあります。
その痛みが、待ちから攻めへと彼を変えます。
不条理な魔法使いの世界へと積極的に関与し、すべてを知ろうと動き出させるのです。
右目が与えてくれていた力も人格も無い今、いつきはこれまでの年月が培った信念と知識、力を試されるようになったのです。
それはこれまでの経過を見ていた読者も、成長を実感できると思います。
また、アストラルにクロエが合流。
前回の短編での出来事が残した彼女の傷と、それゆえの暴走も見所かもしれませんね。
そしていつきの人たらしっぷりが彼女に与えるのは?
切り札ともいえる魔法使い達を失い、以前よりも立場をなくしたアストラル。
それでも諦めないいつきが巻き起こす逆転劇をどうぞお見逃しなく。
レンタルマギカ
白の魔法使い
著:三田誠 角川スニーカー文庫 角川書店
今回は英国、大英博物館が舞台。
アストラル、<螺旋の蛇>、それにアディと猫屋敷と穂波に、ダリウス。
総登場で送る今回は、これまでの物語の展開を大きく変えるターニングポイントになります。
いつきが踏み込んでいくのは、陰謀渦巻く魔術界。
そこはこれまでのように、依頼を受けて解決していくというフォーマットなど存在しません。
彼自身が物語を大きく動かす姿は、これまでのいつきを知っていれば違和感があるかもしれません。
ですが前回の物語で描かれた内面故と思えば、応援せずに居られません。
何度も何度も『己のエゴ』と向き合いつつ、その責任を問いながらも前に進む姿には、
魔術の才を持たぬ魔法使いとしての矜持すら感じられます。
<螺旋の蛇>からの初登場キャラクターも含め、これからの展開が見逃せません。もうすぐ発売されるはずの続編が楽しみです。
レンタル・マギカ
魔法使いの妹、再び
著:三田誠 角川スニーカー文庫
<魔法使いの妹、再び>
読者からの人気も高い、伊庭勇花が再登場。
ここ最近の怒涛の展開から久しぶりに息を吐き、アストラルのドタバタ騒ぎ(クロエのコメディエンヌっぷり)を楽しむことができます。
むろん、それだけでなく。
“怒涛のように変わってしまった何か、これから変わるかもしれぬ何か”を巡るほろ苦さを感じることができる一編でもあります。
<魔法使いの罰>
次の長編の前哨戦ですね。
ここに来て初登場や思わぬ再登場キャラクターが沢山登場します。
それと同時に、今の穂波の心情や葛藤も細やかに描かれます。
魔法使いを罰する魔法使い、穂波と猫屋敷のコンビの活躍をどうぞお楽しみに。
<魔法使いの思い出>
久しぶりの過去編ですね。
隻連とオズワルドという不思議な友人関係や、ソロモンの魔術の悲劇性、そしてアディリシア一族の秘密を紐解いていきます。
第一話につながり、そして未来へと続く物語です。
個人的にオズワルドがすごく魅力的で、アディが父親を敬愛する理由がとても良く分かる一編です。
レンタル・マギカ
争乱の魔法使いたち
著:三田誠 角川スニーカー文庫
いよいよ、物語が結末に向かって走り出しました。
協会と『螺旋なる蛇(オピオン)』が争う『大魔術決闘(グラン・フェーデ)』がこの巻から始まります。
前巻まで読んで『メインは協会とオピオンかぁ。出向組が頑張る話かな』と思ってのんびりしていたら。
決闘の勝利条件を見て絶句。うん、これはあくまで『アストラル』の話なんですね。
アストラルだけでなく、これまでの物語に登場したいつきの友人たる魔法使いもどんどん関わっていきます。
これまでの物語の終着点としての戦いに恥じない、派手な展開に。
ガラvs.ダフネと言ったサイドストーリーも盛り上がり、伊庭司も再登場。三竦みどころでない複雑な状況の中から、更に過去の因縁や血のつながり、師弟のつながりなどがからまりあい、混沌へと突入。
されど間違いなく聞こえてくるのは、混沌が求める決着への足音。まだまだ目が離せません。
レンタル・マギカ
死線の魔法使いたち
著:三田誠 角川スニーカー文庫
『大魔術決闘(グラン・フェーデ)』編、第二巻。
今回のメインは『12年前の真実』。全てが始まった事件の秘密――いつきの瞳の紅い種の、幽霊屋敷の、伊庭司の失踪、影崎の秘密がとうとう明かされます。
それと同時にアディリシアの最後の切り札が切られ――。
全ての伏線が絡み、一気に真実に迫る興奮と。
アディリシアがいつきを失わない為に選んだ悲劇と。
波乱の戦闘を挟みつつ、息を吐かせぬ展開が続きます。
そして次は最終回。彼らがどんな結末を掴みとるのか、目が離せません。
レンタル・マギカ
最後の魔法使いたち
著:三田誠 角川スニーカー文庫
ここまで読んできた方なら、決して期待を裏切られないフィナーレが待っています。
個人的には柏原さんです!
彼を救うための、父の決死の行動、そして黒羽の言葉。そしてそれらが結びついて生まれる結果。
そのすべてが本当に本当に、泣くほどツボに入りました(ネットゲームで、似た様な人のバッドエンドを見てしまったので)。
後は、お気に入りの圭が、自分の意志でアストラルの為に動いてくれたのが嬉しかった!
この後も圭は柏原と一緒に動いてくれるといいな……と本気で思います。
また、まさかのダリウスの魅力発揮とか、オピオンさえその生き様が魅力的に見えてしまったりと、『どちらも助けたい』といういつきの信念が間違っていないと確信できるところが凄いです。
魔法の『社会』、『会社』という側面も最後まで忘れられない点も、まさに『レンタルマギカ』らしいです。
そして主人公の恋愛関係も本当に綺麗に収まり、それが更なる奇跡を生みます。
ほぼ全ての因縁に決着がつきますし、アストラルの為に集った全員の見せ場もあります。
全部の流れが大きくうねり、一気に収束され、ラストの一戦に集うのが見事。
どうぞ、魔法使いの派遣会社の扱う事件、その最後まで目を逸らさないでください。。
レンタル・マギカ
未来の魔法使い
著:三田誠 角川スニーカー文庫
前回のエピローグから二年。
新しい主役を迎えて、物語は世代交代の予兆を描き出します。
自分が何故ここに居るのか、反発を隠しきれないセリム――それはいつきや猫屋敷の最初期を思わせるようで。
そんな彼が、みかんとラピス、二人の魔法使いや、そのほかの多くの魔法使いと交流することで最初の一歩を踏み出す物語になっています。
さりげなく圭さんの精神的な成長やら、魔法での大活躍が見れたのも嬉しかったり。
前回の大魔術決闘の余波から生まれる物語、その始まりを垣間見。
そして終わりを迎えたいつきと周りの物語のその後を追いかけて。
素敵な余韻がここに詰まっています。どうぞ、最後の一滴までゆっくり楽しんでくださいね。
webラジ voice theater「レンタルマギカ」魔法使いの宴
小説『レンタルマギカ』を原作とし、オリジナルの物語を展開するCD第一弾。
不覚にも、泣きました。
『目で追う』小説ならともかく、『耳で追う』CDドラマは、涙腺を直撃しました。
なまじ自分が知っている文化背景と、登場人物のレゾンテール(存在理由)に絡む話は、やっぱり胸に突き刺さります。
1980円でこの長さ、この内容ならば、個人的には大満足です。
音声で聞くと、呪文も迫力があるんですよね。
…いつきの俳優さんが『××holic』のワタヌキだったことには、結構びびりましたが(笑)。なまじ似ている役どころは避けてくださいよ…。
日本人に馴染み深い『神道』の秘密、皆さんも触れてみませんか?
webラジ voice theater「レンタルマギカ」魔法使いのススメ
今回はショートショート三本と、前後編が一本。
短いお話は、キャラの魅力を追いかけるのが中心です。その意味では成功しているかな?
『コンピュータ』絡みのお話は、短いながらもいつきの活躍や、新しい魔法のギミック、キャラの設定も出てきて面白かったです。短いながらも、満足度があります。
しかし、『コンピュータと魔法』の組み合わせって、アンバランスさがやっぱり面白いですよね。)。
レンタルマギカ1
原作/三田誠 作画/成宮アキホ 角川書店
安心して見られる絵と、原作よりも少しコミカルな展開が印象的な一冊です。
いつきの父親へのツッコミには笑いました。
原作者への協力と、原作への愛ゆえか、そのイメージを壊さず、むしろうまく膨らませることに成功しています。
続刊が楽しみです。
レンタルマギカ2
原作/三田誠 作画/成宮アキホ 角川書店
漫画と小説、その情報媒体の違いを考えながら読んでしまいました。
今回は原作第一巻の後半、アニメでは第六話のエピソードです。
個人的には、アニメよりも漫画の展開やせりふ回しの方が好きかな。
やはり『等価交換のもう一つの意味』はカットされたけれど(泣)、『紅い種』の扱いは原作どおりなのは良かったです。
マンガオリジナルの、『父親への恨み節』も健在で、かなり笑わせてもらいましたしね。
追記:…ラスト3ページを読んで、思わず噴きました。
ああ、だからアイドルに食料品を送るのって禁忌になったんですよね…(遠い目)。
レンタルマギカ3
原作/三田誠 作画/成宮アキホ 角川書店
原作のコミカライズ版、第三弾。
驚いたのですが、後半は『竜と魔法使い』編に突入しています。 ということで、『彼』も登場です。
マンガ版では『黒羽に実体が無いこと』にちゃんと説明を付けています。
……アニメでも原作でも説明が無くて、『矛盾している』と散々突っ込まれた部分ですね。
それについては、思わず納得しました。
マンガ版オリジナルの部分もあり、裏側のいつきもかっこよかったりして、こちらのバージョンも嫌いじゃなかったりします。
レンタルマギカ4
原作/三田誠 作画/成宮アキホ 角川書店
ということで、コミック版『龍と魔法使い』編の終了です。
やっぱり駆け足気味なのがちょっと残念。
アニメ版に順守しての夜景が、ちょっと嬉しかったかな。
また、オリジナルの日常話もあって、そちらはいい感じです。
原作がどんどんシビアになってくる分だけ、こう言った話をどんどん増やしてほしい気がします。
レンタルマギカ5
原作/三田誠 作画/成宮アキホ 角川書店
コミック版レンタルマギカ最終巻です。
やはり原作のエピソードを一気に走り抜けた感じがありますね。
ただ、ページ数に対して伊庭司の描写がかなりたっぷりで、その辺りはかなり嬉しかったですね。
レンタルマギカ from SOLOMON1
原作/三田誠 作画/MAKOTO2号 角川書店
レンタルマギカの外伝として描かれるシリーズです。
いつきの盟友でもあるアディリシアを主人公に、『より深く魔法に染まる者』を描いた作品となっています。
原作の設定を生かしつつも、『アディリシアの過去』や『ゲーティアの中で起こる出来事』などを描いていて、オリジナルの部分もとても面白かったです。
いえ、むしろ原作からより深く掘り下げている部分もあったりします。
この展開なら、原作にもいい意味で影響してくれそうです。
作画のレベルもとても高く、安心して読めました。
魔神のデザインはアニメからの流用かな?
