YS-11の見分け方



YS-11は試作機2機を含めて182機という、輸送機にしては決して多くない生産数のわりに多くの形式に分類することができる。ここでは生産機180機についての
見分け方のポイントをご紹介しておきたい。
あくまで新造時の状態で解説するが、機体によっては
後日、他の仕様に改造されたものも多いことには注意が必要だ。


観音開きのドアを持つ量産最初期型  YS-11-100(初期型)
生産機数:7機

 製造番号2003-2009に該当する量産最初期タイプ。主翼、垂直尾翼、水平尾翼の除氷装置はジェニトロヒータータイプを採用。このため前縁に除氷ブーツが装着されず、各翼ともにすっきりとした印象、胴体左側後部、垂平尾翼の付け根前方に排気口がある。このグループのみ左側前方のパッセンジャードアが観音扉のように向かって左手前に開くのが特徴。また、ドアの大きさも他機と比べて一回り小さい。航空自衛隊の飛行点検隊及び403飛行隊に現役機が1機ずつ存在する。

100型最大グループ  YS-11-100(後期型-その1)
生産機数:31機

 製造番号2010-2039及び2058に該当し、-100でも最も多いタイプ同様、主翼、
垂直尾翼、水平尾翼の除氷装置はジェニトロヒータータイプを採用。このため前縁
に除氷ブーツが装着されず、各翼ともすっきりした印象。胴体左側後部、水平尾翼の付け根前方に排気口がある。
左側前方のパッセンジャードアは向かって左側にスライドする一般的なものを装備
。飛び番号機の2058は海上自衛隊で現在も活躍中である。

除氷装置にブーツタイプを初採用  YS-11-100(後期型-その2)
生産機数:10機

 製造番号2040-2049に該当する。このグループに属する10機は主翼、垂直尾翼、水平尾翼の除氷装置にA-200(及びA-200以降のYS各型)と同じブーツタイプを用。各翼前縁に黒い除氷ブーツが装着されている。外観上A-200を見分けることはほぼ不可能。航空局のJA8712が現役を続ける。(他に7月現在航空局を退役したJA871
1が羽田にて保管中)

輸出を念頭に置いた改良型  YS-11A-200
生産機数:95機

 製造番号2050以降の旅客型の機体ほぼ全機に該当。-100の最大離陸重量を増加し
たモデルでYS-11の主流の成す。海外、特にアメリカへの輸出を念頭に置いて機体細部を改修。後に多くのA-200が最大離陸重量を更に増加してA-500へ改造されている
。なお、A-200以降のAシリーズ機はすべて主翼、垂直尾翼、水平尾翼の除氷装置に
ブーツタイプを採用。各翼前縁に黒い除氷ブーツが装着される。

大型ドア採用のカーゴ対応期  YS-11A-300
生産機数:16機

 A-200の胴体左側前方に大きなカーゴドアを備え、貨物機、または貨物混載機として使用できるよう設計変更された機体でカーゴドアの部分には窓が無く、外観上かなり目立つ特徴となっている。日本国内航空、東亜航空、東亜国内航空、全日空の各社で使用された実績がある。航空自衛隊及び海上自衛隊でこのA-300の派生機が現役を続ける。

オリジナル生産は4機の最大離陸重量増加型  YS-11A-500
生産機数:4機YS-11A-200の最大離陸重量を増加させたモデル。新造機としては海外向け4機の生産にとどまるが多くのA-200がA-500への改造を受けている。現在日本エアコミューター及びエアーニッポンで使用されるYS-11全モデルがこれに相当する。

この他、民間型式別ではYS-11A-400(生産機数8機)、YS-11A-600(生産機数9機)が存在するが、いずれも自衛隊向けに製造された機体で民間機としての運航実績はない。
A-400は胴体左側後部に大きなカーゴドアを備えた貨物機で、海外で非常によく似た形状のカーゴドアを装着した機体を見かけることがあるが、これはA-200を貨物型に改造したもの。形式分類上はあくまでもA-200なので要注意である。
またYS-11A-600はA-300の最大離陸重量を増加させたモデルでいまでも海上自衛隊で2機が活躍中だ。
さらに、YS-11A-400の最大離陸重量を増加させたモデルとして計画されたYS-11A-700という形式が分類上存在するが、実際には量産されず、またA-400からの改造機も存在しない。なお、自衛隊所属のYS-11については『YS-11の見分け方 (自衛隊のYS-11たち)』を参照してほしい。



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