僕のできる事

僕のできる事

ある男の人生5章



 “貴方、お店のアルバイトのかたからよ”

眼ガ開かない、とにかく起きなければ、ワン

ツウ、スリー、娘と息子も心配して、

“もう、いくの?”

“仕事だからね”

と受話器をとり、

“おはようございます”

“竹村さんですね、私、アルバイトのつちやです”

“昨日から、任されました竹村です”

“実は、泥棒がはいっていて、金庫がからっぽです、できればすぐきて欲しいのですが”

“ハイ、7時までにつけるようにします、警察に連絡しておいてください、すぐでかけますから”

結局、その日の営業は、十六時からとなった

休みの従業員も呼び出され、諮問をとられ、

なにがなんだか、どお、対応すれば頭の中は真っ白のようだ、その時、肩をたたくひとが

いた、後ろを振り向くと、SVの川口さんだった。

“竹村さんしょうがないよ!来週、一緒に会社に頭さげにいこう”

“申し訳ありません、初日からこんな不始末で”

その時に、ふらっとしたのは、つかれのせいではなかったのかもしれない、それから2日

過ぎた、午前5時半、電話のベルが何時もと違う音がして、いやな感じで受話器をとった

“店長ですか?”

“はい、そうです”

“また、泥棒です、今回はなにもとられていませんが、きてくれますか?”

“こちらこそ、あやまらなければ、とにかくすぐでます”

どうしてだろう?一也は車を走らせながら、

考えた、店を閉めたのは一也自身で、不思議に思っているうちに店に着いた。

営業は支障なくされていたので、とりあえず

顔を洗い、髯をそり、ユニホームに着替え、

本部の留守番電話に報告をしておいた。

被害の個所は、カウンタ―の後ろのガラスを人が楽には入れるくらいに其れは、見事というぐらいきれいに、切られていた。

まだ、本部に出てくる人モいないだろうと判断して、記憶の新しいうちに報告書を書いて

いると、

“店長はいるか?大和店のオーナーだけど”

と、声が聞こえたので、直ぐに店に出て、 

“私でございます、竹村と申します、いつもお世話になっております”

“はいっていいかな?”         

“はい、どうぞ”             

“まあ、コーヒーでも買ってこいや”

と三〇〇円だされたので、

“これでは、多すぎます”

“店長の分も好きなの買ってこいや”

それから、パートさんがくるまでの1時間半ぐらいの間に、話をするというより、聞かせ

て頂いたという表現の方が正しいかも知れない、

名前 大川正 年齢三十六歳 鼓鶴会という太鼓の会の会長 鼻の下に見事な髯をはやし、頭はパンチパーマ、お腹のでている、

見るからに高そうな指輪、時計、腕には、金色のブレスレット、一也のまかされた店は、もともとは、大川オーナーが最初に契約をしたが、本部の試算どおりに、数字がいかないので、一時本部預かりとして、ある程度の経営ができるようになったら、引き継ぐ話になっているらしい、一也にとっては、初めて聞く話で

“ああ、そうですか”

と、うなずくことしかできない、

“内の店長の話だとこのところお客がふえているようだな、店長の車も、長い間とまっているそうだな、今までに本部の連中にはいなかった、まあ、身体に無理しないで、早くオーナーに返してください”といって帰った。



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