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山さんの刑事部屋
しめじ
泉屋(四五)男性。バー・マスター。
伊上(四五)男性。バーの客。雑文書き。
喜田(三八)男性。バーの客。カメラマン。
古室(五二)男性。バーの客。作曲家。
織田・・・運動具メーカー営業マン。
佐田、新井・・・織田の同僚。
伊瀬、中嶋・・・町役場の職員。
●ダイニングバー<四つ薔薇>・夜
カウンター居酒屋に毛が生えた店内。
雑然としたインテリア。
客の土産物を手当たり次第に飾った感。
脈絡のないバックミュージック。
好きな曲をジャンル無視で編集した感。
カウンターの中にエプロン姿の泉屋。
注文が無さ過ぎて手持ち無沙汰気味。
カウンターの一番手前に喜田。
グラス片手にデジカメで写真チェック。
カウンターの一番奥に古室。
両肘ついて顎を支えて酔い寝。
ドアベル代りの青銅風鈴が鳴る。
我が家のように入ってくる伊上。
案内も待たず中程のスツールに。
カウンターの上に新聞包みを置く。
泉屋「お土産?」
伊上「駅で織田とバッタリ会って。独りじゃ
片付かないからってお裾分け」
泉屋「懐かしい名前だな。仕事は相変わらず
なのかな」
伊上「運動用具を抱えて東へ西へ。そいつも
出張先の特産品だって」
泉屋「これはこれは」
新聞包みを解いて嘆声を上げる。
中には立派なブナシメジの房。
泉屋「プリップリだねえ。大したもんだ」
擬態語に反応して顔を上げる喜田。
喜田「どの子がプリプリですって?」
伊上「この子だよ」
泉屋から包みを取り返して見せる。
喜田「何だ、シメジじゃないですか」
伊上「何だとはご挨拶だな。何でもかんでも
女体の話に聞こえるのか君の耳は」
喜田「職業病。仕方ないでしょ、毎日こんな
連中を相手にしてんだから」
デジカメの液晶を伊上に示す。
えぐい水着で見せつける女の子。
伊上「随分発育のいい子だね。いくつ?」
喜田「公称十九。真実は知らぬが仏ですよ」
泉屋「君も大変だな。毎日あられもない姿を
した若い娘目の前にして、指一本出せない
んだから」
ニヒルな笑みを浮かべる喜田。
喜田「いちいち劣情催すわけがないでしょ。
ブツ撮りみたいなもんですよ。料理撮影で
一皿ごとに涎垂らしているようじゃ仕事に
ならない」
カウンターの端で古室がガクン。
三人の視線が一斉にそちらへ。
きょときょと辺りを見回す古室。
古室「サムライワンダラーは何着!?」
伊上「淀の夢でも見てたのかな」
喜田「先生、レースは昼間に終わりました」
古室「・・・そうだった、残念無念」
伊上「千里眼をもってしてもあの大番狂わせ
は読めなかったんですか」
古室「節制の正位置が出たのになあ・・・」
シメジの包みを泉屋に戻す伊上。
伊上「コイツで一品頼んだ」
喜田「そのカワイコちゃん、何処産ですか」
伊上「紀州の山のほう。何て言ってたかな。
辺鄙な中学校にネットを張りに行ったら、
帰りぎわ御礼にもらったそうだ」
泉屋「シメジシメジ、どうしたもんかな」
喜田「紀州の山なら今頃は過ごしやすい気候
だろな。こっちは何月になっても灼熱地獄
だってのに羨ましい」
古室「紀州・・・紀州ね・・・」
口の中でモゴモゴ呟く。
古室「きのもりとざき、どくろじま・・・」
突然の詠唱に再び集まる注目。
古室「はて、何の歌詞だったっけ」
それぞれ記憶を探るような面々。
