その14



車から降りてきたのは、格好のいいアメリカ青年である。
彼らはカヌーの準備をしている。
準備している中に、水中銃が入っているので、何をするのか聞いてみたら、これから外海に出て漁をするらしい。
あの大きな波に出て行く勇気は、私には無い。

しばらして準備が終わると、車を駐車場に入れて戻ってきた。
二人は静かにタートルベイからカヌーを漕ぎ出した。
海に向かって左側(ホテル側)で、しばらく波の様子を見ていると、1艘は勢い良く漕ぎ出して、外海に出て行った。
私はハラハラしながら見ているしかない。
カヌーは波の間に入り見え隠れして、どんどん遠くへ出て行った。
その間もう1艘は、湾内で待機していて、見ている。
2艘目のカヌーが、勢い良く漕ぎ出した。
大きな波が来て、そのカヌーは波に呑み込まれ、一瞬見えなくなったが、出てきたらひっくり返っていた。
あれ~と思って見ていると、彼はくるっと元に戻り、また漕ぎ出して外海に出て行った。
あんなに波が大きくて、漁が出来るのかなと思ったが、何の漁なのかを聞くのを忘れていた。
その間約1時間、なんて野次馬なんだろうと思った。

ゆっくり食休みを取ったので、また海に入る事にした。
魚の餌付けは禁止されているかも知れないが、Aちゃんと2人でパンを海に持ち込んだ。
魚が寄って来る寄って来る。
楽しい、面白い。
側に、先程来た日本人の若い女性がいたので、パンを分けてあげた。
Aちゃんから「若い女性には親切なのね」と言われてしまった。

2時半になったので、帰る準備をした。
服をトイレで着替えてシュノーケルを返しに行ったら、日本人の男性がサンゴ礁で怪我をしたらしく、足の中指の爪がはがれて血が出ているので、初日にJCBプラザでもらったウエットティシュとバンドエイドをあげた。
外れの景品でも役に立つ事があるもんだ。

3時にザ・バスが出ると時刻表に書いてあったので、当てにしないで停留所に行ったらバスは待っていて、3時ちょうどに出発した。
52番のバスなので、来た道を戻るのかなと思ったら、ホテルの敷地を出たら左に曲がり、反対方向へ向かった。



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