歌 と こころ と 心 の さんぽ

歌 と こころ と 心 の さんぽ

2014.08.15
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テーマ: 短歌(1722)
カテゴリ: TNK楽歌31


♪ なぐさめに送りし歌の言の葉の霊(くし)びてひとのこころ晴れゆく








 先日の放送で、花子の息子が疫痢で亡くなり憔悴しきっていた花子に歌を送り、悲しみの中にも前向きに生きる力を与えるというシーンがあった。

 短歌には人を慰撫或いは慰藉する力がある。詠む人も、それを手に取って読む人にも。
 歌を詠むことは、悲しみや苦悩、寂しさや孤独を癒すことでもある。また、そういう立場で詠まれた歌が、同じ心を持っている人の心に沁み入っていく。そして、読み手の心とその言霊とが溶け合っていく。そのことで、それまで見えなかったものが見えてくる瞬間が訪れる。

 歌を詠むことは、客観的に自己を見つめる中で、囚われている諸々のものから解き放たれていくことでもある。31文字という制約が有ることで、言葉を選ぶというストイックな作業が要求される。その過程の中で、脳が作り出していくものの何か。脳内ホルモンが刺激されて、それらが何らかの働きを脳にもたらすことが考えられる。


 柳原白蓮は、1885年(明治18)生まれ。大正天皇の従妹にあたる。
 東洋英和女学校に編入(908年(明治41)した23歳の時、姉・信子の紹介で佐佐木信綱主催である短歌の竹柏会に入門する。
 白蓮の号は歌の師である佐佐木信綱の勧めで、信仰していた日蓮にちなんで付けたもの。


柳原白蓮 大正三美人の1人

 1915年(大正4年)3月、処女作の歌集『踏絵』を自費出版。竹久夢二が挿絵を手がけた豪華装丁本。1919年(大正8年)3月、詩集『几帳のかげ』・歌集『幻の華』刊行。
 1920年(大正9)1月、編集者として別府を訪れた宮崎龍介と出会う。戯曲『指鬘外道』刊行。1921年(大正10)10月、白蓮事件。伊藤伝右衛門と離婚。『白蓮自選歌集』刊(36歳)。1924年(大正13)小説『則天武后』刊。1925年(大正14)9月、歌集『紫の梅』刊。
 1928年(昭和3)歌集『流転』『筑紫集』・自伝小説『荊棘の実』・小説『恋愛懺悔』刊。1930年(昭和5)小説『青春譜』刊。1935年(昭和10)歌誌『ことたま』創刊(50歳)。1939年(昭和14)『歴代女流歌人の鑑賞』刊。1943年(昭和18)小説『民族のともしび』刊。1950年(昭和25)『短歌教室』刊。1956年(昭和31)5月、龍介と中国訪問。毛沢東主席、周恩来総理と対面。歌集『地平線』刊(70歳)。


白蓮の歌

  殊更に黒き花などかざしけるわが十六の涙の日記

  天地(あめつち)の一大事なりわが胸の秘密の扉誰か開きぬ

  ひるの夢あかつきの夢夜の夢さめての夢に命細りぬ

  われは此処に神はいづくにましますや星のまたたき寂しき夜なり

  おとなしく身をまかせつる幾年は親を恨みし反逆者ぞ

  ゆくにあらず帰るにあらず居るにあらで
                 生けるかこの身死せるかこの身

  踏絵もてためさるる日の来しごとも歌反故いだき立てる火の前

  月影はわが手の上と教へられさびしきことのすずろ極まる

  女とて一度得たる憤り媚に黄金に代えらるべきか

  吾は知る強き百千(ももち)の恋ゆゑに百千の敵は嬉しきものと

  君故に死も怖るまじかくいふは魔性の人か神の言葉か

  わたつみも沖に火燃ゆる火の国に我あり誰ぞや思はれ人は

  幾億の命の末に生まれたる二つの心そと並びけり

  わが命惜まるるほどの幸を初めて知らむ相許すとき

  南無阿弥陀仏マカセマツリシヒトスジノ
                ココロトシレバスクワセタマヘ

  誰か似る鳴けようたへとあやさるる緋房の籠の美しき鳥

  ともすれば死ぬことなどを言ひ給ふ恋もつ人のねたましきかな

  年経ては吾も名もなき墓とならむ筑紫のはての松の木のかげに

  我歌のよきもあしきものたまはぬ歌知らぬ君に何を語らむ

  そこひなき闇にかがやく星のごとわれの命をわれのうちに見つ

 1961年(昭和36年)76歳 緑内障で両眼失明
 1967年(昭和42年)81歳 死去

*「霊ぶ(くしぶ)」ーーー不思議なはたらきをする。神秘的な力をもっている。「すなはち-・びますことをあやしみ給ひき/釈日本紀」




◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。

「ジグソーパズル」  自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)

短歌集 「ミソヒトモジ症候群」 円居短歌会第四歌集2012年12月発行

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最終更新日  2015.03.16 18:20:25
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
「ジグソーパズル」  自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)

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