僕のできる事

僕のできる事

ある男の人生3章


 一也の忘れることのできない、1987年
十二月十七日、久々にすがすがしい朝である、
何事も無ければ、会社まで1時間でいけるのだが、もって生まれた性分というのであろうか、出かける前に朝風呂に入り、トイレに3回の行き、準備万端、6時ではでかけるのにはやすぎるとおもい、落ち着かないけれど、テレビにうつる時間と、新聞を交互にみなが、インスタントコーヒーを飲みながら、六時半になった時、
“じゃあいってくるよ”と一也がいうと、
“事務所に入る前に、大きく深呼吸をして大きな声で、あいさつするのよ、わかった”
と、妻に激をいれられ、
“財布、手帳、筆記用具、ノート、ハンカチテッシュ、皮の手提げかばん、準備OK、いってらっしゃい”
全て今回の就職の為に、妻が用意してくれたものだ、財布の中には、テレカが2枚、一枚は娘と息子が七五三のときの記念写真をテレカにして親しい方にさしあげたもの、一也にとっては唯一の家族を忘れない為のお守り、いままでも夜遅くなって帰れない時、くじけそうになった時、このテレカを見て、ふんばってきた、一也の大切な家族のテレカである
駅について、財布をあけると、小銭のほかに

5千円札が1枚入っていた、心の中でありがとうと、妻に頭をさげ、JR南武線の平間から東横線の武蔵小杉で乗り換え、谷村でJR山手線に乗り換え、新宿でおりたが、新宿の駅は東西南北に出口があり、出口をまちがえると
方向がさっぱり、わからなくなってしまうのは自分だけだろうか?
そんな、のんきにしている余裕は一也には無かった、何の為に早起きをしたのか、面接の時に頂いた会社案内をカバンからだし、今どの位置にいて、どの方向へいけばいいのか、
大きく深呼吸をして確かめた。
何とか、8時前に会社につきほっとしながら
事務所のドアを開けると、既に一人、きてい
た。
“おはようございます、本日から御世話になります、竹村と申します、よろしくお願いいたします”
“私は、芹沢と申します、頑張ってください竹村さんの席はここです、落ち着かないでしょうけど、皆さんがくるまで、ゆっくりしてください”
“ありがとうございます”
机で仕事ができるなんて考えもしなかった。
一人、2人と出社してきはじめた。
一也は、1時間近く、“宜しくお願いします
をくりかえすだけだった、朝礼がはじまり、
司会の方が、
“それでは、今日から入社致しました、自己紹介をしていただきます、それでは”
“只今、ご紹介いただきました、営業は、まったくはじめてですので、一日も早く成果のあげられますよう頑張りますので、宜しくお願いいたします”
と同時に、開発担当の辞令を龍田常務よりいただいた。
形式どおりの、拍手を頂き、朝礼がおわると
“私、遠矢と申します、と名刺をさしだされ見る戸、肩書きは、課長となっていた、今日から一週間竹村さんの研修指導させていただきますので宜しくお願い、致します”
“いやあ、こちらこそ、なにもわかりませんので、宜しくお願いいたします”
なかなかの、好青年という印象がした、
   研修スケジュール
十七日から十九日
 午前 座学  
     一 社員として、社会人としてのモラル
     二 会社の方針、目標
     三 コンビニエンス・ストアについて
午後 遠矢課長による
  一コンビニエンスの現状と、
これからの戦略について
      二開発について
二十一日二十三日
    同行研修
という内容の用紙をもらい、一人会議室で、
一日でも早く,実績をあげたいと燃えていた
心が、開発マンとして車で移動中にポケベル
がなり、
“谷村です、ところで竹村さんは、レジは使
 えますよね?開発で張り切ってやっている
とは思うのですが、大変申し分けないけれど
今から,すぐに直営店に行ってください、
突然、店長がやめることになってしまったの
で,店長としていってほしいんですが、これ
は,会社の辞令として了解してください“
一也は。直営の南林間店へ向けて車をはしら
せた。

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