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2010年04月08日
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鬱病・パニック障害を東洋医学で治す! 第10号

タイトル: 幻聴・幻視などについて




 前回は呼吸をコントロールすることで自分のリズムを調整する方法について書き
ました。
症状が出てしまったり、状態がひどいときには何をしてもなかなか簡単には落ち着
きませんから、ともかく日常的に自分のリズムを確認して、過度な緊張やハイテン
ション状態にならないように注意しておくことが大切です。



鬱病や統合失調症などの患者に多くみられる症状の一つに 幻聴/幻視など異常な
感覚があります。 耳の奥で誰かがささやく声がする・・他の人には見えないもの
が見えたりする・・・。
このような話は一般には、とっても怖いし気味が悪いです。 もしも友達や家族の
中の誰かが、こんなことを言い出したら、どうしていいかわからず、場合によって
は気持ちが離れていってしまうこともあるでしょう。 ほとんどの患者は人に相談
することもできず、また相談した結果、周囲から孤立してしまいます。

 幻聴や幻視などというと、とても不気味で不可思議なイメージがありますが、ま
ずここでは、それについてきちんと理解し対応するための方法を書きますので、ど
うぞむやみに怖がらないようにお願いします。

 幻聴と幻視は大ざっぱにみて ほぼ同じ症状なので、ここでは幻聴として書きま

幻聴にも、いくつか種類があるようです。 よくあるのは、頭の奥で誰かがささや
く声がするもの・ 声とともにいろんな情景も伴うもの・ 言葉ではなく、バタン
とかガチャンというように現実にはない音が聞こえるもの・・など状態によってさ
まざまです。

耳の奥で誰かがしゃべる声が聞こえる・・・。

ないかと怖くなったりします。
 しかしこれまで述べてきたように、もう一人の自分の存在を理解し、耳の奥から
聞こえる声はその人なのだと、とりあえず考えてみてください。 悪魔でも悪霊で
もなく、あなたと一緒に生きている もう一人の自分が何かを訴えていると考えて
話をすすめてみます。

 まずはこのように理解して、ともかく幻聴を怖がらずに、きちんと向かい合う姿
勢をとってみてください。
 初期の症状として激しい幻聴となることが多いようです。言葉の内容も激しいも
の危険なものもあるようですし、なによりも本人が不安や恐怖で、さらにパニック
を起こしてしまっている状態になりますから、初期の段階では、とりあえずそれを
鎮めるために薬剤で症状を抑えるのが安心かもしれません。

 しかし状態が落ち着いてきたら、その幻聴と正面から向かい合い、その声や言葉
の内容を積極的に聞いてあげる姿勢をとってください。 怖がって幻聴の声から逃
れようとしたり、否定したり、消そうとしたりすると、ますます幻聴の声は激しく
なってしまう可能性があります。
 くれぐれも幻聴の声は、自分にとって大切な もう一人の自分の言葉なのだとい
う認識で接してください。

 一般的には、誰でも もう一人の自分との会話をしています。
たとえば、電車やバスに乗っていて、急にトイレに行きたくなったとき オシッコ
がしたいと感じます。 このとき、あなたの頭の中には明確に “オシッコがした
い” と訴える言葉が聞こえているのではないでしょうか? お腹がかゆいとか痛
いとかではなく、はっきりと意味のある言葉として聞こえているはずです。
それに対して “ここではできないから、あと2つ目の駅まで我慢してね” とい
うように返事を返している あなたがいるはずです。

このように、本能的な もう一人の自分と、社会的な自分との間では日常的に多く
の対話と、現実的な行動について する/しない・というような交渉や選択が行わ
れています。

 また 大学に行くべきか就職したほうがいいのか・・というような人生の岐路に
立つときなどでは “もう少し勉強したいから大学へ行くほうがいい”
 ”いや・今の時代は早く就職して技術を身につけるのがいい”
 というように、自分の中で、この選択について結論を出すべくディスカッション
を行うでしょう。
これらの対話は無意識に行われているので、聞こえていないような気がしているだ
けで、実際には対話が行われています。

 このように 「もう一人の自分」の存在を理解し、むやみに怖がったりする状態
から、できるだけ早く意識を変えてゆくことが回復のスタートラインです。
ただ、ほとんどの場合、幻聴が聞こえるようになるほどの苦しい状況が体のどこか
に起きているはずです。 もう一人の自分が、“苦しい・疲れた・なんとかしてく
れ!”と叫んでいる状態になっていないでしょうか。

 実際に幻聴のある患者の体を見ると、胸や背中が異常に緊張していたり、お腹に
強い緊張があったり、足がすごく緊張して堅くなっていたり・・というように体が
強い違和感を訴えているのに、患者自信がそのことに気づいていないような場合が
多いようです。
 体が苦し紛れに叫んでいる・何かを訴えている・と仮定してみて、意味不明な内
容についても、何を訴えているのだろうかと理解する気持ちで接することが大切で
す。

 ただ、やはり本来聞こえないものが聞こえるのは不自然なので、聞こえないよう
にする方法について考えてみましょう。

 答えとしては・・ 安心できれば叫ぶ必要がなくなる・ リラックスできれば不
調を訴える必要がなくなる。 ということです。

 では、いったいどこが不調なのか? ストレスがどのようにたまっているのか?
 それはどうすれば回復できるのか?
これがわかっていれば、あるいは軽いうちに気づいていれば、おそらく病気にはな
らなかったでしょう。 患者の多くは、症状が落ち着いても体の感覚の鈍化が強く
あり、自分ではすでに何が何だかわからない状況になっていることがほとんどです。
 そのような状況では自己治癒力はコントロール不能になっているので、感覚の変
化を外から体に再認識させる第三者の治療が必要になります。

