アルタイ語族説



 特に、フィンランド語、エストニア語、ハンガリー語、サモイェード語などのウラル語族とともに「ウラル・アルタイ語族」を形成するとの説も提出されていたが、今日では有力なものとは言いがたい。

 その系統的親縁関係に懐疑的・ないし否定的な考え方からすれば、それらの共有する文法的・語彙的類似性は、比較的後世の接触による借用の結果生じたものということになる。

 日本語が「ウラル・アルタイ語族」に属する根拠としてあげられるのが、1908年に「国学院雑誌」に掲載された藤岡勝二の「日本語の位置」論文の十四か条である。



(1) 語頭に子音が二つ来ない。
(2) r音で始まる語が無い。
(3) 母音調和がある。
(4) 冠詞がない。
(5) 性がない。
(6) 動詞の変化が屈折法によらず膠着法により、一律である。
(7) 動詞につく接尾辞・語尾がかなり多い。
(8) 代名詞の変化が印欧語と異なる。日本語のは助詞すなわち「てにをは」の接辞による。
(9) 前置詞の代わりに後置詞がある。
(10)「持つ」(have)という語がなく、「・・・に・・・がある」という表現法を用いる。
(11) 形容詞の比較を表すのに、英語のように接続詞(that)を用いないで、奪格を示す「てにをは」(日本語では「より」)を用いる。
(12) 疑問文は陳述文の終わりに疑問を表す助詞(日本語では「か」)をつけて作る。
(13) 接続詞の用法が少ない。
(14) 語の順序。修飾語は被修飾語の前に立つ。目的語が動詞の前に立つ。

 もっとも、日本語と南方諸語との関係を重視する立場からの反論が提出され、また現代の言語類型論的観点からは、そのままの形では受け入れがたい学説となりつつある。


参考文献

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: