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鱗羽
空間ベクトル南編3.4
メンバー
開会式の後、試合会場に用意された控え室の一角で高坂が一息つく。
それが合図だったかのように部員全員が主将を軸に円陣を形成する。
「…選手権大会の登録メンバーを発表する。名前を呼ばれたら返事を忘れずに。
男子A大前西嶋 中 斎 大後前前山 大後青野
男子B大前片瀬 中 梶 大後前 南 大後高坂
女子A大前西條 中大城 大後末次
女子B大前 陣 中伏見 大後三島
個人戦は原田 石川 橋本 秋里 籐馬 周防で戦う。
試合番号男子A12男子B3女子A10女子B15 個人戦は午後からだが、立順はまだ発表されていないのでわかり次第報告する。以上点呼まで解散」
「…って男子B3番ですよね。もう点呼始まるのでは?」
全員一瞬背筋を冷たいものが走った。
「遅刻で失格なんて笑えねぇ!急ぐぞ!」
男子一同弓道具をもって会場に目指してひたすら走る。
だんだんと小さくなっていく一団を見送りつつ残された女子+一年生も応援のために会場へとゆっくりと向かう。
「大城さん、今回の試合はどのように行われるのですか?」
「今日は予選だから、対戦校は関係なくてくじで引いた順番通りに4チームずつ入っていっていくの。8射だから2回りになるね。始めに男子の部 次に女子の部 そして最後に個人戦で終了。」
一通り説明し終えた大城が傍にいた周防に確認の視線を送る。
「ちなみに明日の本戦通過のチーム数は毎年同じ数で男女各12チーム。今回は男子のちょうど半分が通過。女子は…上位3分の2くらいが通過かな。」
「通過本数が毎年決まっているわけではないのですか?」
「的中数の多い大学から順に通過していくんだ。もしも同じ的中数だったら決中で優劣を決めるのさ。」
入場が始まり静まりかえった場内にアナウンスが響く
[只今の立…第一射場 前立河東学院大学Aチーム 後立斎陰医科大学Bチーム 第二射場 前立敢翔大学Bチーム 後立瑛静商科大学Aチームです。]
「…ん?今年の瑛商の中と大後前の子は見たことのない顔ね。」
「瑛静商科の中と大後前は一年ですよ。」
「周防は彼らを知っているの?」
隣で入場状況を見ていた三島が初耳だという顔をする。
三島は高坂と同期で現副将兼女子責任者を担っている。
女性にしてはやや大柄だが威圧感はなく柔和な雰囲気を纏い、さらに短い髪の毛が快活な印象を加える。
「中の方は高校の同期なのですよ。こんなところで会うとは思ってもいませんでしたがね。ちなみに大後前は秋里の高校の同期らしいですよ。」
「ふぅん、彼は経験者?」
「いいえ。高校時はサッカー部でしたよ。」
「…瑛商は人が少ないのかもしれないわね」
「そうかもしれませんね。そういううわさも耳にしました。ですが総戦で使ってくるかはわかりませんよ。夏休みが過ぎれば引退していた4年生復帰してくるでしょうし。」
医療系や獣医などを除くほとんどの大学では3年目で部を引退し代を交代する。
4年目はシーズンの前期終わりごろ、つまり夏休時期まで就職活動をしているため内定がでるまで大体復帰をしない。
そして秋ごろに行われる総戦に戦力として復帰するのだ。
なかには就職活動をしながら部に復帰する人もいるがそれは個人の意思による。
[行射を開始してください]
場内アナウンスが試合開始を静かに告げる。
「周防、南が心配?」
「…いえ、心配はしていませんよ。ただ」
「ただ?」
「なぜ今回の試合に負傷した南を登録したのだろうって。」
三島さんは射場に視線を向けたまま黙って耳を傾けている
「彼を起用しなくとも他に人はいたはずです。なのに…」
「使って見たかったのよ、公式戦で。」
「それだけですか」
周防は少し間の抜けた声をだした。
「そうよ。」
三島は即答する。
「それに自分の怪我の具合くらい判断できない馬鹿じゃないでしょ?彼は」
「そう、でしょうか。やつは弓一直線ですからねぇ。意外に馬鹿かもしれませんよ」
「体調管理やメンタルケアは自己責任よ。メンバーは飽くまで中り方や的中率を基にして決定するのだから。」
「…ですね。」
だってさ。過保護すぎか?周防は苦笑した。
まぁ君はきっとどんなに激痛が走っても何食わぬ顔で射場にいるのだろうけどね。
04/02/01
最終話
「気になっていたんですよ。なぜ試合で中らないのか」
周防は南から視線をずらした。両手のひらにじわり、と汗を掻く。
なにかを言葉にしようとしたが空気を呑みこむだけで声にはならない。
この人は…誰なのだろう。
これは本当に南なのだろうか。
「…寺岡さんの一言からですよ。」
「寺岡さん?」
「[あぁまた周防はサメテイルって。]…最初は何についていってるのかすらわかりませんでした。でも正練と自主練の射をみていて気がついたんです。」
「…周防さんには精神的な欠陥があります。」
黒い雲が空を覆う。頬を伝う水滴が胴着に吸い込まれ色を濃くしていく。胴着が段々と重くなる。
あぁ、あの感覚がまたきてしまう…。
南、一体君はどこまで知っているのだろう…
「なぁ、敢翔の大後前のやつさ、徐々に会がなくなってきてないか?」
「中ってはいるけど…早気になってきているのか?」