具体的にどこをどうすると説明するのが難しいのですが、体との対話によって、緊
張は緩和させる、冷えは暖める、熱は冷やす・・というように、全体のでこぼこを
平坦にするような治療をしています。 感覚が戻ってくれば、後は自分で回復させ
ることができるようになります。


 自分で自分の体の緊張状態やリラックス状態がわかるようになったら、後は自分
で自分の体に聞いてみることで自己治癒力は回復してきます。 もう一人の自分が
言葉に出して訴えなくてはならないほどの、何かひどい状況・不安な状況がどこか
にあったはずです。 そこから自分で治すヒントが得られるはずです。
たとえばどこが調子悪いの? 呼吸はどうだい? 足は冷えていない? のように
体の状態について聞いてみてください。
 誰でも、苦しいときに優しく話しかけられたり、手をあててもらうだけで安心す
るものです。

 しかし幻聴の言葉や内容は、ある種の翻訳が必要であることも覚えておいてくだ
さい。
たとえば “おまえの頭を壁にぶつけろ” とか ”家の窓ガラスを割ってこい”
 というように、社会的に問題のある言葉や危険な命令をしたりすることがありま
す。
幻聴を怖いと思うのはこのあたりなのですが、これについては理解と、ある種の翻
訳が必要です。

 “壁に頭をぶつけろ” というのは、体の状態に気がついてほしい・という強い
メッセージではないでしょうか。
 ”家の窓ガラスを割れ” というのは、強いストレスを発散させたい・というメ
ッセージと考えられないでしょうか。
誰でも、我慢しきれないほどのストレスがたまったときには、 ”ああいうことし
たら すっきりするだろうなあ” などと、よくないことが頭に浮かんだりするも
のです。しかし同時に ”それやると まずいよなぁ” と抑制をかける自分がい
ます。

 幻聴の言葉に問題があるときや危険な命令であったりするときは、さらにしっか
りと向かい合ってください。
 “自分を傷つけても解決にはならない” “後が大変だから窓ガラスは割れない
” のように強く自分の意志を言って拒否してください。
 また ”窓ガラスは割れないが、アスレチックで走るのはどうだ” というよう
に別の提案をすることも必要です。 相手は当然このような対話に応じてくれます。

 体にストレスが蓄積して苦しいとき、何かの形で派手に放出したくなるときに、
このような問題や危険のある言葉が聞こえることもあります。 中にはその言葉を
聞いて、その通りに実行してしまい、自己嫌悪に陥ったりすることもあるので注意
が必要です。

 幻聴を怖がったり否定したり逃れようとしたり消そうとすると、どうしても奇異
な行動をとってしまいがちです。 変になっているのは もう一人の自分であり、
 それを見ている正常な自分がここにいることを自覚して、何が言いたいのかを深
く理解してあげる姿勢。 きちんと向かい合い、自分の意見を言う/論議する姿勢
が大切です。
 私と もう一人の私の関係において、社会的には私が主人であり指導者ですから、
社会的に問題のある言葉や内容に対して “それはできない”と はっきりと拒否
することが大切です。
 もちろん幻聴の相手は、あなたの親友である もう一人の自分なのですし、おそ
らくは苦悩している状態なのですから、相手の意見や苦悩や感じていることにも、
しっかりと耳を傾け、相手を尊重する姿勢がなければなりません。

 これまでの体験では、治療により体をリラックスさせることで幻聴は鎮まります。
さらに患者がこれらについて、より深く理解すると、症状はしだいに少なくなり、
言葉の内容もおだやかに変化してきます。
 幻聴を消してしまおうと考えないで、むしろその声を大事にして一緒に生きてゆ
く姿勢になることが、結果として幻聴を出なくすることにつながるように思います。

 幻聴の別のパターンとして、まるで おとぎ話の世界にいるような音と映像を持
った人もいました。 聞いていると楽しくなるようなワンダーランドがあって、患
者自身がそこで楽しんでいるような世界をもっていました。
程度によりますが、このような場合は基本に楽しさがあるので、視点を少し変える
だけで回復してしまうように思われます。
これについてはまた別の項でお話してみたいと思います。

 幻視については、患者の例が少ないために、より具体的なお話ができませんが、
見る/聞くなどの感覚を情報として管理しているのは脳です。
見るという感覚は、 目に映ったものを脳で画像として認識した状態です。
友達の顔を、離れていても思い浮かべることができるのは脳にそのデータが保存さ
れていて、いつでも見える状態になっているという仕組みがあるからです。
 なので幻視も別に不思議な現象ではありません。
問題は、通常は見えないものが見えてしまうように過敏にならなければいけない体
の状態にあります。
幻視が現実と区別できないほどの、体の不調がどこかにあるから・・と考えると、
幻聴と同じように対応することで鎮まってくるものだと思います。



こころ と からだ  イエラ治療室
http://elnet.jpn.org/hari/
〒166-0001 東京都杉並区阿佐谷北1-9-2
電話番号 :03-3338-6711






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最終更新日  2010年04月08日 10時51分03秒
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森永 さん
私は、幻聴が少し聞こえます。あなた様のおっしゃることを、参考にして、治す為に実践してみます。大変に貴重なことをおしえて下さり、誠に有難う御座います。 (2011年07月06日 21時39分38秒)

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