母しゃん

母しゃん

第八話  緊急帝王切開だー!! 


先生が飛び込んできてから30分経ってなかったと思う。看護婦さんや先生が部屋に入ってきて、「待ってる時間が赤ちゃんにとって危ないから、ごめんねお母さん
帝王切開しよう。」と緊急手術を告げにきた。
赤ちゃんのためだし、私にはどうしようもない。ただ、ただ、無事に赤ちゃんを出してやって下さいとお願いするしかなかった。急いで必要な書類にサインし、手術室へ。あっという間の出来事で、緊張するもしないもなかった。
心配なのは、赤ちゃんの事と、先生が言ってた麻酔を普通の帝王切開みたいにかけられないって言ってた事。心音が下がってるから、できる限り薬を入れない方向でいくらしく、「本当に痛いと思うけど、赤ちゃんでたらすぐに薬使うから、頑張ってよ!!」と言われた。
****赤ちゃんいる間に、二回お腹切る人もめずらしいよね****
と、笑ってはみたものの、体は正直で、ブルブル震えていたのだ。緊張してるつもりもなかったんだけど、気持ちのどこかでやっぱり、不安だったんだろう。
手術室に旦那も入っていいと言われたが、旦那は血を見ることができないので、すぐ隣の部屋で待っていることになった。(母や友人など、連絡網が出来ていたので、旦那にはそれもやってもらった)
手術には、麻酔の先生とメインの先生、助手的役割の先生の3人が入るため、呼び出した先生が到着次第、始められるよう、準備万端そろっていた。

そして、いよいよ・・・。
麻酔は前回、盲腸の手術の時同様、腰からのものだった。これは痛くない。
麻酔はとりあえずかかってるという事で、お腹を切る時がきた。
    ツーーーー・・・・っとメスが体に入るのが分かる。という事は、とても、とても痛いのだ。生の状態で切られてるという感じ。
想像してほしい。普通に包丁や、ナイフで身を10cm程切られる痛みを。
まさしくそれだ。痛くて叫びたかったけど、これまた変な所で看護婦根性が出る。
というより、お産で叫ぶ姿だけは、さんざん見てるので、ぜえーーーーーーーーったい自分は叫ばない、と以前から決めていたのだ。
「クウーー・・・」「フウーーー・・・・」と歯をくいしばり耐えた。
子供を出す時も、内臓全部出した?と思うほど、えぐり出される痛さがあって、
隣の部屋で声だけ聞いていた旦那いわく、「叫ばなかったけど、殺されてると思う位のうめき声だった」らしい。
でも、今回自分でもえらいなーと思ったのが、赤ちゃんの声聞くまでは、痛くても失神するわけにいかない、と頑張れた事。
世のお母さんはみんなそうなんだけど。
とにかく、「声、声、声を聞ければ・・」と思っていたら、お腹からズルッと赤ちゃんが出て、「んぎゃあー、んぎゃー」と元気な声を聞かせてくれた。
「ああ・・・元気に産まれてくれた・・・よかった・・・」
ホッとして涙がでた。
「おめでとう。頑張ったね」と声をかけてくれる先生達に、「有難うございました」と言うのが精一杯で、見事にそこから記憶がない。
どうやら、薬を使ってくれたようで、部屋に戻ってから気がついた。


      次回  子供の方が大変だった?!
              お楽しみに



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