GUINの匣

GUINの匣

憧れた時間


憧れながら見つめ続けていた欠片。
たどり着いて拾い上げる。
するすると指の隙間からこぼれ落ちる。
寂しくても悲しくはない。
顔を上げるとまだ先に点々と続いている。
そうして次の欠片を手にするまでまた進みはじめる。

離れた所から見つめていると、キラキラと輝いていた。
しゃがみ込んでじっと見つめた。
手に取ると流れ落ちた。
驚く事はなかった。

通り過ぎてから振り向いてみた。
そこには淡々と在り続け、やはり輝く欠片があった。
見つめていた頃よりも眩しいかも知れない。
そう思った。



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: