GUINの匣

GUINの匣

「空蝉-螺旋の記憶」タイトルについて


空蝉という言葉は良く使われている言葉で、古くは万葉集にも詠まれ現代でも詩や歌に出てきます。
とても奥深く、作品のタイトルにする時少しためらいがありました。
「蝉」という漢字そのままに現代では蝉の意味の方が良く使われている気もします。しかしもともとの語源は全く違いウツシ(現)オミ(臣)からウツソミと転じたものです。つまり空蝉は当て字であって、もともとは人間を表す言葉です(辞書を引くと全部描いてありますが)。

うつせみ「現人」
とは、この世に現存する人間のこと。生存している人間です。
また、この世・現世、世間の人という意味もあります。

現代に生きている我々に毎日飛び込んでくるニュースは、あまりにも残酷であったり過酷であったり。日々人は狂気と背中合わせに暮らしているわけで、繰り返し書いていますが、人は必ず自身の中に狂気を持っているのでは、と私は思っています。
何かをきっかけに歯車が狂えば、いつ何時他人を傷つける側になってもおかしくない。それほどに曖昧な場所に立っているのだといつも考えるのです。
しかし、悲しいほどに懸命に生きているのだとも思います。自分を守りながら、力尽きるまでの時間。何かを求めながら、また求めるものを探し彷徨いながら。

そんなギリギリの中で、現代人は形態を留めながら本来の大切なものを失いつつあるのかもしれないと。。。それを「現人」と「空蝉」に重ね合わせました。

「螺旋」は構成の形からというのもありますが、永劫に繰り返されていく時の流れや輪廻転生、DNA(デオキシリボ核酸)などのイメージも重なりました。
文字にしますと、何だかあまりにも壮大なイメージになってしまいますが、決して最初から計算しているわけではありません。いろんなイメージを自分で手繰っていくうちにこのタイトルにたどり着きました。
いつも制作しながらタイトルにたどり着いていきます。

自分のメモという事で。悪しからず。






© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: