輝きの風景 Ocean View

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第二六部 「電気の神と番人」


周りは、もうさっきのような水分をたくさん含んでいた雲は無くなり、ふわっとしている雲のところだった。しかし、刺激を与えると、バチバチっと、雲から電気が伝わった。どうやら、周囲の雲はすべて雷雲らしい。そして、そこを越えてようやく、クロス達はたどり着いたのだった。電気の神がいるところへ。空と、水の両国はその電気の神が、両国に戦いをもたらし潰そうと企てた、という。しかし、なぜ電気の神がそんなことをするのか、という質問に対しては誰も答えなかった。

「それにしても・・・。これは工場じゃないか・・・?」
そこには、黒ずんだ屋根に、コンクリートでできている建物があった。そして、看板には、荒々しく、「雷光場」とかかれていた。
しかし、疑問は残るばかり。普通、電気の神が、水と空の両国を潰すような戦いをもたらすだろうか?もしそうだとしたら、そのときは・・・。
特に、クロスと、クロノは腹が立っていた。二人は、そんな哀れな両国にそれぞれ力を貸し、まんまと二人とも騙されていたのだった。
「シール、オレが攻撃を仕掛けたときは、さっきみたいに止めたりするなよ。許せねえんだからよ・・・。」
だいぶ腹が立っているようだった。しかも、
「私も同感です。」
と、クロノまで言ってしまう。これは、止める、と言うよりもそれ以前の問題で、止められるか?と、シールは思った。

そして、いよいよ金属の重たい扉が開いた。
「電気の神。あんたに話がある。」
クロスが言うと、すかさずシールがつっこんだ。
「おい。いくら、あんな事をしたからって相手は神だ。口を慎めよ。」
しかし、クロスは続ける。
「いねーのかー?」
すると、奥からガシャン、ガシャンと音が聞こえてきた。
「警備用ロボットか?」
三人は身構えたが、それが喋りだした。
「止めてください。あなた達に危害を加えるつもりはありません。ロボットかもしれませんけど、こう見えても武器は一つも無いんです。」
その言葉にみな驚き、戦意喪失した。あまりに驚いて、あやうくデータサブジェクトを落としかけた。そして、影からそれが出てくると、さらに驚くものがあった。顔は、人間だった。まだ若い。二十歳前後、といったところか。しかし、体、そして、手足はすべてにおいて機械でできていた。
「何かご主人様に用ですか?」
「あ・・・?ああ・・・。ああ。そうだ!お前のそのご主人様は・・。」
クロスが言いかけた瞬間、まるでその言葉を待っていたかのように、その人物が喋りだした。
「ご主人様は、只今外出中でございます。用があるなら、ここで待っていても平気ですが、いったん戻ってまた来ると言うことも可能です。」
あまりに喋るリズムが一定なので、少し混乱してきた。
話し合いの結果、クロスの「あの電気の流れる雲を渡って戻り、それからまた来るのはゴメンだ。」という意見にみな賛成し、結局ここで待つことにした。そして、その人物と電気の神のことについて話すことにした。
「あんたのご主人、電気の神はどんな奴だ。」
と聞くと、顔色一つ変えず
「私には感情というものがありません。どんな奴だ?と聞かれても答えることはできません。」
シールは、やっかいだな。と思っていた。そして、質問した。
「そもそも、あんたは何者だ?」
また、顔色一つ変えずに喋り始めた。
「私は、{A-X No.9620}です。この、雷光場を守る、アンドロイド、番人みたいなものです。許可のあるものは入れ、許可のないもはこの屋敷へ入れない、そうご主人様から言われ、その指令を実行しています。」
すると、またすかさず、シールが問う。
「じゃあ、なんで俺たちは入れた?許可は出ていないはずだ。相手は俺たちの事を知らないはずだからな。なぜだ?」
すると、相手は一瞬困ったように顔をこわばらせ、一言だけ言った。
「私は、命令を常に実行しています。」
だめだ、とシールがカルス達へ振り向く。そして、今度はクロノが質問をした。
「あなたのご主人様は、電気の神と言われているのをご存じですか?」
すると、今度もまた顔をこわばらせた。
「電気の・・・・神・・・?」
「そうです。なにか神について、心当たりはありませんか・・・?」
それだけで充分だった。当然、番人は苦しみ初め、床にうずくまってしまった。そして、後ろの、金属のドアが音を立てて、重々しく開いた。
「A-X No.9620よ。部外者は勝手に入れてはならないはずだ。もし許可の下りない奴が訪ねてきたら、お前の自慢のマシンガンで撃ち殺せと命じたはずだ。お前の友達のようにスクラップにするぞ。」
突然、小柄で指に宝石をズラリと並べた男が入ってきた。
「やあやあ、諸君。この私、電気の神、シュレッドに何か用かな?」
すかさず、クロノが答えた。
「なぜ、両国の住民達にあんな事をするんですか?第一、なぜ水を吸い上げたんですか?」
すると、わざとらしく指の宝石を光らせ答えた。
「水を吸い上げた理由、それはもちろん彼らに復讐するためだよ。」
今度は、クロスだった。
「その理由は!?」
また光らせた。シールは、その宝石に小型通信機が着いているのを見た。
「奴らは私たちを追い出したのだ。電気は、水と空にも悪い相性なのだよ。そして、私たちはここへ追い出された。だから周りに電気を貼ったわけだ。だれも近づかないようにね。そこで、奴らに復讐を企てた。」
そして、クロスとクロノが同時にあることを思い出し、同時に言った。
「伝言を預かっています、{今まで悪かった。許してくれ。}以上です。」
すると、シュレッドは鼻で笑った。
「もう遅いわ!そうだ、特別に君たちには教えてあげよう。どちらにせよ、防ぐすべはもう無いのだからな。明日、私のこの工場で作った、戦闘兵器を使って、二つの国を潰す。」
「なんだって・・・!!」
「お遊びはそこまでだ。何のためにここまで来たのかはわからんが、しばらく眠りについてもらおう。」
そういうと、かなりの早さで僕たちにスタンガンを浴びせた。
「クックック・・・。気づいたら焼け野原だったら、とても良い・・。」
そこで、クロノと、クロスの意識は途絶えた。その後、クロス達は外へ運び込まれた。おそらく運んだのはあの番人。そして、番人はクロス達を、そっと、安全な雲のところへ寝かせてやった。
それを知っているのは、シールだけ。
そして、なにか巨大なものが動き出した。

「さあ、フィナーレだ。」


アレキサンダーへの接続書
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