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さすがに書いている自分もうんざりしてきましたので、ここら辺で完結編とします。もう経過はやめにして、今現在どうなっているかだけを書きます。まずY社員。勧告文に署名のあった弁護士を代理人にするということなんですが、こいつがまたトンデモ弁護士。調べたところ一応弁護士であることに嘘はないんですが、弁護士資格を取得したのが一昨年という、全然実績も何もない奴(それがイカンというわけではないですが)。ホームページで無料相談の看板を上げていたらYがひっかっかった模様。Yからあることないこと吹き込まれて、裏付けも何にも取らずに言われたままの勧告文を送ってくる間抜け弁護士です。それでも代理人だというのでコイツを介してYに事件の経緯を話させようとしたところ、とにかく動かない、話にならない。どういう契約かは知りませんが、おそらく無料相談からの駆け込みですから大した料金も取れていないんでしょう(もしくはここまでボランティアか)。こちらの言い分をYに伝えてくれと言ってものらりくらり訳の分からない話をするばかりで、だったらこの件から降りればいいのにそうはしない。なんだかんだと理由をつけてワタシと会おうともしません。それじゃ代理人にならないだろう。そっちがそうならこちらもそうお人好しではいられません。「まじめに仕事をしていたがプロの詐欺集団に騙された」というのなら会社も社員を守る義務があると思いますが、社内にまったく伏せたまま大口の取引を進めて勝手に騙されたんですから、会社は「知らん顔」をしてもいいんじゃないかと。もちろん仕入も社内の承認を得ずYが勝手に発注しています。だったらYさん、あんたが仕入先にお金を払いなさいよ、と言ってやりたい。実はYの野郎、騙されただけならまだしも、さらにとんでもないことをしていたんです。「札幌の会社」とのメールのやりとりを確認しようとYのデスクトップPCを開いてみると、「札幌の会社」に出したメール、届いたメールが何ひとつない。Yがメールを使わない人間であったかというとそういうことはなく、他の客や仕入れ先とのメールは結構几帳面に残っているんです。ってことは、証拠隠滅しやがったな。「私が札幌に行ってきます!」と社長の前で大見栄を切って飛び出して行った日(Yの最後の出社日でもありました)、あの野郎はおそらく自分のPCから「札幌の会社」の記録をすべて削除したんでしょう。そういえば突発的に飛び出した割にはほとんど職場に私物は残っていませんでした。しかし被害者が証拠隠滅するとは聞いたことがありません。これは「共犯」と思われても仕方ないぞ。そして「札幌の会社」ですが、訴えるにもコトの経緯が不明なのでどうしようもないんですが、さすがウチの社長、泣き寝入りはしません。自分で札幌まで行って代表者をふんづかまえ、いついつまでに商品の代金は払いますという公正証書に判を押させることに成功。まあしかし、もうその期日はとっくに過ぎているんですけども。代表者はいくら何を言ってものらりくらり逃げるばかり。ワタシに行かせてもらえれば銀行口座を押さえて連帯保証人もつけさせるんですが、わが社長、それを忘れていたようで…。ダメじゃん。言うことをきかなければ詐欺で訴えるぞとハッタリをかませばいいと思うんですが、公正証書をまいただけで満足して帰ってくるとは。しかも向こうが公正証書に応じたということは、「今回の件は詐欺ではなく、お金が払えないだけです」というのをこちらが認めたことになるわけで、犯罪として訴えることもできません。ということでこちらも暗礁。とりあえず仕入れ先には100万円以上の代金を払いました。これの何割かをYに負担させたいところですが、…無理でしょうね。「札幌の会社」はいちおう大人しくしているようですが、おそらく別の名前で会社を立ち上げてまた似たようなことをするんでしょう。同業者の皆様、札幌の会社から大口の注文が入ったらご用心ください。結局ワタシのトラブルバスターとしての仕事はほとんど成果をあげられず、今後の仕事はネットショップの処分ということになりました。たった一人の担当者がいなくなり、また人を雇って運営する手間とコストを考えたら、ショップはもうだれかに譲渡をしたほうがいいという判断です。まあケチもついてしまいましたからね。というわけで、今はネットショップの引き取り手を探しています。余談ですが、Yが退職願を会社に郵便で送ってくる前日、ハローワークから電話がかかってきて「Yさんに離職票を発行してください」と叱られてしまいました。どうやらYは本気で退職願を書かなくても辞めたことになると思っているらしく、ハローワークに手続きをしにいったら離職票ありますかと聞かれてびっくりしたようです(例によってブラック企業に一方的にクビを切られたとか訴えたようで…)。なんかもう、バカもここまでくるかという。
2009年12月23日
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まだ続いてます。とりあえず名刺など差し出して自己紹介。Kさんはバイトなので名刺は持っていないし、向こうの親父はもうリタイアしているのか名刺は持っていないし、ワタシ一人が親父と嫁さんに名刺を配るというなんか妙な光景。席につくと先に口を開いたのは向こうでした。Yではありません。親父です。「お宅の会社は基本的に信用ならんのですよ」と。そりゃそうでしょう、親父の情報源は息子だけだし、息子は自分に都合のいいことしか言わないでしょうし。想像はつきましたが、「と言いますと?」ととぼけてやりました。「言わんでもわかるでしょう。社長が個人的に進めていた仕事で 失敗して、その責任をウチの息子にかぶせようとしているじゃ ないですか。さらには責任を感じている息子に犯罪者のところに 自腹で取り立てにいかせるとは無茶苦茶でしょうが。 そんな会社を信用できるわけがない。あんたもそう思いませんか?」そういう話になっているのか。親父はおそらく相当に興奮しているのをなんとか抑えているといった様子。必要以上に丁寧な言葉遣いをしますが、ときどき言葉が震えます。頭に血がのぼってぶっ倒れたりされたら困るので、挑発的な言動は慎まねばと心の中で方針決定。Yと嫁はうつむいたまま何もしゃべりません。「今日は息子はしゃべりません。しゃべったら、おたくらはまた こちらの揚げ足をとるようなことをするに決まってますからな」「(揚げ足って何だよ?)それじゃ何のために来たのか分かりません。 困ります」「困ってるのはウチのほうですよ。 息子があなた方のためにどれだけ悩んだか分かりますか? これ以上つきまとうなら出るところに出てもいいんですよ」「つきまとうも何も、Yさんはウチの社員です。 今日は平日ですから本来だったら会社にいないといけないんですよ。 札幌までの飛行機代だって交通費を申請すれば会社は払います。 Yさん、もう会社に出る気はないんですか?」「息子はもう会社には行かせん」Yに聞いたのに答えるのは親父です。「退職されるんですか?」「…そうだ」「では退職願を出してもらわないと」「書類は書かん。そういうものを出すと何をされるか分からん」「いや、あの、会社を辞めるには退職願が必要です」「そんなもんは知らん。とにかくウチは何の書類も書かんし、判も押さん。 自分の身を守るためだ」「退職するなら健康保険証も返してもらわないといけませんよ。 今お持ちですか?」「…知らん」息子が息子なら親父も親父、どうも思いつきでしゃべっているようで、こちらがちょっと突っ込むと「知らん」と黙ってしまいます。と言うより、親父自身も会社のルールそのものを理解していません。一見常識人ぽい身なりはしているんですが…、自営業か何かで会社勤めした経験がないのかも知れません。とりあえず退職を希望するならそれはそれで了解した、ただし退職するにしても引き継ぎは必要なので、Yしか知らない今回の詐欺事件について教えてほしいと頼み込むこと約一時間。しかし向こうは「知らないものは話しようがない」の一点張りです。(しかも口を開くのは親父のみ)仕方がありません。親や嫁の前で恥をかかせるのは可哀そうだと思いましたが、大人には責任というものがあります。これはこちらが許せば終わる「気持ちの問題」などではなく、金銭のからんだ「商売の問題」なんですから。ワタシは鞄から2通の書類のコピーを取り出しました。札幌の会社に踏み倒された150万円の取引の見積書と請求書です。いずれもYの判が押されており、「責任者」の判を押す場所は空欄のまま。これはYが独断で仕事を進めた動かぬ証拠です。「Yさん、これはあなたが作った見積書と請求書ですよね」泣こうがわめこうが容赦しないつもりでワタシは詰め寄りました。Yの目に「やばい」という色が浮かびました。その一瞬後。「帰るぞ」と親父が立ち上がりました。続いて立ち上がるYと嫁。「待って下さい。これはYさんが作った書類です。判も押して ありますよ。ちゃんと見てください!これでも今回の件は 知らなかったと言うんですか」こちらの言うことなど耳に入らないかのように、Y一行はそそくさと店を出ていこうとします。ワタシはKさんに支払を頼み、3人を追って駐車場までついていき、背後から声をかけました。「出るところに出るなら構いません。恥をかくのはそちらです」親父はYと嫁を車に押し込むと、こちらに向き直りました。「私もアレの親ですから、いろいろ問題があるのは分かっています。 ですけどもう放っておいてもらえませんか。お願いします」さっきとはうってかわって哀願するように頭を下げたのには驚きました。なるほど、親父も分かっているんだなとその瞬間理解しました。おそらくYみたいな輩が40年弱生きていれば、似たような問題をあちこちで起こしているはずです(セクハラ含め)。そのたびにこうして親父が相手を煙に巻いて息子を逃がしてきたんでしょうか。きたんでしょう。「ワタシだってYさんに恨みなんかありません。しかしYさんが口を 開かないと会社は大損させられて泣き寝入りするしかないんです。 客がお金を払わなくてもウチには仕入れ先に支払をする義務が あります。100万円以上の支払いですよ。 協力してもらえるなら社長はYさんをクビになんかしません。 ウチの社員だって、相手がプロの詐欺師だったんだから仕方ないと 言っています。Yさんでなくても今回の件は引っかかったかも 知れないんです。運が悪かったんですよ。 誰も責めたりしませんから、話をしてください」実際、セクハラ野郎に会社に出て来られても困るんですが、おそらく本人的に出社する度胸はないだろうと踏んでのハッタリです。とはいえ勢いでしゃべりながら、ワタシは何でこんなバカに気遣っているのだろうと情けない気持ちでした。親父は何か言おうとして言葉を探しているように見えました。そしてぽつりと「どんなにダメな子でも守ってやるのが親の務めです」そう言い残して車に乗り込み、自分でハンドルを握って駐車場から車を出しました。決めゼリフのつもりかよ…。支払を済ませてきたKさんとY一行の車をなすすべもなく見送っていると、駐車場を出たところで車が一人の初老の女性を乗せるのが見えました。「誰だろ、あれ」「たぶん母親ですよ、Yさんの。あたしたちの少し離れた席からずっと こっち見てましたもん」とKさん。なんと一家総出で「息子を守りに」来ていたのか…。数日後、Yから退職願と自分と家族の健康保険証が会社に送られてきました。封筒には手紙が入っていて、もしかしたら事件の顛末が書かれているのかと期待したんですが、そうではありませんでした。弁護士の署名の入った勧告文で、「もうY家には近付くな」という趣旨でした。なんとその文面には、ワタシとKさんがY家を予告なしに訪れ、大声で脅迫的な言動を発し、近隣にも迷惑をかけたということが書かれていました。うんざりしつつ続きます
2009年12月20日
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なんか楽天ブログにtwitterが相乗りしてますな。あれ、やり始めると気になってしょっちゅう見てしまうので、媒体的にはPVを増やす特効薬なんですよね。で、話はまだ続きます。今回終わるかどうか自信ありません。勝手にウマい話に乗って取り込み詐欺に遭い、収拾がつかなくなったら自宅に引きこもってしまったY社員。ウチの社長が相手だと怖がって出てこないので、ワタシがネゴシエーターに任命されたところまで話しました。とりあえず、バイトの女の子Kさんが電話すると一応は出るんです。とはいえ電話だけで、しかもKさんを介してこの複雑な事件の全容を聞こうというのも無理な話です。一度だけでいいから会ってくれ、3~4時間くれ。場所はどこでもいい。その時間だけ出てきてくれたらもうこちらからは接触しない。何度も電話で説得してようやくYの自宅と会社の中間点にあたるファミレスで会談を持つことになりました。もちろんその申し出に応じるまで、Yは渋りましたよ。インフルエンザにかかっただの何だのと理由をつけて出てくるのを嫌がり続けました。その彼を引っ張りだしたのは、とうとうキレたKさんの怒声でした。「グダグダ言わんと男やったら出てこいや!チ○ポついてんのかボケ!!!」(この時点で真のネゴシエーターはKさん)会談の場となる会場には、もちろん社長は行かないことを約束し、ワタシとKさんが向かいました。その途上、Kさんが思わぬことを言い出したんです。「実はYさんって、いろいろ問題あったんですよ」「今回の詐欺以外に?」「はい。舎路人さんが来る前に一人女の子のバイトが辞めてるんですけど それ、Yさんのせいなんです」「セクハラ?」「会社の帰りとか何回も待ち伏せされたりしたらしいです。それで、 その子ははっきり嫌って言えないタイプだったので、どこか連れて 行かれたこともあるらしくて」「ちょっと待て。それみんなは知ってるの?」「女子は知ってますけど、男の人は知らないと思う」「Yの野郎、たしかに見た目は優男だしな。Kちゃんには何もなかった?」「あたしははっきり嫌って言いますから」「知ってる」「でもあたしが入社したときにYさんは一応教育係だったんですよね。 