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2005.09.01
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カテゴリ: 鬼・・・
「鬼瓦の嫁、略して鬼嫁」

昨日の夜の出来事です。
会社から出ようとしたら、外から鬼瓦氏の声が聞こえてきました。
どうやら、電話をしている様子です。


鬼「ごめん、ごめん。今日は大丈夫。早く帰るから。」


電話の相手は奥さんのようです。


鬼「本当だって。今日は夜の現場、入ってないから。」


前の日に何かスッポかしたのか、しきりに謝っています。


鬼「プレゼントも買ってあるから終わったらすぐ帰るよ。忘れるわけないだろ、君の誕生日を。」



鬼瓦氏の口から「君」という言葉が出たことに少し引きながら、私の頭はフル回転を始めました。
ふっふっふ。これは日頃の恨み・・・いや、感謝の気持ちを表すチャンスです。


しばらくして、戻ってきた鬼瓦氏。


私「そういえば、この間入った新人の歓迎会、やってませんよね。今日は夜の現場ないから、みんな誘って行きますか?」


鬼「・・・・・・。」


あきらかに聞こえないフリをしている。


私「鬼瓦さん、みんな揃うの滅多にないんだから行きましょうよ。」

鬼「バカだな、お前は。最近みんな忙しかっただろ?たまには早く帰らせてやろうとは思わないのか?」


そんな事は、想定内だ!


私「さっきみんなに話したら喜んでOKしましたよ。」

鬼「なんだよ・・・。もう話してあるのか?勝手に・・・俺は聞いてないぞ・・・。」





私「だから今言ってるんじゃないですか。」

鬼「いや・・・そうだけど・・・俺にも予定ってもんが・・・。」

私「あ、なんか予定があったんですか?」

鬼「そうゆうわけじゃないけど・・・。急に言われてもな・・・。」

私「いつも急に行ってるじゃないですか。」




この人が、断われない性格なのは、良く知っている。

そう言って会社から出て行く。
もちろん私は後を追う。


鬼「大丈夫。2時間くらいで終わるから・・・。ごめん、絶対に今日中に・・・もしもし?おい!」


どうやら言い訳の途中で電話を切られたようです。
戻ってきた鬼瓦氏がうつむきかげんに椅子に座る。
あきらかにテンションが低い。
さて、ダメ押しをしてやるか。


私「みんな、今日は朝まで飲むって言ってましたよ。楽しみですね。」

鬼「え・・・いや・・・それは・・・。」


ちょっと泣きそうな顔になっています。
さすがに可哀相になってきたので、このへんでやめてあげることにしました。
自分の携帯電話で会社の電話を鳴らします。


私「はい。・・・おー、どうした?・・・そうか。じゃあしょうがないな。分かった。」


受話器を置いて、鬼瓦氏を見ると、目の焦点が合っていません。


私「新人の奴が急に用事できたみたいで来れないそうなので今度にしましょうか?」


みるみる顔に生気が戻ってきます。


鬼「そ、そうか!しょうがないな、最近の新人は。俺が新人の頃は何があっても上司の誘いは断わらなかったけどな!」


なるほど、だったら、


私「そうですよね。電話して無理やりにでも来させます。」

鬼「いや、待て!急な用事なんだから大目に見てやろう。今回は説教だけで許してやれ。」


よくもまあ、そんな事が言えるもんだ。
自分が主催した飲み会だったら、赤鬼に変身してタコ殴りにした上で出席させるくせに。


私「分かりました。よーく言っておきます。『彼女の誕生日くらいで欠席するな』って。」

鬼「そ、そうか。よく教育しといてくれ。」


そして、また会社から出て行きました。
物足りない気もしますが、今回はこれくらいで勘弁しておきます。

それにしても、あの鬼瓦氏が恐れる奥さんはどんな人なのだろう・・・。

ハート探偵社





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Last updated  2005.09.01 17:01:35
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