PR
Free Space
Freepage List
Keyword Search
夏はいつの間にか過ぎ去って
芙蓉の花も槿も咲かないまま秋をむかえそう…
車で3分ほど下った所では咲いていたのに…
我が家では蕾のまま枯れてしまうことが多い
ちょっと寂しい…
・
・
☆
・
・
―見出しぬ―
もの思いのなく、ただひとり
そぞろ森の中を行きぬ。
何をもとめん
こころもなく。
木かげに、花ひともと
星のごとかがやきつ、
つぶらなる眼のごと美しく
咲けるをわれ見たり。
手折らんとすれば、
花はやさしく言いぬ、
「手折られて しおるるさだめか」
小さき根もとより
掘り起して、
よき家のうしろなる
庭に、はこび来たり、
もの静かなるところに
ふたたび植えたれば、
いやましに伸びひごろりて、
今に咲きつづく。
by ゲーテ
ゲーテ詩集/高橋健二 訳/新潮文庫