まだあたしが何も分からないときに、わざと帰りの時間が遅くなるように 残業を言いつけられたり、そうやって職場に2人になるシチュエーションを 作ろうとされました」「そういう奴だったのか」ちなみにYは妻帯者、子供一人。社歴は1年半ほど。それまでウチで通販を担当していた人が退職し、後任者として中途採用されたとのこと。前に書いたように元は化粧品会社で通販をやっていたらしいんですが、仕事の能力について他の社員に聞くと「愛想はいいけど何も進まない」タイプだそうで、それまでの通販の売上を半年で半減させた実績を持っているのだとか。そりゃ会社に来てバイトの女の子を連れ出すことばかり考えてたら仕事は進まんわな。なので、会談前にYとどんな話をするか打合せをしたときも社長からは「辞めたいと言ったら止めなくていい」と言われていました。社長的、会社的には「これを機会に辞めてくれればそれはそれでオッケー」、みたいな感じでしょうか。しかしそういう社員の問題行動に気付かず、野放しにしてきた責任は社長にもあるといえばあります。などと考えながらファミレスに到着。Kさんと席について待っているとYがやってきました。一人ではありません。60歳くらいの男性と30歳くらいの女性を伴って、計3人でやってきたのです。男性は父親、女性は奥さんとのことでした。すみません、この続きはまた次回に。
2009年12月19日
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(続きです)えー、ここまでウチの会社が通販会社をターゲットにした取り込み詐欺にあったという話をしましたが、実は、ワタシが解決するように社長から命じられた「トラブル」とはそのことではありません。だってそうじゃないですか。どこに逃げたかも分からない、周到な準備をして、短期間に数社にそこそこのボリュームの発注をかけて商品を受け取ったら逃げるなんて、どう考えてもプロの仕業です。ワタシは決して探偵ではありませんので、犯罪の捜査なんてできるはずもありません。じゃあトラブルって何なのよ、という話ですが、ここからこの話の主役は「札幌の会社」の発注に対応したウチの通販担当者になります。年齢は38歳、男性。仮にY社員とします。ウチに来る前は化粧品会社で通販を担当していたとかで、なんとなくそうだろうと思わせる長髪、細面の優男でした。まあワタシは会社に入って間もありませんので、彼がどういう人物なのかは事件後に知ることになるのですが…。どうやら取り込み詐欺にあったらしい、と分かったときの彼の反応は素早いものでした。実はたまたま電話する用事があったとかで、支払い期限の数日前にYはすでに「札幌の会社」がいなくなっていることに感づいていたんです(彼なりに不安な要素はあったんでしょう)。そのことをYがウチの社長に告げると、前回話したように、社長は調査会社を使って「札幌の会社」を調べました。すると、その会社の代表者であるE氏の住所までは分かったんです。それを聞いたY社員は札幌まで行ったんですよ。「私の責任ですから私が回収してきます!」と。ほほー、立派じゃんと一瞬思いましたが、しかしプロの詐欺集団の親玉の家に乗り込んで「金払え」と言ったら払うのか、ちょっとそりゃ無謀じゃないのかと思いましたね。しかしYはなんと自費で飛行機に飛び乗り、その日のうちに札幌に到着。ウチの社長は別にそんなことを頼んでいませんが、行ってしまったのだから仕方がありません。とりあえず、「まさか大阪から来るとは思っていないだろうから迂闊に出るな。自宅近くに張り込んで本人確認と行動把握に専念しろ」と指示。なんとなく刑事ドラマみたいな展開になってきました。しかしYが頼もしかったのはそこまで。半日もしないうちにYから「寒いので帰りたい」と泣きが入ってきたのだそうです。そこからはワタシもウチの社長から聞いた話でしか分からないのですが、Yが妙なことを言い出したんです。「今回詐欺にあったのは、自分の責任ではありません」。何を言っているのか。報告もせずに額の大きな危険な取引を勝手に進めたのは自分じゃないのか。そもそも報告したら止められると思ったから無断でやったんだろう。もちろん社長の管理責任もあるが君に責任がないとは考えられんぞ。という、社長の反論はもっともです。すると、Yは電話口でウギャー!!!!!!!!!と絶叫したのだそうです。うるさいうるさいうるさいうるさい!私はたしかに報告した!社長はすべての責任を私に押し付けるつもりか!訴えるぞ訴えるぞ訴えるぞ絶対訴えるぞ!このブラック企業め!社員に責任を押し付けるばかりか、犯罪の首謀者のところに社員に行かせるような危険なことを普通会社がさせるか?旅費も自己負担で行けとは非常識にもほどがあるぞ!って、報告してないでしょ、見積り書には自分のハンコ以外ないし、指示もされないのに札幌に行ったの自分じゃん。ウチの社長もこの電話のときに初めてYの本性を見たような気がすると言ってました。理屈の無茶さ、そしてケダモノが憑依したかのような取り乱しぶりは、「普通じゃない」と。そして、Yはそのまま姿を消してしまいました。当然電話にも出ません。自宅には帰ったようですが、家族がかくまっているのでしょう。電話をかけても「いません」の一点ばり。しかしこの件のことを知っているのはYだけですから、Yがいなければ警察に詐欺の訴えをしても説明できる人間がいないんです。こちらもYの顔など見たくありませんが、出てきてもらわなければ何も進まないんですから。札幌の件から5日ほどたって、ようやく彼が電話に出ました。社長が電話したのではもう出ないだろうという判断で、Yの補佐をしていたアルバイトの女の子から携帯に電話してもらったんです。「誰も怒ったりしないから出てきて、お願い」と。それが成功するのがまた憎らしい…。しかしYは会社には出ないと言います。悪徳社長に嵌められるからと。何言ってやがる、会社に大損させてバツが悪いだけだろうが。しかしそんなことを言っても始まりません。とにかく社長では相手にならないと言うので、社長は入社間もないワタシに告げたのでした。「なんとかしてくれ」と。長くなったので、続きは次回に。
2009年12月12日
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相変わらずインターネットを使ってなんやかやしているんですが、今の職場に移ってきて最初の仕事はトラブルバスターでした。要するにモメ事の処理係です。まだ完全に片付いたとは言えないんですが、同業の方々の参考になるかも知れませんので、ここでご紹介しようと思います。ウチは自社で通販サイトを持っているんです。全国の名店ラーメンのお取り寄せなどやってまして、そこそこ売上もあがっています。Yahoo!ショッピングではラーメン部門の結構上のほうにランキングされたこともあるんですよ。その通販サイトに大口の注文が入ったのがこの8月。一回に150万円もの大量の買い付けが入ったんです。ラーメンを150万円も買う人間がいるのか?と思われるかも知れませんが、ウチのお客は必ずしも個人ではありません。企業が通販サイトから仕入れることもよくあるんです。たとえば見本市などのイベントがあれば、大口注文は普通に入ります。ウチの通販担当者もそう思ったようです。発注をかけてきた会社は札幌に事務所があり、納品先は千葉の港近くの倉庫を指定していました。なるほど、北海道の会社が何かのイベントを東京近郊でするのだろうと。支払条件が翌月末払いだったので少々不安はあったようですが、その取引先は何度か販売実績があったので、担当者もまあ大丈夫かと言われるままに商品を手配しました。ところが、です。翌月末になっても入金がありません。電話をかけても誰も出ません。担当者は焦りました。実は彼、この取り引きはウチの社長に黙って進めていたんです。札幌の会社は過去に取引実績があるとはいえ小額で、信用するにはいまいち物足りないものでした。社長の判断をあおいだら「やめろ」と言われるだろう。しかしここは大きな取り引きを決めたい…。そう思った彼は、独断でこの危険な取り引きを進めてしまいました。しかし入金期限の日に1円も振り込まれてこなければ、もう隠すことはできません。担当者からの話を聞いて事情を理解した社長は、すぐに取引のある調査会社を使って札幌の会社について調べました。するとその会社はなんと、8月に100万円単位の大口の注文をいくつもの会社に出していたことが発覚。腕時計、靴、食品と、いずれもネット通販で、いずれも大阪の会社です。それらの会社に連絡を取ると、やはり代金を踏み倒されたということでした。大阪から札幌、そうそう行ける距離ではありません。裁判を起こすにしてもかさむ費用や時間、手間を考えればちゅうちょしてしまう微妙な被害額です。案の定、靴の会社は代金回収を諦めるということでした。さらに調査会社から連絡が入り、ウチが商品を納品した「千葉の倉庫」は、一年前に倒産した会社の住所だということが分かりました。つまり商品を受け取ったのもだれだか分からないということです。おそらく大口注文の前の小さな取り引きも、信用を得るための布石だったのでしょう。もはや、ウチが大がかりで計画的な取り込み詐欺に巻き込まれたことは疑いようもなくなってきました。しかし事態はまだまだおかしな方向に転んでいきます。(つづく)
2009年12月05日
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