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Fear, loathing and the illusion of Adobe
恐れ、嫌悪、そしてAdobeの幻想
来る日も来る日もわれわれは仕事をしようとするたびに、われわれが生計を立てていくために使っているツールに対して絶大な支配力を持っている巨大企業に向き合わざるえません。われわれがデザインをするためのアプリケーションを開くたびにその企業のロゴがあらわれてきます。およそデザインに関係するウェブサイトであればその製品があつかわれていないことはなく、その名前は技術関連のニュースにもしばしば顔を出しています。その製品のすばらしい点をフォーラムやディスカッション・リストやブログで激賞し賛美する、熱烈なユーザーたちについては今さら言うまでもありません。われわれはデザイナーやアーティストとして生計を立てていくためには、少なくともPhotoshopというAdobeのひとつの製品に頼らざる得ないという、厳しい状況に置かれているというのが現実です。もしAdobeの思惑通りFreeHandがこのまま死に追いやられるとしたら、われわれは仕事をするうえでPhotoshopばかりか、さらにはどうしてもIllustratorなしではやっていけない羽目に陥るでしょう。もちろん、それこそがAdobeの望むところであり、そうすることによってわれわれをなすすべもなく縛りつけようとしているのです。われわれはAdobeにがんじがらめに縛りつけられ、その支配力に屈服することを激しく嫌悪せずにいられません。Adobeが独占的な支配力を発揮しているこの市場のバランスをとり、われわれが自分の仕事にどのツールを使うか選択の機会を提供してくれる企業は他にないのでしょうか?
デザイナーである以上、われわれの使命は雇い主のクライアントとともに幻想、イリュージョンを眼に見えるかたちに創りあげていくことです。ブック・デザイナーとして、私は下書きの原稿(よく練られているにしろ、そうでないにしろ)を受け入れ、それを読者を惹きつけるプロフェッショナルな体裁に仕立て上げるのです。いわば私は必ずしも印刷されるメッセージそのものの質に必ずしもよることなく、読み手の心を揺さぶり、ひきつけるイリュージョンを創りあげているのです。同じように、クライアントである企業のパッケージのデザインや、パンフレットや、ロゴや、ウェブサイトを創っているデザイナーもいます。結局のところ、ほんの1~3人からなる零細な会社のためにつくられたウェブサイトが、あたかも今をときめく企業であるかのように、見る人の目に映る例はいくらでもあるのではないでしょうか。要するに私が言いたいのは、それはすべてイリュージョンにすぎないということであり、Adobeがしてきたこととは、その製品やデザイナーの力をもって、自らのために都合のいいイリュージョンを創りあげるようにしむけてきたにすぎないということなのです。Adobeは確固たる創造性のイメージを創りあげてきました。けれども一皮剥けば、Adobeも本質的には他の人と同じように個人的な問題やエゴやちょっとした欠点を抱えた人々の集まりにすぎないのです。しかし、それにもかかわらずAdobeは、Adobeはこうあるべきだ、という幻想にすぎないイメージそのものたらんとしているのです。重要なことなので、あえてもう一度繰り返して言いましょう。「Adobeのやり方は、ただの幻想にすぎない自己イメージを現出するために、自らを実際以上に見せかけてきただけのことなのです」
それならば、われわれは実際のところ何に対して屈しようとしているのでしょう?それはAdobeのパワーの現実、すなわち、グラフィック産業における答えと運命を自分たちが一手に握っていると信じてやまないごく一握りの人間の気まぐれな考えにすぎないのではないでしょうか。私にはAdobeという企業の中で起きていることが実際悲劇だとしか思えません。そして、なぜわれわれがこれほどまでにAdobeのやり方について激しい恐れや嫌悪感を抱くのかといえば、それはわれわれが奥深いところで、こんなのはただのあやつり人形のイリュージョンに過ぎないということを知っているからではないでしょうか。あたかも慈愛に満ちた父のごとく、デザインの世界に生きるわれわれを保護し、もっとも最上のソフトウェアを天の恵みのように与えているかのように装いながら、Adobeは真の目的を隠そうとしています。Adobeの真の目的、それはグラフィックの世界において、自らが唯一無二の選択肢となることです。いかにAdobeがクリエイティブな世界におけるツールやテクノロジーの選択の自由を称揚し、それをいかに尊重するかをアピールしたところで、業界を独占しようとする意図をあきらめる気はさらさらないでしょう。