カバラ使いの少年は原作にも出てきてほしいですね。
次回がとても楽しみです。
レンタルマギカ from SOLOMON2
原作/三田誠 作画/MAKOTO2号 角川書店
レンタルマギカ外伝コミック第二巻にして、完結編です。
個人的には『え?もう終わりなの!?』とびっくりしています。
アディの心を主軸に、ソロモンの魔術を巡る物語が描かれていきます。
三輪先生の監修もあり、魔術的なエピソードとしても読み応えがあります。
二巻になり、アディの心は激しくかき乱されることになります。
それを支える、いつきと穂波との絆――。
本編にも負けないクライマックス、見届けてください。
S RED
ザ・スニーカー100号記念アンソロジー
著:吉田直&安井健太郎・三田誠・岩井恭平・林トモアキ・沖方丁・森岡浩之
角川スニーカー文庫編集部=編
角川スニーカー文庫 角川書店
『トリニティ・ブラッド』と『レンタルマギカ』、私の大好きな二作品が載っていることから購入を決定。
実際に読んでみると、『消閑の挑戦者』も『オイレンシュピーゲル』も面白そうで、すごく気になりました。えー、これ以上読むものを増やしても読み切れないので自粛しますが(汗)。
……でも、私が個人的に好きだった短編はBLUEの方にも載っていないのが残念。そんなに『超能力×諜報機関』ネタって需要が無いんですか(涙)。
<トリニティ・ブラッド
appocrypha Hard Rain>
……ああ、やっぱり違う。
亡き著者の親友が筆を取ったとしても、やはり文体が、エピソードの描き方が。
最後のトリニティ・ブラッドということで、大切に読み進めました。
その愛しさが、いつしか切なさに変わり……読み終わったとたんに泣きそうになりました。
代筆してくれた安田さんも今は休筆して久しく、続編を読める可能性は閉ざされたままです。
それでも。
このお話が読めたことは本当にうれしい。収録してくださって本当にありがとうございました。
<レンタルマギカ
魔法使いの祝祭>
魔法をめぐる物語の短編です。
本編は第三部に突入してどんどんハードになっていますが、こんなにふんわりとした展開も『レンタルマギカ』の魅力ですよね。
また、魔法の理論がこのお話にも散りばめられてたり、アディと穂波の友情と恋愛もしっかり描かれていたり。……珍しく穂波が可愛いのもポイントです。
この物語、一読の価値あり、です。
<消閑の挑戦者
夏のドミノ>
シリーズの主軸である、”超飛躍(ウルトラジャンプ)”と呼ばれる能力と、その持ち主達の特徴についての説明に当たる短編です。
うん、どちらもすごく面白いギミックですよね。
むろん、小説である以上はギミックとは別にテーマがあるべき……とは他人からの受け売りの言葉ですが。
道徳心や倫理観の欠如してしまった少女が周りの人と関わる姿に何を感じるか、それを問われているように私は思いました。
<パリエルがしがしいきましょう>
ほのぼのとブラックユーモアの融合した、不思議なファンタジー。
読み終わった後で、ほんわりした気分になれる一編です。
<オイレンシュピーゲル
三匹のタンタン・タカタカ・タンタンタン>
完全に腐敗した社会と、その警察に属する三人の少女の物語。
SF的なフレーバーも、視覚的な要素も、過激な言葉も、この物語の本質では無いんですね。
ヒロイン達の必要以上に退廃的な服装も、過激すぎる言動も、社会の歪みや心の悲鳴に直結している必然性がある故のもの。
彼女達の目に余る『悪ふざけ(オイレンシュピーゲル)』が、実は悲壮な生い立ちや現状からくる悲鳴であり、その理性と感情をつなぎとめるための行動であるのが悲しいですね。
序盤の数ページで眉根を潜める人も、きっと終わりの頃には彼女達に共感することでしょう。
<いつものように爽やかな朝>
個人的に最も苦手とする内容なので、レビューは割愛。
読むんじゃなかった。(←トラウマが増えて号泣中)
クロス×レガリア1
吸血姫の護りかた
著:三田誠 角川スニーカー文庫
『レンタルマギカ』シリーズと非常に緩やかにつながる物語です。。
『――マギカ』のように古今東西の知識や情報量に骨の髄まで浸って謎を解く楽しみこそありません。その代り、さっくり読める爽快さが魅力です。
今回は『千円ボディーガード』の少年が主人公。前作のように沢山の仲間が居る訳ではないです。
こちらでは進み過ぎた科学と遥か古代の中華の兵器が、現代で交錯します。
そんな中で“生身の人間”でしかない少年がずたぼろに傷つきながらも、一つの選択をする……というのがクライマックスです。
マギカを知っていれば、ヒロインの正体や、“白爺”に思わず思い浮かべる者もあるのでは。
自らの運命を押し付けられる事の痛みを知り、それに抗う少年が、定めを縛られる少女に出逢った時。物語は始まります。
いつきとはまた違う“心”の持ち主の成長を楽しんでください。
クロス×レガリア2
嵐の王、きたる
著:三田誠 角川スニーカー文庫
前回が『古代中華×科学』なら、今回は『古代大和×科学』でしょうか。
中国の“鬼”と日本の“おに”、同じ語源なのに全く異なる存在と概念となった二つ。この違いを設定として昇華した点が嬉しかったです。
やはり白翁六家の紫藤は、『マギカ』のあの人と関係があるのでしょうか。
馳郎が継ぐ白翁に潜む、深い歪みの一端。それが浮き上がり始めます。
嵐の王に如何に抗するか、お楽しみに。
クロス×レガリア3
滅びのヒメ
著:三田誠 角川スニーカー文庫
一番の見所は蓮花の心情の移ろいですね。
傲慢で真っ直ぐで他人を傷つけることを厭わない。故に他者から嫌われやすく、それでもなお変えられない自分を持つ少女。
そんな彼女は『人間』である馳郎に理解されることで、彼に対する感情を変えていきます。
その一方で進展する『吸血事件』。新しく登場する事件関係者たちも強烈です。
超有名な『あの人』のほか、ナタ・馳郎それぞれの因縁の相手、そして『魔法使い』も登場します。
複雑に入り組んだ人間関係や組織の関係が少しずつ浮かび上がります。
上下巻の前半戦、どうぞ楽しんでくださいね。
クロス×レガリア4
死神の花嫁
著:三田誠 角川スニーカー文庫
前回ラストに登場した灰岡ジン、その正体と馳郎との因縁と対決を巡る巻。
ナタと馳郎、ジンとウー、二組の対決。その渦中に、彼らの運命――天道を操ろうとする太乙真人、鬼人、そして魔法使い達が巻き込まれ、一つの決着へとなだれ込みます。
マギカと違い、少年少女の心の移ろい、或いは異常な心に驚きつつ、一気に読み進めるのをお勧めします。
クロス×レガリア5
海神の遺産
著:三田誠 角川スニーカー文庫
一夏の明るいオールキャスト番外編、に見えてやっぱり重要な回。
新しい物語の設定の開示や新たなる登場人物の出現、レギュラー陣の設定の開示など、伏線も盛りだくさんです。
また、今回は『人はどう生きるべきか』という主題の提示も注目です。
環境や能力で定義される『人の在り方』。その定義すべきものが自由になってしまう程の『力』や『寿命』が手に入ってしまったら? 人は自分をどう『在る』べきか定義できるのか?
朱蓮花の小説の語りこそ、その一つの答え。彼らはその問題提起にどう答えるのか、そしてその答えは変わっていくのか。
それがとても楽しみです。
クロス×レガリア6
海神の遺産
著:三田誠 角川スニーカー文庫
今回のメインは月白と薄墨。
六家の中で陰謀を巡らす月白弦摩が登場し、薄墨の暗部が描かれます。そして同時に、灰岡ジンの周りでも人間関係が変化していくのです。
似た者同士で惹かれ、結びついていく灰岡の勢力。二つを転がそうとする月白とその胸の奥で眠る思い。それらを垣間見、悩む馳郎。
群像劇の役者が少しずつ揃っていくのを、ぜひ楽しんでくださいね。
クロス×レガリア7
女王の領域
著:三田誠 角川スニーカー文庫
物語は、いよいよクライマックスへ。
冒頭から始まる「六家総会」に投げかけられる『戦争』という議題。
その始まりを裏切らず、物語は一気に決戦へと向かいます。
姿を消したリコと北斗、物語に絡んでくるジンとウー。
そして女王の登場と、戦争の始まり。
そして馳郎は己を取り巻く恋によって、決定的な転機を迎えることになるのです。
どうしようもなく切なくてまっすぐな想いが起こす、奇跡。
これまでの伏線が結実するラストも、どうかお見逃しなく。
クロス×レガリア8
王威の決戦
著:三田誠 角川スニーカー文庫
前作のラストに起こった、己の『決定的な変化』。
そして、自分のエゴの限界に打ち砕かれた心。
劇的な二つの変化を受け止めながら、馳郎は運命の始まりと向き合うために、ある人物の力を借りることに。
これまでの生き様を見据えて更にその先へ。リコの科学も鬼仙の力もおにの能力も十二分以上に惹きだして、更なる可能性をかけて、決戦へ!
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