探偵の夜明け

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2005.08.09
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カテゴリ: 探偵の日常
写真を撮る事は、探偵にとって重要な仕事のひとつです。

その為、調査員は全員、カメラを携帯し、使用出来る様にしてあります。
また、本調査前の下見みたいな感じで、対象者の自宅等を事前に撮影しておく事もあります。

その日も別の現場終了後、新しい現場の事前調査をしていました。
あとは対象者の自宅周辺を下調べして、写真を撮ってくれば終了です。
しかし、その自宅までは舗装されていない山道を10分ほど登らなければいけない。
「何でこんな所に家を建てたんだ?」と問い質したくなるほど、不便な場所にあったのです。

霧が出始めた暗い山道を登り、写真を撮って引き返す。

周囲が霧で真っ白になり、1m先もほとんど見えなくなっていたのです。
無理に進むのは危険と判断し、しばらくその場に留まる事にしました。

30分経過、霧が晴れる様子は無い。
それはともかく、さっきから人の話し声が聞こえるような気がする。
対象者の家からは離れているので恐らく幻聴でしょう。

(考えてみたら、霧って一晩中出てるもんだよな?)

次の日も現場があるので、いつまでもそこにいるわけにはいきません。
意を決して歩き始めました。
断じて、幽霊が恐いわけではありません。

・・・20分以上歩いているのに下界に辿り着けない。
どうやら道から外れてしまった様で途方に暮れていると、周囲から私を嘲笑う声が聞こえてくる。

歩いている最中、ずっと後ろに何かの気配を感じるが、考えすぎだろう。
そうでなければ一体何だというのだ!

(とにかく下に向かって歩いていけば道に出られるはずだ。)

それにしても、周りが随分にぎやかだ。
笑い声はさっきからだが、それに混じって「頑張れ」だの「あきらめろ」だの。

外部からの声であるわけがない。

ようやく舗装された道に着き、車へ戻る。
夜露に濡れたボンネットに無数の手形がついているように見えたが、そんなことはありえないので、目の錯覚以外の何ものでもない。

ライトを点けるとぼんやりとセンターラインが見えたので、それを辿ってなんとか会社に帰ることができました。
霧で何も見えなかったのは逆に良かったのかも知れません。
もし見えていたらきっと私の周りは幽霊だらけで今ごろは・・・キャー!

後日、その時の写真を見てみると、幽霊が写っていた!・・・なんてことはありませんでしたが、霧で真っ白でした。
ある意味命懸けで撮ってきたのに無駄骨になってしまいました・・・。


ハート探偵社







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Last updated  2005.10.20 13:25:08
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