『頭ぐしゃぐしゃ』の彼方に・・・

『頭ぐしゃぐしゃ』の彼方に・・・

第1章・ノッケから怒りの応酬


元・サッカー日本代表サポーター「ウルトラス」の「同窓会」と銘打たれ、当時の選手を囲んで昔話や今後の日本サッカーについて語り合うこの番組。
彼らの息子とか娘が、親父に引きずられて無理やりやってきて、すっかりガンコ爺いと化したラモス爺さんに、なぜか思いっきり怒られている光景。
どうやら、最近の「ウルトラス」の応援がおとなしく、盛り上がりに欠けているのが気に入らない様子。
「オマエラ、日本人だろーが! 家ん中でゲームばっかりやってないで代表の応援に来いよ!!」とかいわれて、シューンとしている。

そこへ、40代半ばにさしかかった中田英がさりげなく、
「こんなに熱狂的に応援やってくれてんのなんて、日本ぐらいっすよ。アウェイの試合に強くなるってスタンスで行けば、いいんじゃないっスか?」
ラモス爺さん、紅潮した顔を中田に向ける。中田、醒めた目線を返しつつ、さりげなくソッポを向く。

怒りをどこにぶつけたら良いのかわからないラモス爺さん。後ろで、ヴェルディ時代のメンバーであった、都並、カズ、北澤、武田らが「カリオカ、今本番中だから…」となだめるが、ラモスの怒りは収まらない。
北澤が後ろから、ラモスの肩をそっと叩いて、怒りを鎮めるよう促す。

すると後ろで「ウルトラス・ジュニア」のヒソヒソささやく声。
「誰だ、あの宇宙人みたいなオッサン」
「研ナオコの弟じゃねーの」  ←もはや時代を超えて普遍的に「宇宙人」呼ばわりしてます(ごめんなさい!)
これを聞いたゴン中山が、ついに怒りを爆発させ、周りの椅子を蹴飛ばしつつ、スタジオ前へとかけ上った!!


【2】Jリーグも見ろ!
ゴン中山は、その後、Jリーグ某チームの監督になっていた。
しかし、Jリーグなんて見ないJr.達。中山監督の事は、現役時代の映像でしか知らない。中山監督はJr.達にスタジオから一喝。
「お前達、代表や、海外の試合ばっかり見てんじゃねえ!!」

ラモス爺さんもそんなJr.達に怒る。
「日本人なら、Jリーグも見ろよ!!」

司会のカビラ兄弟(ジョン氏はヒゲも髪も白いのが混じる)が、中山を紹介すると、Jr.達は、びっくり、まさか、あのワールドカップ日本史上初得点者がこの人だとは。
しかし、シニア達は、ゴンコールを送っている。

そんななか、シニア達は、94年大会予選での応援歌を合唱。ドーハ組のメンバー達は照れることしきり。ラモス爺さんは、
「オマエラ、もっとこういう応援しろよ!!」
と、雷親父ぶりをまたしても発揮。しかし、Jr.は聞いてるのが恥ずかしいらしく、耳を塞ぐ人もちらほら。

さて、今後の日本サッカーの討論に入った。


【3】今後の日本サッカー
20年後世界のサッカーは,3階までなら手を使って言いというルール改正が行われている。そんなルールを理解しようとしないラモス爺。
『ボールは友達だろっ。手を使うんじゃない』と意気込んでいる。
そこへJr.の質問
『友達だから手を使っちゃいけないなんてことはないと思います。』
『ボールは手を使われるのが嫌いなんだ』と反論するラモス爺。
そんな中,現サッカー界理事長のマラドーナ登場。
『あなたは僕の「神の手大作戦」に文句をつくっとか?』と,
ラモスに食ってかかる。
『だから,3回までなら使ってもいいルールに改正したとさ』となぜか長崎弁。
『・・・・あれ反則たい。次の大会であんたんとこのカニージャもやってイエローカードもろうたたい。』と,ぶつくさ文句を言うラモス爺。
『実際それで日本も強くなる。ゴール前で俺たちの時代のように何していいか分からんような無様なことがなくなるんだから・・。』と,カズ爺も賛成にまわる。
さぁ,ラモス爺。ピンチ!出るか必殺・・・。


【4】3人の怒れる男
もはや、ここまできたら、かつての悪役の血が沸き出した。
「いいかっ、神の手だか、孫の手だか知らんけど、俺は、アルゼンチンがそんなのを使って勝った事が許せないんだ!!」
と、理事長に、キックだ!!!負けじとマラドーナも、
「うるさいっっっ!!あのルールのおかげでお前ら日本は、去年のワールドカップでベスト4まで行っただろう!!」
と、手刀をラモス爺に食らわせた。
「ベスト4がなんだ!!優勝しなきゃ意味がないっっ!!」
かつての自慢のカーリーヘアももはや、後頭部にしか残っていない老人は、渾身のパンチを00年代以来の肥満体の理事長に食らわせた。
ラモス爺とマラドーナ理事長の殴り合いが始まった。もう、止められない。
シニア達は見てられない雰囲気。何人かは必死に止めようとする。しかし、もう無駄。
Jr.達はラモス爺にやりこめられた恨みと、理事長のおかげで日本のベスト4までいけた事で、マラドーナを応援する。
「理事長ーーー、こんな、くそ爺、やっつけちまえーーー!!」
そこに、1人の男がやって来た。
あの往年のカリスマGKで今はパラグアイ大統領の、チラベルトが現れ、二人を頭突き。
「いいかげんにしろっっっっっ!!キーパーは、あのルールには大迷惑だ!!俺はこの手でボールは多くとめたが、ゴールを入れた事はない!!」
この言葉に、川口中年が納得。
「そうそう、大迷惑だよ。キーパーの気持ちも考えてほしいよ」
この二人を押さえられるのは、この男だけの様だ。
なんとか、喧嘩は収まったが、ラモス爺は釈然としない表情だ。


【5】ストライカーの仕事
ぶ然とするラモス爺に、Jr.は「ざまーみろ」と容赦ない言葉をぶつける。
さて、落ち着いたところで、チラベルト大統領の演説が始まった。
「あのルールは、直ちに廃止すべきだ。フットボールに手を使うなどと言う神の手理事長の私利私欲での変更は認められない。先ほど、三浦氏が『ゴール前で何していいかわからない』と、話していたが、いかなるときでも、何をすべきかを見つけるのがストライカーであるはずだ。ストライカーは手を使わずとも、胸や尻で決めてもいい。」
ラモス爺は、大統領の演説に
「そうだ、そうだ。サッカーは足でやるもの。手でやるものではないよ。」
と、元気を取り戻した。
カズ爺は、
「そうだよな。ストライカーの仕事って。」
と、考えを改めた。
さて、アシスタントの女子アナ(なんとなく、フジテレビの内田アナに似ている)は、ウルトラス達の意見を求めて、彼等の席を回った。


【外伝・壱】控え室での見解
収録中のスタジオの裏ではまだ登場していない選手達が収録風景を覗いていた。
「・・・なあ、なんでチラベルトが普通に日本語喋ってんの?」
40代になったばかりの高原が天然ボケをかます。
「何言ってんだ?チラベルトは引退する直前までJにいたろ!」
そこに鋭くつっこむ元アントラーズの浩二君。相変わらず可愛い顔だ(笑)
「せやけど日本語上手すぎなんとちゃう??」
EU帰りの稲本がモニターを見ながらボソリと呟く。
「チラベルトも日本好きだったからね・・・」
海外好きの俊輔がサッカーマガジンをめくりつつフォローする。
そこに渋さに磨きをかけた明神が俊輔に問い掛ける。
「じゃあなんでマラドーナはあんなに日本語が上手いんだ?」
「神サマだから何でもアリなんでしょ」
眼鏡をかけ直しつつ俊輔が答えると後ろから未だにシルバーアクセを身につけた森岡が現れた。
「・・・なあどうでもいいけどこれから俺達どのタイミングで登場すればいいんだ?」
「とりあえずこの騒ぎが収まってからからが妥当でしょうね」
「俊・・・冷静だなお前」
白熱するスタジオを横目に彼らは登場を待っている!
さあウルトラス、彼らをいつ登場させるんだ!! 

目次へ
次のページへ

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: