波乱万歳!!

波乱万歳!!

病状の急変


めずらしい病気とはいえ、まさか死に至るなんて、
夫も私も、担当医師でさえ思いもしていなかったのですから、
病院にいっても特に、なんてことはありません。
必要最低限の会話だけで、子供の顔を見たら夫も和むだろう。
そう思っていただけでした。

「めずらしい病気」の最後にも書きましたが、
夫は異常に退院したがっていました。
私たちの生活の心配、そして会社に対してもこれ以上迷惑かけたくないという思いが、
どんどん焦りになって行ったんだと思います。

先生の診察のたびに懇願していたそうです。(先生から聞きました。)
でも先生は「ステロイドの量がもう少し減るまで我慢しましょう」と言ってました。
実際にステロイドによる副作用が確実に現れていました。
体の内外に脂肪がついて太ったようになり、顔はかなりむくんでいました。
髪の毛もバッサリと抜け落ちるようになりました。
先生が一番危惧していたのは、抵抗力が落ちているので、
健康な人ならなんてことの無い風邪の菌にでも感染してしまうという事でした。
退院し普通の生活に戻ったときが一番危険だといわれていました。

ところが夫は何度も先生からその事を説明されても、
「退院したい」の一点張りで、いくつかの約束事を守るという条件で、
やっと退院を許可されたのです。

すぐに仕事を再開しない事。
風邪の予防を徹底する事。
絶対に無理をしない事。等等。

家に戻ってきてから1週間ぐらいは安静にしていたのですが、
調子が良いからとすぐに仕事に復帰したのです。
ところが仕事を再開して3~4日たった頃、発熱しました。
先生の言ったとおりです。見た目以上に夫の体は弱っていたのです。
でもやっと復帰したのに熱が出たからとまた休むなんて出来なかったのです。(夫の気持ちがそれを許さなかったのです。)
しばらく我慢して会社に行ったのですが、熱はどんどん上がっていき起きていられなくなりました。

嫌がる夫を無理やり病院に連れて行くと、肺炎を起こしているからすぐに再入院するように言われました。
がしかし・・・夫は再入院を拒んだのです。
私も一緒に説明を受けましたが、横で夫は頑として受け付けません。
先生も困り果て、「何かあったらすぐに来なさい」と言って、
夫の意思を尊重したのでした。(根負けしたのです。)

ふらふら状態の夫を家に連れて帰り、一夜を過ごしたのですが、
翌日夫は意識もうろうとしていて、あんなに嫌がっていたのに
「病院へ連れて行ってほしい」と私にいったのです。
急いで緊急入院しました。

肺炎はかなり進行していて、血液中の酸素の量も極端に少なく危ない状態になっていました。
夫は呼吸もままならないほど一気に弱って行きました。

婦長さんから、「先生から詳しい説明があるから夜もう一度来てちょうだい。」といわれました。
夜何時ごろだったでしょうか?
外来患者も居なくなった病院の診察室で担当医から病状の説明を受けたのです。

「かなり危険な状態です。覚悟してください。」

私はただどうしたらいいか分からなかった。
そんな言葉、信じなれない事です。
何か他人事のようでした。
夫が死ぬかもしれない・・・実感できるはずがありません。
ガンで「余命○年」とか言われてた訳じゃないし、
余りにも突然の宣告を受け止めることは出来ませんでした。

その時すでに夫の体温は41度を越えていて、本人もかなりきつい状態だと知らされました。
夜通し、付き添いたいと思っても小さな子供が二人。
誰にも預ける事が出来ず、夫を病院に残して私は家に帰らなくてはなりませんでした。
これが最後の夜だったのです。



© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: