僕のできる事

僕のできる事

ある男の人生11章


一也は、5時に眼がさめた,身支度を整え,朝の食事を終えて、大和店に着いたのは,いつも通ってくる246号線が,時間の早いせいか、ほとんどノンストップの状況だったので六時半に大和店につき、
“おはようございます”
と挨拶し,ひととおり店をみて、
“オーナー困ります、カウンターで灰皿置いて,たばこを吸いながら、営業されては”
“はい、わかりました、それではオーナーが
終わるまで事務所でゆっくりしてください“
と,缶コーヒーを頂いて、9時になり
“いやあ、お待たせしました”
といった途端に事務所の扉をっすごい音で閉め、ドアに、鍵をかけて、おもいきりごみ箱を蹴飛ばし
“さっきは、よくもいってくれたな、聞いてればなにかいtt、カウンターに灰皿をおくなって、どうしょうと俺の店だ、本部がうれるようにしてくれないのだから、それともお宅が、売上をあげてくれるのかな”
と、ごみ箱は蹴飛ばし、顔は青筋をたてて、
一也は、オーナーのあまりの豹変に、ズボンのなかで、おしっこがちびってしまった。
しかし、ここで引き下がるわけにはいかない運営は、説得業、どの加盟店さんにも、平等に接していかなければいけないと言うポリシーをもってこの仕事をしているいじょう、この店だけを、特別待遇にするわけにはいかない、悪い事は悪いと言い切って、すぐに売上を上げるのはお約束できませんが、できる限りのことはやらしていただきます。
言いあっているうちに、十二時になると、今までのことが、何もなかったかのように
竹村君、前の五十番に出前を頼むのだけどなにがいい”
といわれてすぐに、これがいいですとはこのような状況の時に応えられる人はいないだろう位の複雑なきもちだったので、
“オーナーと一緒でいいですが”
“ようし、わかった、店長も今タン麺頼むから、きたら一緒に食べちえ!”
今までの、怒鳴り声がいきなりカナリアにかわったかのように
“もし、もし五十番さんですか、前のスパーですけど、タン麺3つお願いできますか、至急頼みます“
こんなに、早くできるのかというくらい、タン麺が野菜をいっぱい乗せてラップをかけてご主人らしい人がもってきた。
実のところ、緊張で食べきれる、自信がなかったが、箸をつけてみると一也の口に合う味で、やや緊張もほぐれてスープを一滴も残さず食べることができたが、本来本部社員は、お店の方に頂きものはしてはいけないことに
なっていることを食べた後に気がついたが食べた後に気がついても仕方が無い、食べおわると
“後は、店長と打ち合わせをしてくれ”
といって、オーナーは出て行った。
次の朝、ポケベルがなった、大和店である、
電話をすると、
“もうこないでいいから”
で、切れてしまった。
なにがあったの“だろう、とにかく店に顔をだそう、と車を走らせた
“おはようございます”
“昨日はなにをしにきたのかな”
“臨店です”
“なにか、していったのかな”
“店長とお話しさせていただき、臨店日報に記録させて頂きましたが”
“うちは、作文はいらないんのだ、売上がほしいのだよ!”
“十分承知しています”
“だったら、売上をあげていくのが、仕事じゃあないのか”
一也は、立って聞いているので、体中が振るえて、止まらない、みかねたオーナーは、一也をソファーに座らせて、経歴を聞いてきた。
どういうきっかけで、本部にはいったこと
入院した時のお礼をいって、それから、身体の調子が芳しくないこと、店には誠心誠意を尽くし、自分が叶わなかったことを一人でも多くの人に叶えて欲しいと望んでいること、ところが、今、理想と現実のギャップになにか方法はないかと思っていること、コンビニエンスは、儲かっていいはずなのに、新商品がはいるのが、遅いのではないか、他の店で、買った商品を買うわけが無い、親会社の戦略で社名も変えて、アスカビニエンス株式会社となって、株を店頭公開していますし、自分も、持株をもたせて頂いている身分で、言える立場でない事は十分わかっているのでっすが、儲かっていない加盟店さんが多いのに、なぜか本部のやっていることに納得がいかない、欠品指導をしても、商品がはいってこないことには、指導らしい指導もできない、運営は、本部の絶大なる、店の方にペナルテイを取れるくらいのノウハウがあれば、24時間営業も可能かと思いますが、収支もままならないのに、24時間営業しないから、売上がいかないのだという、本部の考えはおかしい、興奮して、身体を振るわせている
“竹村君、よくわかった、今の言葉に嘘はないな”
“はい!”
“俺の目の黒いうちは、神奈川地区から転勤させるようなことはしない、おもいきりやってくれよ”
といわれ、一也の心に燃えるものがあったが本当に大切なものを、すっかり大切なものを忘れていた。勘違いしている事に気が付かない、働くだけが家族の為かということを、なにか他に方法はあったはずだ、会社の人、お店の人と付き合うこと、それは、それで大事なこと、仕事だけに心を奪われては、家族はどうするのとその時、一也に考える余裕があったら、今の一也はもっと理想的な一也でいたかもしれないが、今の姿は現実の姿、もう取り返しがきかないかもしれない、平成八年一月二十四日オーナーが急性心不全という診断で四十八歳という若さで命を失った。
思えば、一也には想いで深い人だった。

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