ひぃの日記

ひぃの日記

2007.4.5 アンカラ3日目


アンカラ滞在3日目の朝がやって来た。

外は雨が降っている。

やみそうにもない。

今日は1日、うちの中で過ごすことになるのかな・・・・・・?



滞在している友達の家もそうであるが、トルコはイスラム教の

国。友達の家族は敬虔なイスラム教徒だ。

イスラム教では1日5回の礼拝を行っている。

この家のお母さんも、お父さんも、おばちゃんも1日5回の礼

拝を行っていた。礼拝の時、口元がいつも動いている・・・・・・。

何を言っているんだろう?

お母さんに尋ねてみた。

礼拝の際にはいくつか唱える言葉があるとのことだった。

お母さんは私の持っているノートへその言葉を全て書いてくれ

た。唱えている全ての言葉には意味があるのだそうだ。

お母さんはイスラム教についてたくさんのことを話してくれた

のだが、私のトルコ語のレベルで全てを理解することは難しか

った。

お母さんごめんなさい。

お母さんがとても一生懸命話してくれていたので、わからない

と言えなかった・・・・・・。


でも、今も、心に残っているのは『アッラーはひぃのことが好

きなのよ。ひぃのことをいつも見てくれているよ。』と言って

くれたこと。その時は、お母さんが話してくれたこの言葉の意

味がよくわからなかった。





その言葉の意味を理解できたのは旅を終えるころだった。




雨は1日中降り続いた。

が、その雨の中、お母さんと私は街の中にある展望台へと出掛

けて行った。

出掛けた先で、礼拝の時間がきた。

トルコには、例えばショッピングモールの中や、街の中に、礼

拝をするための場所が設けられている。出かけている時に礼拝

の時間になった時、近くにモスク(寺院)があればもちろんモ

スクで礼拝をするのだが、近くにモスクがない場合は、人が集

まる場所に設けられている礼拝をするための場所で、礼拝をす

る。

お母さんは私にこう言った。

『ひぃ。私はこれからお祈りをしてくるけど、外で待ってる?

それとも私と一緒にお祈りをする?』・・・・・・と。

私は『一緒に行く。』と、返事をしてしまった。

お母さんは私を礼拝をするための、小さな部屋へ一緒に連れて

行ってくれた。

トルコに魅せられ、トルコ語を勉強し、トルコについて、イス

ラムについて多少の知識はあるものの、私は日本人。イスラム

教徒ではない。それなのに、この部屋に入っても良いのか戸惑

った。私はこの部屋に入るべきではないのではないかと。



お母さんは礼拝を始めた。

私もお母さんの隣で礼拝をした。

もちろん遊び半分ではない。

冷やかしでもない。

興味本位ではもちろんない。

真剣に礼拝をした。








身の引き締まる思いがした。








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