ヤミ、闇、病み

ヤミ、闇、病み

第8話



俺が起きた頃にはもう天音はとなりにはいなくて微かだが下から音が聞こえてきている。

時計を見るといつも起きる時間より少し早い。

「朝、か・・・」

いやな胸騒ぎを覚えながら俺は朝を迎えることとなった。












「あ、おはよう」

俺が下降りると天音は朝食と昼食を作るのに集中しているためこっちを向かないで言われるいつもと変わらない「おはよう」

どうやら天音もぐっすり眠れたようだ。

まぁ横になった瞬間もう寝てたからな。

「ん、おはよう」

そう言いながら俺は椅子に腰かけ何の気なしに天音を見る。

天音が黙々と、たまに鼻歌まじりに料理している・・・たったそれだけのいつもの風景なのに、

なぜかすごく安心した。

「ありがとね」

唐突に天音はそう言った。

「ん?何が?」

分かりやすく言えば天音に見惚れていて頭がうまく働いていなかった。

「一緒に寝てくれて・・・」

背中しか見えないが天音はどことなく恥ずかしそうにしている。

なんというか・・・乙女っていう感じだ。

「気にすんなっていったろ?よく眠れたか?」

こっちまで恥ずかしくなってきて少し話題をそらす。

考えるまでもなく俺は昨日実の姉と一緒に寝ている。

しかも高校生になって、だ。

恥ずかしくないわけがない。

「うん、ぐっすり。孝介は眠れた?」

今度は少し心配そうに天音はそう聞いてきた。

もし俺がよく眠れていなかったら、きっと自分のせいだと背負いこんでしまっていたのだろう。

「俺もぐっすりだ」

少し明るめに俺は答えた。

実際ぐっすり眠れたわけだしな。

「そっか、じゃあ今日も一緒に寝る?」

「それはやめとく」

そんなことしたら色々と辛いものがある。

主に理性が・・・。

「残念」

「本当に残念そうな声を出すなよ」

本気なんだか冗談なんだか分からない。

天音のことだからもしかしら本気で言ってるのかもしれない。

「はい、出来たよ」

そう言ってテーブルの上に二人分の朝食が並べられる。

「いただきます」

「いただきます」

いつもより少し早い二人そろっての朝食が始まった。

「明日は休みだね」

「そうだな」

明日は勤労感謝の日ということで休みだ。

まだ学生だから勤労していないけど勤労している人たちに感謝だ。

「どっかいくの?」

どこか期待しているような顔をしている天音。

「ん~特にはないけど」

約束があったかどうかを思い出しながら箸を進める。

「そっか」

天音はなぜか少し安心したような顔をした。

「久々に二人でどっかでかけるか」

考えるより先に口から言葉が出ていた。

「ホント!?」

俺がそう言った瞬間目を輝かせてテーブルから身を乗り出していた。

「ホントだから少し落ち着けって・・・」

あまりの勢いに危うくコップを落とすところだった。

「だって、孝介から誘ってくるなんて今までになかったから・・・」

確かに誘った記憶はない。

「まぁどこ行くかとかは帰ってから決めような。ごちそうさま」

俺はそう言いながら食器類を流しへと運ぶ。

「うん!!お粗末さま」

時間をみるとまだ少し余裕がある。

今日はゆっくり準備ができそうだ。




















「そんなことはなかったか・・・」

ゆっくりできると思ってたらゆっくりしすぎてしまい学校に着いたのは遅刻ギリギリだった。

「大変そうだな。なんかあったか?」

いつの間にか隣には達也がいた。

「いや、ちょっと家でゆっくりしすぎた」

ちょっとゆっくりのつもりがだいぶゆっくりしてしまった。

そのせいで学校までもうダッシュする羽目になったわけだが・・・。

「もうすぐ花火大会だからって浮かれてるのか?」

「そういえばそうだな・・・」

天音もこないだ言ってたっけ?

「今年もまた行くか?」

「どうするかなぁ・・・」

忘れてたから全く考えてないけど案外天音と行くのも悪くないかもしれない。

「まだ微妙。もうちょっと考えてみるよ」

達也に中途半端な返事を返す。

「そうか。じゃあ決まった教えてくれ」

そう言って達也は自分の席へと帰っていった。

「さて・・・どうするかなぁ・・・」

とか考えているうちに俺は意識を失っていた。





















「ふわあぁ・・・」

今日何度目か分からない欠伸。

ほとんどの授業を寝ぼけ、たまに寝てしまいながら受けていて、気がつけばホームルームだった。

「眠そうだね」

後ろからみやびが声をかけてきた。

「なんでか眠気が襲ってきてな・・・。眠くて仕方なふわあぁ・・・仕方ないんだ」

会話中に欠伸をするのは失礼と分かっていても抑えることはできなかった。

「そっか、よくわからないけど大変だね」

まぁ自分でもよくわかってないしな。

いや、本当のところ少し分かっている。

やっぱり昨日の夢が関係あるのだろう。

妙にリアルで本当に起きてしまいそうな・・・。

「孝介くん?ホームルーム終わったよ?」

心配してか、みやびが俺の顔をのぞいてくる。

「お、おう・・・」

俺はバックをもって立ち上がる。

「今日はよく休んだ方がいいよ?」

みやびが心配そうな顔でこっちを見ていた。

「ん、そうする」

そう言って教室を出ようとした時俺の携帯が振動した。

「んっと・・・天音からか」

From天音

件名 明日なんだけど・・・


水族館に行きたい。最近近くに出来たとこ。






「水族館、か・・・」

ああいうところはすぐ飽きてしまうのであまり好きじゃないんだが・・・。

まぁ天音が行きたいというなら仕方ない。

「そこでいいよっと」

天音にそう返信して、俺は家路へと・・・。

「先輩?」

急ごうとしたら夏鈴にあった。

「今日はちょっと用事があるので部活休みます」

休むも何も実質活動してるのは夏鈴一人。

でもこうやって休む時は必ず連絡をよこしてくれる。

律義というかなんというか・・・。

「分かった。今日は俺も調子が悪いから休みにしてしまおう」

「先輩はいつも休んでますよね?」

「さて、帰るか?」

耳が痛い事は聞き流して昇降口へと進んでいく。

「あ、今流しましたね?」

ワンテンポ遅れて夏鈴も付いてくる。

俺は普通に進んでいるつもりだがやっぱり女の子ということか夏鈴は少し早歩きだ。

「何のことか分からねぇな。ほら、お前あっちだろ?」

そう言って俺は一年のロッカーの方を指さす。

「はいはい・・・じゃあ先輩、また明日」

夏鈴はぺこっと頭を下げて一年のロッカーの方に行ってしまった。

「明日なー」

少し大きめの声で夏鈴に返すが無視されてしまった。

「俺も帰るか・・・」

明日は水族館。

今日は早く寝た方がいいだろう。

そう思い俺は少し早足に家へと向かった。


















後書き

どうも、孝介です

ということで第8話、いかがだったでしょうか?

一応予定では半分・・・のつもりでしたが色々考えていくと

伸びそうな感じ・・・

まぁのんびりやっていくのでいいですけどね

ついに天音さんといい感じになっていきます

そろそろ姉としてじゃなく意識し始める・・・といった感じでしょうか?

あまり期待せず次話をお待ちください

では、9話後書きでお会いしましょう

第9話


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