GUINの匣

GUINの匣

素描集を見ながら


昨日、アトリエで手に取った本をパラパラと。

古本屋で購入したうすいデューラーの素描集。残念なことにモノクロ印刷。それでも…
パラパラとめくれば、そこは別世界。!!なんやこれは!!
人間技ぢゃないでーぇ。
落ち込むなんておこがましい。神技?奇跡の手?
それらは技を越え、ものを越え、在った。そこに在った。もしこれらが今の進んだ印刷で、本来の色彩を見せてくれたらどれほどのものか。素描とはいえ、銀筆・


銀筆・木炭・チョーク・インク・水彩などの…… (AM 03:08)
銀筆・木炭・チョーク・インク・水彩などの描画材料。これらに着色された紙の色が加わる。
「紺色紙、ハイライト、インク」など書かれていても、どんな紺?インクの色は?…ハイライトは何となく…。
でも、モノクロ印刷で、あーぁ、なんて美しいのだろう。
緻密に本物そっくりな秀作などではない。大作のエスキースのラフな生きた線。銀筆や木炭の密度のある色。自由にして的確な筆運び。ペンのタッチを生かしに生かした版画作品のエスキース。
どの頁を開いてもため息が出た。そして酔えた。でも、そこからは観者だけではいけない。


16日の日記 (AM 03:09)
観者ではなく、制作してゆく者として観なければ。

題材、テーマに即した登場人物、例えば聖人を描くために友人がデッサンされている。色々な描画材料でタッチも紙も試されている。混合された画材で緻密に草むらが描かれている。よくみれば不透明な水彩絵の具で描き起こし、銀筆などのタッチでまた起こす。手の動きは莫然とでもわかる…

しかし、ここまで見るのかー!見えるのかー!

食い入るように何度も何度も見た…のだろう。初めて開いたわけでもないのに。小さな悲鳴やため息を交じらせて。

時間が日付を通り越していた。

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