PR
Calendar
Comments

富山県全域でスーパーのレジ袋が有料化されてから1日で1年を迎えた。
全国初の試みとして注目され、今では買い物客の9割がマイバッグを持参する。一方で、悩ましい課題も持ち上がっている。(富山支局 井上亜希子、安藤康子)
氷見市の郊外にあるスーパー「バロー」で、会社員の畑山美奈子さん(53)は、店備え付けの緑色のかごと、ピンクの色違いの「マイバスケット」をカートに載せて売り場を回る。
レジ係が店のかごの魚のパックやジュースなどをバーコードで読み取り、バスケットに移す。精算を終えると、バスケットの上から「この用紙はお買い上げ済みの印となります」と書かれた薄紙の帯を張った。
「バスケットは300円で買った。自分で商品を詰めなくてよく、車で買い物する人は重宝する」と畑山さん。昨年まで新潟県の店で勤務していた宮腰正利店長(35)は、「富山はマイバッグやバスケットが当たり前になっていて、驚いた」と話す。
県内には、バスケットがバッグより売れている店舗もある。県レジ袋削減推進協議会によると、個人経営など一部の小規模店を除いたすべての主要スーパー32社143店のほか、クリーニング店なども袋を有料化した。
◎
魚津市のスーパーで、会社員高橋桂太さん(45)はレジ袋を受け取った。レシートに「レジ袋5円」と印字される。「穴が開き、使えなくなったらまた買う」と話す。この店で20人に1人ほどがレジ袋を買う。
県によると、有料化前のバッグ持参率は2割とみられ、有料化から半年で9割となり、目標としていた6~8割をクリアした。高橋さんのようなレジ袋派は、すっかり少数となった。
◎
富山市のスーパー「大阪屋ショップ太郎丸店」で1日、「マイバッグはたたんだまま買い物を」とマナーを紹介するチラシが配られた。マイバッグが普及するにつれ、万引き対策を迫られている。推進協議会に店から「万引きが増えた」との声が相次いで寄せられ、チラシ配布となった。
あるスーパーの経営幹部は「万引きの件数は、前年比7~10%増えた」と打ち明ける。別の店員(33)は、「買い物かごに忍ばせたマイバッグにジュースなどを入れてレジを通り抜ける被害に遭った」と語る。
◎
環境への取り組みとしての有料化に、富山では買い物客の約7割が「賛成」と理解を示す。山梨、沖縄県などが追随した。
万引きという"副作用"はあっても、滑川市のスーパー「まるまん」の山岸利基社長は「便利な生活に慣れた現代人が、買い物のスタイルを変えたのは大きなこと」と手応えを感じている。