泉屋「乱歩ですよ。宝探しの暗号」
古室「ああ、それそれ。二十面相」
泉屋「正確には四十面相ですけどね」
伊上「ああ、改名した時のか。自己顕示欲の
塊だよな、アイツ」
古室「思い出してくれてよかった。今晩眠れ
ないところだったよ」
喜田「今の今までスヤスヤだったくせに」
伊上「乱歩の暗号ならあっちの方が好きだな。
何だっけ、『ししがえぼしをかぶるとき』」
泉屋「からすのあたまのうさぎは三十!」
指さし合い、にやりとする二人。
●同・承前
冷蔵庫の中身を確認する泉屋。
泉屋「こりゃ好都合だ」
調理台のシメジの横に食材を並べる。
唐揚げ用の鶏もも肉とベーコン。
ピーマンとシイタケと調味料。
伊上「期待しても?」
泉屋「素朴な家庭の味がお好みなら」
包丁を取り出した泉屋。
泉屋「作ってる間、何か面白い話でもしてて
くれないか。先生がまた寝ちまう」
伊上「じゃあそのシメジにまつわる秘話でも
話そうか」
喜田「いわくでもあるんですか」
伊上「織田の体験談だよ。駅の人ごみの中、
立ったままで小一時間も聞かされた」
古室「もったいぶらんでいい。もしも下らん
内容だったら・・・」
言う先から語尾が怪しげに。
伊上「彼、ある日上司から出張を命じられて
行先を訊ねたそうなんだが・・・」
●会社・オフィス・午前
上司のデスクの前に織田。
織田「姫路ですか?」
上司「違う。し・め・じ」
織田「しめじ? どこです?」
上司「あれ? きみ初めてだったか」
織田「ええ、多分・・・」
上司「確か佐田君が何度か行ってたな」
織田「聞いてみます」
●同・食堂・昼
テーブルでA定食を食べる佐田。
向い席にB定食のトレイを置く織田。
織田「ちょっといいか?」
佐田「ご遠慮なく。お、B定にしたか。俺も
迷ったんだよ、チキン南蛮かホッケか」
織田「お前さ、しめじって知ってる?」
佐田「ポン酢バターで食うと美味いやつ?」
織田「地名なんだけど」
佐田「あー、出張か!」
辺りの様子を窺うと顔を寄せて。
佐田「しめじはいいぞー。じっとり楽しめ」
共犯者に対するような後ろ暗い薄笑い。
織田「いや、行き方を・・・」
佐田「社用車のナビに入ってるって。居眠り
してても着くから」
●同・オフィス・午後
デスクでキーボードを打つ織田。
ネットで『しめじ』を調べるも徒労。
通りかかる若い女性社員・新井。
織田「ねえ新井さん」
新井「ハイ?」
織田「いま忙しい?」
新井、ファイルをひらひら。
新井「フルボッコにされたので今からピット
インでーす」
織田「質問とか迷惑じゃない?」
新井「センシティブな質問以外でしたら」
織田「しめじって町なんだけど・・・」
新井の愛想が雲散霧消。
ゲジゲジを見下ろすような目に。
新井「織田さんも結局ケダモノの同類だった
んですね、ほんと最低・・・」
●社用車・運転席・朝
カーナビを操作する織田。
予め登録された『しめじ』を選択。
ナビ「ルートを設定しました。到着予定時刻
は・・・」
伊上(声)「狐につままれた気分のまま出発
の朝を迎えた。とりあえず阪神高速を南に
下れば二時間足らずで着くらしい」
織田「出張って距離でもないな」
●同・承前
鼻唄まじりでハンドルを握る織田。
スムーズに流れていく車窓風景。
伊上(声)「その日は妙に道が空いていた。
金曜日の午前中とは思えないほどだ。気分
よく車を飛ばす織田。快調すぎたのが逆に
良くなかったのか・・・」
ハンドルを握ったまま薄目。
何度か抗うも、やがて負ける瞼。
●同・承前
織田、痙攣するように覚醒。
思わずブレーキを踏みかける。
山間道路を正常に走行する車。
前後も対向車線もほとんど車影なく。
織田「いやいやいや・・・」
伊上(声)「奇跡的に事故も起こさなかった。
今考えると居眠り運転ではなくて一時的な
時間喪失だったのかもしれない。退行催眠
で道中の記憶が甦るやつ」
カーナビを見る織田。
山を抜けた先に市街地の表示。
●同・承前
大きな道路に合流する瞬間。
車体が泥沼に沈み込むような感覚。
慌てて周囲を確認する織田。
どこにでもある地方都市の風景。
意外と寂れた様子でもない。
ナビ「間もなく目的地周辺です」
ナビに従ってハンドルを切る織田。
伊上(声)「捕えられたような一瞬の感覚は
何だったのか。ともあれ予定通りの到着。
昼までに作業を終えれば、戻って残務処理
しても定時には上がれるだろう」
●中学校・通用門・午前
織田、チャイムを押して案内を待つ。
しばらくしてスピーカーから男声。
深淵から響く不自然な響き。
人外が人間を真似るような。
男「どなた?」
織田「三波スポーツです。防球ネットの設置
に参りました」
男「ネット? ああ野球部の。弱ったなあ」
織田「あの、何か手違いでも?」
男「今日、担当者が不在なんですよね。明日
出直していただけませんか」
織田「それは困りますよ。ウチも日にち指定
で伺ってるんですから」
伊上(声)「日帰りのつもりでいたからハイ
そうですかと引き下がるわけにもいかない。
融通きかない相手と不毛な押し問答の末」
男「うーん。じゃあとりあえず役場の教育課
に聞いてもらえません?」
●町役場・教育課・昼
カウンターを挟んで織田と女性職員。
気弱そうに縮こまる職員・中嶋。
織田「責任者の立会いが必要だとおっしゃる
んでしたら、代わりに貴女でも」
中嶋「ですから、そういう決まりは・・・」
背後から肩を叩く笑顔の上役。
中嶋「あ、伊瀬課長・・・」
伊瀬「いいよ中嶋さん、私がお話するから」
代わった伊瀬、さらに笑顔爛漫。
伊瀬「このたびは当方の不手際でご迷惑を。
実は学校側の担当者が秋の祭礼で徹夜番に
選ばれまして、終日くさびら様の祠に籠ら
ねばならんのです。明朝には戻りますから
今日のところはご容赦ください。お詫びと
申しては何ですが今夜の宿はご用意させて
いただきます。それと、こちらの方も」
伊瀬、盃を傾ける仕草。
織田「そこまでしてくれとは・・・」
伊瀬「まあいいじゃないですか、まあまあ」
伊上(声)「愛想の好い親爺に丸め込まれ、
泊まりを承諾してしまった。社に連絡する
と、気持ち悪いくらいすんなり決裁が通る。
その夜、町の旅館で一席が設けられ・・・」
●ダイニングバー<四つ薔薇>・夜
材料の切り分けを終えた泉屋。
フライパンにオリーブオイルを引く。
喜田「やっとそれっぽくなってきたぞ」
泉屋「伊上の話はいつも枕が長いんだ」
喜田「先生、いよいよ佳境ですよ」
古室「ん? 料理できたの?」
泉屋「そっちの方はまだまだこれから」
音を立て始めた油にガーリック投入。
伊上「君ら、毎度ながら口さがないな。まあ
いいや、旅館での一席は・・・」
●旅館・客室・夜
広めの客室に少人数の宴席。
織田をもてなす役場職員たちの他に。
町の名士っぽい良く判らぬ連中。
それなりの芸者連が音曲を奏でる。
上座の織田、酒と小唄にほろ酔い。
銚子を手ににじり寄る伊瀬。
伊瀬「ささ、もう一杯どうぞ」
織田「いや、もうぼちぼち・・・」
伊瀬「溢れる溢れる。ぐいっと」
遠慮しながらも注がれた分は飲む。
伊瀬「どうですかこの町は。料理もなかなか
のもんでしょ」
八割がた食べ尽くした膳。
織田「山の幸に海の幸、どちらも新鮮で結構
ですね。それにこの茸鍋」
伊瀬「それこそ我が町の誇りですわ。気候が
ちょうど生育に適してましてね。松茸椎茸
エリンギエノキ、何でも穫れますが中でも
ブナジメジは唯一無二ですぞ」
織田「いい出汁が出てるし、身もプリプリ。
スーパーで売ってるのとは別物ですね」
銚子を携えた若い女性が傍へ。
目元を朱に染めて婀娜っぽく微笑む。
織田「ああ、どうも。あれ、どこかでお会い
しましたか?」
伊瀬「またまた。中嶋ですよ、私の部下の」
織田「なか・・・ああ! 役場の!」
中嶋「昼間は失礼をいたしました。どうか、
一献お受けください」
織田「いやあ驚いた。見違えました」
地味な事務服から一変した姿。
華やかなニットとタイトスカート。
清楚ながら体の線を目立たせる。
中嶋「あまり見ないで。恥ずかしいです」
織田「あ、これは失敬!」
慌てて猪口を空ける織田。
織田「何だか暑くなってきちゃったな」
額の汗を手の甲で拭う織田。
その様子をニヤニヤ見ている伊瀬。
●ダイニングバー<四つ薔薇>・夜
フライパンに一口大の鶏肉。
軽い狐色がついたところでベーコン。
古室「いい感じにジメッとしてきたぞ」
喜田「ここからの描写が腕の見せ所ですよ」
伊上「いちいち口を挟まんでくれよ。調子が
狂っちまう・・・」
フライパンに加わるピーマンの緑。
●旅館・客室・夜
窓からの月明りに浮かぶ暗い室内。
どこからか聞こえる祭囃子。
敷き延べられた布団に織田。
浴衣姿で寝苦しそうに悶える。
織田「うーん・・・暑・・・」
汗で濡れた胸元を開いて風を送る。
何か柔らかい物体に当たる肘。
添い寝する中嶋の白い裸体。
織田「あっ、ごめんなさ・・・」
中嶋の指が織田の唇を塞ぐ。
中嶋「・・・くさびら様の夜ですから。拒む
のはご法度ですよ」
婉然たる微笑が近づいて。
艶かな唇が織田の言葉ごと吸い尽くす。
湿った獣のように絡み合う二つの肢体。
狂騒的に高まる笛太鼓の音。
●同・明け方
寝汗まみれで目を覚ます織田。
織田「中嶋さん・・・」
余韻を楽しむように隣に手を伸ばす。
触れた感触の異様さに驚愕。
目の前で広げた指先に粘糸と粘液。
飛び起きて布団を一気に剥がす織田。
織田「中嶋さ・・・」
水に浸かったように湿った敷布団。
その上に人型に生えた大量のシメジ。
織田、声にならない叫び。
●しめじ・明け方
重い雲の下、一夜にして朽ちた町。
建物をまだらに覆う菌類。
道路は全て汚泥に飲み込まれて。
伊上(声)「余談だが、シメジは漢字でこう
書くそうだ・・・」
おどろおどろしい字体で『湿地』。
●ダイニングバー<四つ薔薇>・夜
フライパンに大量のシメジとシイタケ。
熱された水分が盛大に歌う。
対照的に黙り込んだ聴衆。
泉屋「・・・二分八でボツってとこか」
伊上のしかつめらしい顔が崩れる。
伊上「参った。やっぱりダメかな」
泉屋「どうにかなるなんて思ってないだろ、
五分ででっち上げたネタで」
伊上「だよな。椙田さんシビアだもんな」
喜田「・・・なんだ、『月刊綺譚』向けの新
ネタですか」
伊上「来月号の〆切が明日でさ。苦し紛れに
シメジ縛りでアドリブかましてみた」
古室「方向性は悪かないが、ディテールが今
ひとつだな。実録怪談で行くかクトゥルー
で行くか、どっちかに振り切ってもいいん
じゃないか」
喜田「インスマスくらい町の異様さを盛って
みるのも有りですね」
古室「魚人に対抗して茸人間を出そう」
伊上「他人事だと思って好き勝手言うなあ。
第一、そこまでやるともはや『マタンゴ』
ですって」
泉屋「最近深夜アニメでもそのネタ擦ってた。
三番煎じだよ」
喜田「深夜アニメも守備範囲なんですか?」
泉屋「今や物語創作の最前線だから。ヘタな
連ドラ観るより刺激になる」
喜田「ドラマも捨てたもんじゃないですよ、
玉より石の割合が多いですけど」
古室「テレフィーチャーの枠が消滅したから
ますます玉を見つけるのは大変になった。
土ワイの『盗まれた情事』は良かったな」
泉屋「今考えても豪華な顔合わせでしたね」
伊上「俺リアタイで観てた。ラストの平泳ぎ
する女たちが未だにこびりついてる」
泉屋「土ワイと言えば清張の『証言』も印象
的だったなあ」
喜田「何回も映像化されてますよね」
泉屋「小林桂樹の映画もいいけど、いま言い
たいのはショーケンの出てたやつ」
古室「あの取調室シーンな」
泉屋「いつもの感じのショーケンにがっぷり
四つで組む渡辺いっけいが凄いんだこれが」
古室「おかげで主役の影が薄いんだよ」
伊上「そういやこの間、『遠い座敷』に言及
してたアニメが有ったな。筒井短編で一番
好きだから妙に嬉しかった」
古室「君、小松短編なら『骨』派だろ?」
伊上「何で分かるんです?」
古室「演繹的推理ってやつさ」
泉屋、焜炉の火を落とし塩胡椒。
泉屋「<四つ薔薇>謹製・ずぼら炒めの出来
上がり。冷めないうちにどうぞ」
喜田「・・・そのシメジ、平気ですよね?」
泉屋「鮮度は問題なさそうだったけど」
喜田「いや、胃の中に茸生えたりとか」
伊上「織田が御礼に貰ったやつって言ったろ。
最初の話の入り、もう忘れた?」
●同・承前
皿に分けられた炒め物を食す三人。
グラスを傾けながら批評を待つ泉屋。
喜田「なかなかいけますね、これ」
古室「シンプルな調味で茸の旨味が立ってる。
料理も物語もこういうのがいいんだよ」
泉屋「お褒めに預かり汗顔の至り」
伊上「酒が進むよ。誰に教わったの」
泉屋「家庭の味って言ったろ、忘れた?」
伊上「おっと、これは一本」
古室「『忘れた』で思い出した。まだ忘れちゃ
いないだろうね諸君」
いつになくシャンとした古室。
伊上「・・・もちろん。出来れば忘れていて
欲しかったですけど」
喜田「まだ書けないんですか?」
伊上「仕事を差し置いては書けないよ」
喜田「ホンさえ用意してくれれば女優の方は
僕が何とかしますから」
古室「劇伴だってプロットを元にもう二三曲
書いてる。ぐずぐずしてるなら他所に渡し
ちまうぞ」
泉屋「心強い仲間ばかりだ。こりゃハッスル
しない訳にいかないね」
伊上「これ以上プレッシャーかけないでくれ。
ソルティドッグお代わり」
泉屋「あいよ、ただいま」
伊上「塩をケチるなよ」
泉屋「はいはい、気難しい脚本家先生」
伊上「うるせえ、ヘボ監督」
快い酔いと緩い笑いと儚い夢が漂って。
バー<四つ薔薇>の夜は更けてゆく。
了
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