Heikの狂暴温泉芸者

Heikの狂暴温泉芸者

空間





人間には

神様さえも

触れてはならない

空間がある




その禁猟区では

理屈では

とおらない

不条理な

規律がある




鍵をかけた

ロッカーには

純白の紙が

沢山つまっている




よしなしごとを

その紙に書き込んで

大切に保管している




空間は

まるで赤ん坊の

足裏のように

無垢である




少し他人から

つつかれただけで

もろくも

ボロボロと

音を立てて

崩れゆく




だから

誰も

触らない

誰にも

触らせない




そんな空間が

人間には 確かにある





二OO三年十月九日

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