Adobeの根底にあるのは、GoLive、PageMaker、LiveMotion、Authorware、Framemaker、そしてFreeHandにしたように、邪魔になるアプリケーションをを買収し、しゃぶりつくし、粉々にしてしまおうとする意思です。ユーザーを陳腐な言葉と理想主義的なマーケティングでなだめすかしてごまかしながら、その自らの戦略を追求している偽善にみちた企業、それがAdobeなのです。現在AdobeのCEOは市場の独占というもくろみを揺るがす、テクノロジーのオープン化の問題の行方に気をもみ、悲しみ嘆いています。AdobeはAppleがAdobeのFlashを自社の携帯機器にのせることを拒んだことに対して、不満を表明していますが、それは選択肢の自由を尊重するという真摯な信念に基づくものというよりも、単にAdobeの戦略が潜在的に危機にさらされることに対する不満であるようにしか見えません。
Adobeが企業としての誠実さを示し、コミュニティの一員としての自覚をはぐくむべきときがきています。たしかに市場の独占という至上命題を掲げている限り、Adobe自身の製品であるIllustratorの機能を積み上げるために、FreeHandを買収し、それをばらばらに解体し盗用することも理解できないことではないのかもしれません。あるいは、自社のGoLiveが取って代わるために、Dreamweaverを買収することも。また、あるいは、Macromediaを買収することによって手に入れた至宝ともいうべきFlashが、HTML5という有望なライバルの前に敗れ去ることを恐れることも。われわれはその真意を理解することはできますが、同時にそれが正しいことではないのを知っています。Free FreeHandがAdobeに対して求めているのは、買収によって手に入れた製品をきちんと活用してほしいということなのです。たとえばFreeHandのような、買収した使わない製品を、コミュニティに戻し、解放してほしいのです。「FreeHandを売却するか、もしくはオープンソース化して、開発を続けてほしい」というのが、われわれの当初からの一貫した主張です。そうでなくてはフェアではないとわれわれは考えます。そうすることこそが真の選択なのであり、ただのマーケティング上のスローガンとはわけが違うのです。
(AdobeのCEO、Shantanu Narayen氏宛のメッセージ)
Free FreeHandには現在5000人以上のFreeHandユーザーがメンバーとして登録しているということを、ちゃんとわかっていますか?創設以来10ヶ月のあいだに、世界中のFreeHandユーザーがFree FreeHandに興味を持ち、毎週ごとにその数は増えていっているのです。付け加えるならば、メーリングリストに名前を加えてほしいという元FreeHandユーザーからのリクエストも100以上受け取っています。どうです、心を動かされませんか?市場のシェアの8-10パーセントという数字は、FreeHandを救うのに十分すぎる数であり、われわれ5000人を超えるメンバーはしっかりと結びつき、声を大にして問いかけます。もしFreeHandが使えるようになるならば、そのためのアップグレード料金を払う意志がありますか?FreeHandがAdobeではなくどこかほかの企業の手に渡ることをいといませんか?もし、FreeHandがオープンソースとして解放されたら、あるいは継続して開発していくれる他の企業に売却されたら、FreeHandを使い続けていきますか?要するに、Illustratorは、Adobe自身が望まないのであれば、第二のPhotoshopになる必要などどこにもないのです。
われわれはこのことについて一度すでに述べているが、あえてもう一度言いましょう。Adobeよ、あなたがたはソフトウェアの選択の自由について、どのように考えているのですか?
Shantanu Narayen
Adobe Systems Incorporated
345 Park Avenue
San Jose, California 95110-2704
※なお、FFHのブログ上では、現在わかっているバグやこれから付け加えてほしい機能があれば、それを書き込んでほしいというトピックがたっています。ことによれば、バグを修正し、新機能を追加する機会がめぐってくることがあるかもしれない、ということで…
また、7/28付のニュースレターによれば、FreeHandについてディスカッションするためのメーリングリストがたちあげられたようです。ただし、すべからく英語なのがつらいところです(´;ω;`)
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