ギャラリーの声でふと我に返った。どうやら一瞬意識が飛んでいたらしい。
敢翔の大後前?…南か。
射場の外で状況を見ていた部員たちが動き始めた。
「原田の準備はできているわね」
三島が大城に視線を移しながら選手交代用紙を手にした。
「大城、高坂に渡してきて」
「三島さん、個人での原田の記録が」
「決定よ」
風が髪の毛を乱していく。芝生の匂いが鼻につく。
2立目が始まっている頃だろう。各校の声援が聞こえてくる。本来なら今ごろ俺は的前で弓を引いているはずだった。
しかし…交代が遅かったら俺は確実に相模と同じ運命を辿っていただろう。
試合中は明らかに冷静さを欠いていた。
弓手は不快な汗が纏わりつき、体中の全神経に痛みが走り弓を引くことを拒んだ。
今まで体験したことのないほどの焦りを感じた。
「ここまで早気が治るのに1年以上もかかったんだ」
部活を去る前、巻き藁の前で相模は言った。
「…それでも俺にここに居ろって言うのか?!お前は」
「部にいると中てなくちゃ駄目だろう。この環境じゃ俺は治らないんだ。」
言葉がでてこなかった。
部員たかが一人、されど一人。
主将たちは選手の特性や中り方をみてチームの構成を考えている。
正練にでるなら試合に出ることを前提として見られている。
大前は中てて流れを作り、中はそれをつなぐ。そして大後はしっかり固める。
チーム戦はこれが基本。
一人で引いているわけじゃない。
今回俺は一人だった。
片瀬、梶さん、高坂さんの弦音は聞こえてこなかった。
「ここに居たんだ。結構、探したよ。」
突如上から声が降ってきた。
胴着姿でコンビ二のビニール袋を片手に大城が南を見下ろしていた。
「大城さん」
「隣いいかな」
返事を待たずに芝生に腰を下ろす。
「大城さん…自分は一人で弓を引いてました。」
「うん。」
「自分のことしか考えていませんでした。」
「うん。」
「今回の試合で自分が原田と交代したことで、原田は個人での記録を残せなくなりました。」
「うん。」
「笑ってました、原田。いいんだよ。気にするなって。」
「食べる?私と周防から。公式戦デビュー祝い」
大城は少し笑ってコンビ二の袋からアイスを取り出し南に手渡した。
袋を開けると内包されていた冷気が空に逃げていった。
「今回、2立目をもし引いていれば、確実に相模と同じ運命を辿ることになっていた…。」
「だから高坂さんたちは原田と交代させた」
「選手権に登録できる人数は限られているからね。しかも個人で登録されるということは団体で出ている選手の交代要員を意味している。」
大城はアイスの包装紙裏の成分表に視線を落としながら、続ける。
「わかってたんでしょう。こうなるかもしれないってこと。」
「今引けないことよりも、一生引けなくなることのほうが辛いんじゃないかな。」
お互い視線を合わせようとせずにただ静かに時間がすぎていった。
南は吐き出すように口にだした。
「あの時も…自分本位でした。単純に治せるんじゃないかって。なぜ練習しないのかって。」
「早気の経験がある人はたくさんいるけど、遅気にかかった経験のある人はこの部活にはいない。」
「早気と遅気…自分はどちらも経験したことがありません。」
「かからないにこしたことはないね。早気は、引き分けのとき、ある一定の位置まで下がってくると条件反射的に離してしまう心の病。
きっかけとしては強い弓にあげたとき、体力が落ちているとき、…よくあるのはたくさんの中りを経験した場合に体がそのタイミングを勝手に覚えてしまって意思とは無関係に発射してしまう。
この病の厄介なところは確実な治療法がないこと。何をすれば治るのかが全くわからないから、最悪弓を引くこと自体諦めてしまうひとも多い…。そして遅気は…」
「早気と対極の心の病。別名、もたれとも言われていて、両者の明確な定義はとくにない。射形は普通の射手と異なるところはないが、会の状態でも一向に矢を発射できない精神的な病。
中るタイミングがきても押し手に力が入り矢の発射を妨げる。体のタイミングと心のタイミングがあっていないといつまでも持ち続け、体力が尽きかけたときにようやく発射される。
胴造りがうまくできていないとなるときがある。」
「一応知識、だけはあるんです。」
「…この二つの病の共通点はどちらも克服するまでにたくさんの時間を要する。」
「…」
「早気は初心者か、的中率が非常に高い人がかかる傾向が強く、遅気は弓道を始めてある程度の年数が経過したときに突如かかるのが両者の相違点です。
但し、遅気の場合は、克服した後に弓道家として大成する可能性を秘めているとも言われています。」
「克服方法なんかは先生方に教えてもらうことはできるけど、最終的には心の問題。」
「……。」
「心の病は、かかったことのある人にしかその辛さは理解できない。想像するしかないんだ。だから、みんな口には出さないけど待っているんだよ。」
「周防さんが自分で乗り越えるのを?」
「うん」
気がつくと視線の遥か先で周防がもの凄い形相で叫んでいる。
「櫂!なにやってんだ!点呼!!」
完
2004/8/1
>…
空間ベクトル1-7〔定期試験〕
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